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【始めよう薬膳レシピ5】根菜たっぷり、花粉症対策に「とろみレンコン」

花粉症による アレルギー症状で辛い方が多い時期です。今回は、粘膜を保護する効果がある「レンコン」をすりおろし、春らしい野菜と合わせた、花粉症を和らげる「とろみレンコン」のレシピをご紹介します。料理に加えた「ニンジン」「ヤマイモ(ナガイモ)」は、どちらも消化しやすく、エネルギーを補いやすい根菜。それぞれに、肌や粘膜の乾燥を和らげる働きがありますよ。春らしい野菜を使ったメニュー で、鼻詰まりや喉(のど)の不調、肌荒れなどの不調 を改善していきましょう。

 

「とろみレンコン」の食材効果

今回ご紹介するのは、タケノコやゴボウなど、春らしい野菜と一緒に調理した「とろみレンコン」です。花粉症やアレルギー症状を和らげる「レンコン」をすりおろすことで、とろみのあるスープ煮を作りました。薬膳で「レンコン」「ニンジン」「ヤマイモ(ナガイモ)」は、五臓「肺」という機能を補い、粘膜や気管、皮膚乾燥を和らげるので、花粉症や咳に効果的。「ニンジン」「ヤマイモ(ナガイモ)」は、どちらも胃腸の働きを助けたり、エネルギーを補う根菜です。また「タケノコ」はストレス解消に役立ち、「ゴボウ」は便秘・喉の痛みや目の充血に効いて、体調を下支えしてくれます。「干しシイタケ」は、胃の働きを強めながら、疲労を回復します。「とろみレンコン」 のメニューなら、鼻詰まりや喉(のど)の不調、肌荒れ といった不調を軽減できるので、材料や作り方を見ていきましょう。

 

「とろみレンコン」の材料(4人分)

干しシイタケ:3枚(ダシを取るのに使用)
カツオ節:適量 (ダシを取るのに使用)
水:800cc(ダシを取るのに使用、シイタケのダシ用300cc・カツオダシ用500cc)
ニンジン:130g(1~2/3本 )
ゴボウ:80g(2/3本)
ヤマイモまたはナガイモ:100g(中1/2本 )
タケノコの水煮:150g(1袋または1個)
塩:少々
みりん:大さじ2
醤油:大さじ2
レンコン:100g
おろしショウガ:小さじ2(お好みで)
セリの葉、菜の花など:適量(お好みで)

 

「とろみレンコン」の作り方

1.干しシイタケを水に浸け、冷蔵庫か涼しい場所に一晩置いて、ダシ(戻し汁)を取ります(※ぬるま湯だと、早く戻せます)
2.鍋に水を沸かし、カツオ節でダシを取り、できれば冷めたものを、シイタケのダシ(戻し汁)と合わせ ましょう
3.ゴボウは斜め薄切りかササガキにして水に晒し、ニンジンとヤマイモまたはナガイモはサイの目切りに、ダシを取ったあとのシイタケは薄切りに、タケノコの水煮は1口大に切ります
4.ダシを入れた鍋へ、ゴボウ、ニンジンを入れて加熱し、柔らかくなったらヤマイモまたはナガイモ、タケノコを追加。アクを取りながら5分ほど煮たら、塩、みりん、醤油で味付けし、全体が馴染んだら火を止め、時間があればそのまま置いて味を染み込ませましょう
5.盛り付ける直前に、鍋を温め、できれば皮を剥かずにすりおろしたレンコン、塩、おろしショウガを和えたものを、鍋へ回し入れ混ぜて、とろみが出たら完成です。レンコンはミキサーですり潰してもOK。ショウガは、苦手なら入れなくて構いません
6.写真では、セリの葉(「春の七草」の1つ)を添えていますが、青みの葉をお好みでどうぞ

忙しい方は無理せず、1・2を省略し、白だしや顆粒ダシなどでダシを作りましょう。

 

 

薬効1「レンコン」

薬膳で「レンコン(ハス・藕)」は、正反対の特徴を持ち合わせる面白い食材。食べると血行が良くなる一方、絞り汁は止血の作用があって、鼻血を止めるのに使われたと言います。消炎効果があるほか、メニューの「ゴボウ」と同じで便通を良くし、腸内環境を整えるので、免疫力が上がって、花粉症やアレルギー症状を緩和。煮物を作る時間がないときは、簡単にサッと炒めた「レンコンのキンピラ」でも、喉やに効いたり、炎症を抑える作用に期待できるため、特に花粉症などの症状が気になる方は、なるべく皮ごと使ったメニューを、まずは1週間ほど継続してみてくださいね。

 

薬効2「ヤマイモ(ナガイモ)」

【基本の薬膳19】で、「春」は、「肝」の働きを調整したり、「フキノトウ」や「菜の花」といった苦味のある食材を摂って解毒すると、のぼせやイライラ、だるさといった、春の不調が和らぐとご紹介しました。「春」はもうひとつ、「肝」と繋がりのある、消化機能の「脾」の働きも大切にすると、体バランスを整えやすくなり、ヤマイモ(ナガイモ)が役に立ちます。スライスして生で食べるとシャキシャキした歯ごたえを楽しめたり、食べ方がいろいろ。どの体質の方もお試しください。

 

薬効3「干しシイタケ」

薬膳で「シイタケ」は、「気」を増して、活力を補いやすくするほか、胃の働きもサポートする食材です。「干しシイタケ」になると、「陽」のエネルギーを取り込んで、疲労回復や免疫力UPの作用が強まります。戻し汁はダシに使え、コレステロールを下げたり、高血圧に効果的なので、使ってみてくださいね。

 

春ならではの不調を改善する薬膳

薬膳や東洋医学で、「春」は、主に上半身に詰まりを起こすため、鼻が詰まったり、目が充血したり、咳が出るとし、原因の1つを「フウジャ(風邪)」と考えています。「フウジャ」とは、体の表面や鼻・口から入る邪気のこと。皮膚にかゆみを生じさせたり、鼻や喉に不調を起こすものと捉えられているのです。

以前ご紹介した「五行」に当てはめると、「春」は「木」に位置し、気候は「風」になります。「フウジャ」を退けるためには、「ショウガ」や「ネギ類」、パクチー(コリアンダー、香菜・こうさい)などが効果的。冬の風邪で熱を発散させたいとき以外も、「ショウガ」や「ネギ類」が役立ちますよ。

A's Pumpkin(薬膳マイスター)

日々健やかに過ごしたいと考える、おばちゃまライターです。
薬膳マイスター資格を取得、自然由来食材のエネルギーをよりよく活かすことで、ひとりでも多くの方が健やかに過ごせるお手伝いが出来ればと思っております。国際薬膳食育師3級。