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電動モビリティの種類やルールとは? 警視庁「電動モビリティ交通安全教室」を取材してきた
2026年1月26日 10:05
警視庁は2025年12月に「電動モビリティ交通安全教室」を開催しました。これは電動アシスト自転車や特定小型原動機付自転車(以下、特定原付)など、多様化が進む電動モビリティへの理解を深め、交通ルールの違いなどを周知することが目的で、警視庁としては初の試み。それぞれの乗り物の特徴や違い、交通ルールなどの解説だけでなく、実際に設けられた模擬交差点や踏切を使って気をつけるべき点などを学べる体験コースも用意されていました。
電動モビリティの種類と違いとは?
最近は街中でもさまざまな電動モビリティを見かけるようになっています。e-bikeや電動アシスト自転車はもちろん、電動キックボードやそれ以外のかたちの特定原付、モペッドと呼ばれるペダル付きの電動バイク(区分的には原動機付自転車)など種類もどんどん増えているように感じます。
当日も壇上には4台の電動モビリティが並べられていました。電動アシスト自転車と電動キックボード、それに自転車に似ているけれど特定原付に分類されるパナソニックの「MU」、原動機付自転車となるモペッドです。どれも電力を動力に用いている点は同じですが、それぞれに特徴があり法的区分も異なるので交通ルールも変わってきます。
電動アシスト自転車(e-bikeもこれに該当します)は、法的な区分は自転車と同じで交通ルールも普通の自転車と同様です。免許は必要なく、ナンバーや自賠責保険加入義務もありません。乗車する際は自転車用ヘルメットの着用が努力義務とされています。警察が強調していたのは「あくまでペダルを漕ぐ力のアシストであって、漕がずに進むものはバイクになる」ということ。また、アシストできるのは24km/hまでで、それを超えてアシストするものもバイク(原付)となります。とはいえ、どの速度までアシストしているかは見た目ではわからないので、購入する際は型式認定制度に合格していることを示すPSマークが付いているものを選ぶことが推奨されていました。
電動アシストと同じようにペダルが付いていますが、漕がずにスロットル操作で進むことができるものは原付に分類されます。公道を走るためにはナンバープレートの取得が必須で、ウインカーやブレーキランプなどの灯火類も装備されていなければなりません。乗る側も原付免許が必要で、バイク用のヘルメットを被ることが義務。自賠責保険の加入も必須で、期限が切れていれば違反となります。
2023年に生まれた新たなカテゴリーが特定原付。電動キックボードのイメージが強いですが、最近は自転車のようなルックスのモデルが増えていて、なかには3輪や4輪のモデルもあります。16歳以上であれば免許不要で乗ることができて、ヘルメット着用は努力義務。ただ、公道走行にはナンバーの登録と自賠責保険の加入が必須です。見た目には、最高速度表示灯と呼ばれる緑色のランプが付いているのが特徴で、最高速度は20km/hまでしか出ません。
"特例"特定小型原付に該当するものは「自転車通行可」の標識がある歩道を走ることができますが、そのためには特例モードと呼ばれる6km/h以下に速度が制限されるモードに切り替える必要があります。その際には、緑色のランプが点滅に切り替わりますので一目瞭然です。
それぞれの気を付けるべき交通ルールは?
実際に走る際にどんなところに気を付けるべきなのかも警察の人に聞いてみました。答えてくれたのは警視庁交通安全課の権田さんです。まず、すべての乗り物に共通するのは基本的には車道の左側を走るのが原則であること。そして、飲酒運転は何に乗っても違反であることです。とはいえ、こうした乗り物の飲酒運転はまだまだ多いようで、権田さんも「お酒を飲んだら運転しては絶対にダメです」と強調していました。
また、特定原付で多いのは、歩道を走ってしまう違反だとか。前述のように歩道走行時は特例モードへの切り替えが必須ですが、切り替えずに走っていたり、そもそも自転車が走れない歩道を走っている違反が多いとのこと。
注意しなければならないのは、自転車の場合は13歳未満の子供や70歳以上の高齢者は「自転車通行可」標識がない歩道も走ることが認められていて、それ以外でもやむを得ない場合は歩道を走ることができますが、特定原付はそれが認められていないということ。自転車が走っているからといって歩道に入ると、特定原付では走れない歩道の場合もあるのです。
また、車道を走っていても右側を走るのは逆走になってしまうのでNG(自転車も同じ)。信号のある交差点を走る場合は、いわゆる二段階右折が必要で小回り右折は違反になります。一時停止や一方通行の標識にも従う必要がありますが、一方通行の標識の下に「自転車を除く」の補助標識があれば通ることが可能です。
個人的に気になる違法e-bikeの取り締まりについても聞いてみました。前述のように、スロットル操作で進んでしまうモデルについては電動アシスト自転車ではなく、原付になるため明確に違反として取り締まっているとのこと。また、24km/hを超えてアシストし続けるようなモデルについても、ペダルを回してみて速度の出過ぎるものは取り締まりの対象としているとのことでした。詳しい取り締まりの手法については明らかにできないとのことですが、速度が出過ぎるモデルを問題と認識していることはわかったので、取り締まりを厳格にしてもらいたいところです。こういった違法モデルについては、販売した業者にも注意をしており、繰り返される場合は摘発も行っているとのことでした。
種類が増えてきて、区分や交通ルールなどがわかりにくいところもある電動モビリティですが、適切に使えば移動を楽にしてくれる乗り物でもあります。こうした交通安全教室などを通して、ルールの周知などを行っていくことが大切だと感じます。

