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【始めよう薬膳レシピ6】疲れにいつでも、フワフワ「ヤマイモの卵焼き」

新年度がスタートし、忙しさや、新しい環境下でお疲れの方も多いかもしれませんね。今回は、体にエネルギーを補う食材を組み合わせ、疲れを取ってくれる「ヤマイモの卵焼き」のレシピをご紹介します。どこにでも売っている食材で、いつでも疲労を緩和できる1品です。しかも、焼きたてはフワフワで、優しい食べ心地。さらに消化が良く、体質を選ばず召し上がれます。お花見などのお弁当にもいいですね。

 

「ヤマイモの卵焼き」の食材効果

今回ご紹介するのは、それぞれに滋養を補う力がある「卵」と「ヤマイモ(ナガイモ)」を組み合わせ、フワフワ、モチモチの食感を楽しめる「ヤマイモの卵焼き」です。力を出したいときにいつでもお試しくださいね。疲れたときやエネルギー不足を感じたときこそ、「卵」や「ヤマイモ」といった、消化の良い食材で体を癒すのがおすすめ。さらに力を付けたいとき、体を温めたいときは、血流を巡らせる「ニラ」を加えましょう。詳しくは、作り方でご紹介しますよ。

 

「ヤマイモの卵焼き」の材料(2人分)

卵:2個
ヤマイモまたはナガイモ:中5cmくらい
ダシ汁:小さじ2
醤油:小さじ1~3/4
水溶き片栗粉:水を大さじ2・片栗粉を小さじ1
ゴマ油またはオリーブオイルなど:少々
ニラ:適量(お好みで)
三つ葉などの葉物:適量(お好みで)

 

「ヤマイモの卵焼き」の作り方

1.ボールで全卵を溶き、すりおろしたヤマイモまたはナガイモをさっくり混ぜ合わせてから、ダシ汁、醤油、水溶き片栗粉を入れ混ぜて卵液を作ります
※片栗粉がないときは、卵焼きがまとまりにくくなるのを防ぐため、ヤマイモの量を少な目にします

2.フライパンか卵焼き器に、ゴマ油またはオリーブオイルを熱して、均等になるようにヘラなどで伸ばし広げたところへ、卵液を流し入れ、弱火で火を通しましょう
※油はご自宅にある油で大丈夫です。油を広げると、焼き上がりがきれいです

3.底面と周辺が固まってきたら、手前から巻き、焼けた部分を手前に引っ張り、半熟の部分を向こう側に流しながら焼いて、最後まで丸めます
※卵焼きが柔らかいので、丸めるときに菜箸のほか、フライ返しも使うと便利です

4.形を整えたいときは、フライパンから卵焼きを取り出し、巻きすやキッチンペーパーで押しながら成形しましょう

5.1口大に切ったら、フワフワ卵焼きの完成です
※体を温めたいときは、刻んだ「ニラ」を1で加え、同じように焼きましょう。

 

使用するダシは、カツオ節や昆布で取ったもののほか、量を加減しやすい白だしや顆粒ダシでももちろんOKです。市販品を使う場合は、塩分が含まれていますので、醤油の量を調整してください

 

 

薬効1「卵」

日本でもイースターエッグが一般的になってきて、この時季は、茹で卵を楽しんで食べているご家庭もあるかもしれません。「卵」は、【不調の薬膳7】でご紹介し、薬膳で、活力不足に役立つ食材とお伝えしました。また「卵」も、今回ご紹介した「ヤマイモ(ナガイモ)」も、「平性」という分類の食材で、どなたでも食べられて滋養を補います。どちらも虚弱体質の方やお子さん、ご年輩の方も食べやすく、働きが穏やかなため、継続して食べられるという特徴も。ただし血中コレステロールが高めの方は、担当医の指示にしたがい、黄身の食べ過ぎに気を付けた方がいいでしょう。

 

薬効2「ヤマイモ(ナガイモ)」

「ヤマイモ(ナガイモ)」は、体に力を付けたり、疲労回復に有用な根菜です。また五行説の「金」には、「秋」と「白」があり、五臓は「肺」になっています。以前「秋」は、「ユリ根」や「レンコン」がおすすめと紹介しました。「ヤマイモ」もその仲間で、薬膳ではまとめて「白い」食材と呼び、冬に備えて力を付ける野菜類です。特に「ヤマイモ」は、寒い季節を乗り越えるために、滋養を補う食材として有名。それでいて作用は穏やかで、胃腸が弱い方も食べられるほか、「肺」の機能を高めて、粘膜や肌の乾燥も和らげます。通年手に入るので、疲れたときにお試しください。

 

生きる力をくれる食べ物

今回ご紹介した「卵」「ヤマイモ」は、どちらも体に滋養を補う食材で、特に「ヤマイモ(ナガイモ)」は、五臓「腎」の働きを強めるので、薬膳では生きる力をくれる食べ物と考えています。疲労感を和らげたり、だるさを取りたいとき、老化予防にも効果的です。「ニラ」も「腎」に働きかけて、五臓の機能を高めるほか体を温めるので、低体温を自覚している方はお試しを。

 

寒さが和らぎ、早くも4月。薬膳で「春」は、バランスをとりにくく、ストレスを感じやすい時季。すでに、春におすすめの料理として、苦味のある「菜の花」や「フキノトウ」、酸っぱい食材の「梅干し」や「お酢」を使ったレシピ・食材をご紹介してきましたが、ストレスや心身に負荷を感じたときは、食べ物で癒すほかに、休養もとても大切です。どなたも忙しい現代ですが、休めるときに休み、心身を労わっていきましょう。

A's Pumpkin(薬膳マイスター)

日々健やかに過ごしたいと考える、おばちゃまライターです。
薬膳マイスター資格を取得、自然由来食材のエネルギーをよりよく活かすことで、ひとりでも多くの方が健やかに過ごせるお手伝いが出来ればと思っております。国際薬膳食育師3級。