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【始めよう薬膳レシピ7】疲労・イライラに、「梅風味のロールキャベツ」

4月は、新年度の忙しさや環境の変化で、疲れや上半身の火照り、イライラなどの不快感を感じることも。今回は、肉体疲労やイライラを緩和する「梅干し」を使って、滋養を補う「梅風味のロールキャベツ」をご紹介します。ロールキャベツに入れる「クルミ」は、咳や皮膚乾燥を和らげるので、花粉症の症状も軽減。さらに「キャベツ」は胃に優しく、食材の栄養素を吸収しやすくしてくれますよ。

 

「梅風味のロールキャベツ」の食材効果

今回ご紹介するのは、肉体疲労を和らげる「梅干し」と、アレルギー症状に効果的な「クルミ」を合いびき肉に混ぜ合わせ、「キャベツ」で巻いた「梅風味のロールキャベツ」です。「梅干し」は、「気」が上半身に上ったり、五臓の「肝」の働きが過剰になる、ならではの火照りやイライラを鎮めます。今の時季にピッタリなうえ、もちろん通年使えるアイテムです。それでは、材料、作り方、食材の薬効を順番に見ていきましょう。

 

「梅風味のロールキャベツ」の材料(3人分)

キャベツ:中玉の葉 10枚ほど
昆布:適量 (ダシを取るのに使用)
水:1L(ダシを取るのに使用)
合いびき肉(牛豚):300g
塩:少々
コショウ:少々
ナツメグ:小さじ1/2
梅干し:中5つ
クルミ:大さじ3
おろしショウガ:小さじ1
醤油:大さじ1
顆粒コンソメ:5g(お好みで、固形なら1個)
爪楊枝:10本ほど(キャベツを留める場合のみ使用)

 

「梅風味のロールキャベツ」の作り方

1.ロールキャベツを煮るスープは、大き目の鍋で水、昆布を加熱してダシを取り、沸騰する手前で昆布を取り出します
2.キャベツを丸ごと下茹でし、軽く火が通ったら取り出し、芯の根元に切り込みを入れ、葉が破れないように1枚ずつ剥がしましょう。先に剥がしてから茹でてもOKですが、先に茹でた方が葉は破れにくいです
3.剥がしたキャベツは、具材(タネ)を巻きやすいように、芯の出っ張った部分をそぎ落とし、葉と厚さをそろえましょう
4.梅干しは種を取って刻み、クルミは細かく砕き、ショウガはすりおろしておきます。ボウルか大き目のビニール袋へ合いびき肉、塩、コショウ、ナツメグ、おろしショウガ、梅干しを入れ、粘りが出るまでよく混ぜ合わせ、最後にクルミを加えて捏ね、タネを完成させます
※消化力の弱い方、胃もたれが気になる方は、クルミの量を少な目にしましょう
5.適量のタネを丸く成形し、広げたキャベツの中央へ置いて手前から巻き、途中で左右の葉を重ね合わせながら巻き込み、最後に巻き終わりを葉の間に挟み込むか、爪楊枝で留めて、昆布ダシ(スープ)が入った鍋へ入れましょう
6.タネをすべて巻いて鍋へ詰めて中火にし、醤油、顆粒コンソメを加え、アクを取りながら15分ほど煮たら出来上がりです
(時間があればさらに弱火で煮込んだり、そのまま置くと味が染み込みます)

※顆粒のコンソメは、使わなくても大丈夫です。

 

薬効1「肉類(赤味肉)」

体に活力(エネルギー)を補うのに欠かせない赤味肉などの肉類全般は、「五臓」や、「血」の元にもなる食材です。滋養を補う力が強く、「ニンニク」や「ネギ類」などの「辛」味食材と一緒に摂ると、栄養素を吸収しやすくなります。また「牛肉」は、「温性」なので体を温め、体に力を付けやすい食材。「豚肉」は、糖を分解する「ビタミンB1」が豊富なため、疲労回復に効果的です。

 

薬効2「梅干し」

「梅干し」は、体に感じる疲れやコリを緩和したり、風邪予防に使うほか、食材の殺菌作用も認められています。「春」に感じやすい、のぼせやイライラなど、この時季ならではの不快感も和らげる食材です。

 

薬効3「クルミ」

薬膳で「クルミ」は、咳を和らげたり、皮膚乾燥や、アレルギー症状で起こるかゆみを緩和するので、花粉症の症状がある方にもおすすめです。また動脈硬化を予防する作用があるので、高血圧や心臓病が心配な方はお試しください。カロリーが高いため、エネルギー不足を感じるときに食べて体力を回復したり、体に熱量を増やすので冷え対策にも使えます。

 

薬効4「キャベツ」

「キャベツ」は強い作用がないうえ、「平性」という種類で体が冷えないため、どなたでも食べやすい野菜です。弱った胃腸を元気にしたり、やさしく「気」(エネルギー)を補いながら、体を助けてくれます。

 

体力回復には、消化の良い食材も一緒に

今回のレシピでは、エネルギーを補う「タンパク質」や「クルミ」と一緒に、「梅干し」や「キャベツ」も使っています。「梅干し」「キャベツ」は、どちらも消化に良く、胃の機能を高める食材。疲れを取ったり、体力を回復するには、エネルギー補給に加えて、消化を促す食材を摂ることも大切です。

胃に優しく、消化を促す食材としては、ほかに「リンゴ」「ヤマイモ(ナガイモ)」や、【不調の薬膳11】弱った胃腸対策でご紹介した「ジャガイモ」もあるので、食べやすいものを取り入れてみましょう。

 

「春」に感じる熱っぽさやイライラには、「梅干し」や「お酢」といった「酸」味の食材を摂ると、症状を緩和できます。また春先のだるさは、「苦」味の「菜の花」や「フキノトウ」でデトックスすると良いとご紹介しました。ほかにも4月は、環境が変化したり年度始めで忙しい方も多く、疲れが溜まりやすいため、心身のバランスを取りにくいシーズンと言えるので、休養もとりましょう。

 

 

A's Pumpkin(薬膳マイスター)

日々健やかに過ごしたいと考える、おばちゃまライターです。
薬膳マイスター資格を取得、自然由来食材のエネルギーをよりよく活かすことで、ひとりでも多くの方が健やかに過ごせるお手伝いが出来ればと思っております。国際薬膳食育師3級。