スマートスピーカー使いこなし術
スマートスピーカーはどう便利? その4 ~スピーカー対応の「ロボット掃除機」「空気清浄機」を操作してみよう
2018年6月27日 07:00
スマートスピーカーの普及に伴い、スマートスピーカーに対応した家電も少しずつ増えています。今回はより複雑な機能や操作が可能なロボット掃除機と空気清浄機のスマートスピーカー対応について紹介します。
お掃除ロボットの代表格「ルンバ」を音声でコントロール
最近では「新・三種の神器」と評されることもあるなど、すっかり家電としての認知が高まっているロボット掃除機。その中でもロボット掃除機の火付け役とも言える「ルンバ」は、「980」「960」「890」「690」という4つのモデルが無線LAN機能を搭載、スマートスピーカーを使って音声でコントロールできます。
AmazonのテレビCMで、Echoに向かって話しかけるとルンバが動き出すというシーンを見たことがある人もいると思いますが、ルンバ自体はAmazon EchoとGoogle Homeの両方に対応しています。また、WebサービスやIoT製品を連携できるサービス「IFTTT」と組み合わせてAmazon EchoやGoogle Homeと連携することも可能です。
設定は前回のスマートライト「Hue」や、スマートコンセント「TP105」と同様の手順で、まずはルンバの専用アプリ「iRobotアプリ」でアカウントを作成し、操作したいルンバの型番を選んでルンバの無線LANを設定を進めるとスマートフォンからルンバを操作できるようになります。
手順は長めですが、アプリの説明が充実しているので画面に従って操作すればさほど難しいところはありません。ただし、アプリの画面でも注意書きがある通り、ルンバが対応する無線LANは2.4GHzのみの対応で、5GHz帯には対応していない点は注意しておきましょう。
ルンバの無線LAN設定が完了したら、スマートスピーカーから設定を行ないます。Amazon Echoなら「スキル」から「iRobot」を検索、iRobotのアカウントでログインして連携すると利用できるようになります。Google Homeは「OK Google ルンバにつないで」と話しかけるとスマートフォンに設定画面が表示され、iRobotのアカウントでログインして連携します。
操作するための音声コマンドはiRobotのWebサイトに掲載されていますが、Amazon Echo、Google Homeともに大きな違いはありません。ウェイクワードの後に、「ルンバを使って」に続けてお願いしたい内容を発声します。例えば掃除をして欲しい時は「ルンバを使って掃除して」、掃除を終了したい場合は「ルンバを使って掃除を終了して」と発声します。掃除を終わらせたい時は「ホームベースに戻しますか?」と聞かれるので、「はい」と答えればルンバがホームベースへ戻ってくれます。
◇Wi-Fi対応ルンバとAlexaで使用可能なコマンド(アイロボットジャパン)
テレビCMのように、何かをこぼしてしまって掃除したいときに、両手が塞がっていても音声でルンバを呼び出すことができます。また、家を出るときに「掃除して」とお願いしておけば、留守の間に掃除を済ませておいてくれます。
こうした設定はタイマーでも可能ですが、休日などは家を出る時間が決まっていないこともありますし、タイマーを毎回設定するのも手間がかかります。「掃除して」とお願いするだけでルンバをコントロールできるのは体験してみるととても便利です。
音声で家電をコントロールできるシャープの「COCORO」シリーズ
スマートスピーカーは海外で先行して販売されていたこともあり、スマートスピーカーに対応した家電も海外製が多いのですが、国内メーカーとして積極的にスマートスピーカーに対応した家電を発売しているのがシャープです。
シャープの家電製品のうち、無線LAN機能を搭載した最新モデルがAmazonのAlexaに対応しており、同社のクラウドサービス「COCORO KITCHEN」に対応した調理家電や冷蔵庫、「COCORO AIR」に対応したエアコンや加湿空気清浄機を音声でコントロールできます。また4月下旬からGoogle Homeにも対応しました。
今回はCOCORO AIR対応の加湿空気清浄機「KI-HP100」を使って、Amazon Echoからの音声操作をご紹介します。
KI-HP100とAlexaを連携するためには、まずKI-HP100本体のボタン操作でKI-HP100を自宅の無線LANに接続します。ルンバと異なりKI-HP100は5GHz帯の無線LANにも対応していますが、接続設定はボタン方式のWPSのみで、手動設定には対応していません。自宅の無線LANルータやアクセスポイントがWPSに対応しているかあらかじめ確認しておきましょう。
KI-HP100の無線LAN接続が完了したら、対応アプリ「COCORO AIR」で利用するためのIDを取得したのち、Alexaアプリから「COCORO AIR」のスキルを有効にすると利用できるようになります。
音声でコントロールできる機能はシャープのWebサイトで公開されているPDFに詳細が説明されていますが、空気清浄機の電源オンオフはもちろん、加湿機能のオンオフ、運転モードの変更も可能です。
◇COCORO KITCHEN/COCORO AIRとスマートスピーカーとの連携について(シャープ・PDF)
操作の場合は「Alexa COCORO AIRを使って空気清浄機をつけて」といったように「COCORO AIRを使って」というフレーズの後に機能を発声します。また、「Alexa COCORO AIRを開いて」と発声し、「はい、なんでしょう」という回答に続いて「加湿して」といった機能の要望を伝えることもできます。
KI-HP100は、利用環境に応じて自動でモードが切り替わる機能も備えているため、基本的にはKI-HP100にすべてを任せてしまうのが便利ですが、電源をこまめにオンオフ管理したい人にとっては、音声でコントロールできるこの機能も有効でしょう。
同じCOCORO AIRに対応したエアコンの場合、エアコンの電源オンオフ、モード変更を音声でコントロールできます。また、COCORO KITCHEN対応の調理家電は、食材を指定したレシピの相談や、調理時間やカロリーと言った条件を指定したレシピを音声で調べることもできます。
長い操作フレーズを好きな言葉に短くカスタマイズ
今回はスマートスピーカーに対応した家電としてロボット掃除機と空気清浄機を紹介しましたが、前回紹介したスマートライトやスマートコンセントの操作と大きな違いがあるのに気がついたでしょうか。スマートライトは「つけて」「消して」というシンプルなフレーズで操作できたのに対し、今回紹介した製品は操作したいフレーズの前に「〇〇を使って」と、製品を特定する必要があります。
ライトのほかエアコンといった家電はスマートスピーカーが標準対応しており、メーカーはライトやエアコン向けに提供された技術を利用することで「エアコンを消して」「ライトを消して」といったシンプルなフレーズで操作できます。一方、今回紹介したロボット掃除機や空気清浄機はスマートスピーカーが標準対応していないため、「〇〇を使って」といったフレーズを追加して、どんな製品をコントロールするのかを指定する必要があるのです。
仕組み上仕方ない部分ではありますが、利用頻度の高い製品の場合はフレーズが長すぎると不便に感じるでしょう。こんな時に便利なのが、Google Homeの「ショートカット」、そしてAmazon Echoの「定型アクション」です。
Google Homeのショートカットは、スマートスピーカーを操作するためのフレーズを別の言葉で短く言い換えられる機能です。ルンバを使って掃除したい場合、本来は「ルンバを使って掃除して」というフレーズを「掃除して」というショートカットに登録することで、「掃除して」というだけでルンバを動かすことができます。
Amazon Echoの定型アクションは、ショートカットに近い機能ですが、より幅広い設定が可能です。1つのフレーズに対して複数のアクションを登録できるため、「行ってきます」というとスマートライトが消え、ルンバが動き出し、空気清浄機がオフになる、といった操作をまとめて行なうことができます。
どちらの機能も個別に設定する必要はありますが、普段利用頻度の高い機能であれば操作がとても楽になるため、お勧めの機能です。
次回は、スマートスピーカーに対応していない家電をスマートスピーカーでコントロールできるようになる「スマートリモコン」を紹介します。