家電レビュー
モンベルのファン付きウェアが快適 炎天下でもラクだった必須アイテム
2025年8月22日 08:05
モンベルの「ファンブロー」シリーズの「ファンブロー パーカ」を買いました。いわゆる「ファン付きウェア」ですね。ファンから空気を吸い込むことで、ウェア内に空流を起こし、効率的に汗を気化させて体温上昇を抑える効果があります。
買った理由は、7月に入って公園で商品撮影をしたときの「暑さ」。毎年この時期はそうですが、単独で撮影することが多い筆者の場合、撮影時は日傘もさせず直射日光下で汗だく。Tシャツの色が変わるほど汗をかきつつ、30〜40分も撮影をし続けると頭がクラクラしてきます。
またそのときは、商品が複数点あったので、合計1〜2時間くらい撮影しました(途中で何度か休憩をしましたが)。さいわいシッカリと給水などしたので脱水や熱中症には至りませんでしたが「やっぱりこれは対策せねば……いよいよファン付きウェア?」と考えて、ファン付きウェアの購入を考え始めました。
そこで見つけたのがモンベルの「ファンブロー」シリーズでした。ファン付きウェアっぽくない、フツーのアウトドアウェアっぽいデザイン。そして不使用時はファンの穴をウェアと同色のファブリック・カバーで塞げるらしい! サイズも大きいのがあるっぽい! ということで近くのモンベル実店舗で試着。
するとコレがイイ感じ。フィット感も良好でファンの風量・空流も好印象。即購入に至りました。
というわけで以降、モンベル「ファンブロー パーカ」のレビューをお届けします。でも、とりあえずココでしばらく使用した実感を書いてみますと、着ると着ないでは大違いで、筆者にとっては猛暑をより快適に……というか苦しい猛暑をラクに過ごせる超有用・必須ウェアとなりました♪
ウェア+ファン+バッテリーという構成
いわゆる「ファン付きウェア」は、ウェアとファンとバッテリーが個別で販売されているケースが多いようです。モンベルの「ファンブロー」シリーズも同様。
好みのウェアを選び、ファンやバッテリーを別に購入して使います。ファンやバッテリーは現在のところバリエーションがありませんが、ウェアは3タイプありカラーも豊富。なので、1セットのファンとバッテリーを別の「ファンブロー」シリーズ・ウェアに付け替えて使い回すこともできます。
なお、「ファンブロー」シリーズ・ウェア用アクセサリーも用意されています。具体的には、背中部分の空流をよくする「ファンブロー 3Dメッシュバックパネル」や、バッテリーを腰から吊せる「ファンブロー バッテリーポーチ」、ウェア内にある専用ポケットに装着できる保冷剤の「ファンブロー用 コールドパックセット」、イヤーマフを装着した林業用のヘルメットを着けた状態でも被れるフードの「ファンブロー オーバーサイズフード」があります。
十分な風量、ウェアは少し大きめのつくり
筆者が購入したのは長袖タイプの「ファンブロー パーカ」です。サイズはいちばん大きなXXLサイズでカラーはオレンジ(OG)。ウェアが14,000円、ファンが7,000円、バッテリーが15,400円で、合計36,400円となりました。
さっそく装着。いつも使っているサファリハット(首や顔までファブリックで覆えて涼しい・日焼け防止に好適)とともに着用しています。背景は中途半端だったヒマワリ畑を生成AIで拡張しています。
バッテリーの持続時間について、実際に使った感覚では、風量80やFULLを適宜使い分けて1時間ほど経っても「まだバッテリーがたっぷり残っている」という感じ。登山やトレッキングなどではまた印象が異なると思いますが、炎天下で1時間程度作業するならバッテリー容量的にまったく問題のないレベルだと感じました。
モンベルの国内向けウェアは、多くの種類でXLまでのサイズ展開で、筆者にとっては「XLだとピッチリで小さめ」という印象です。しかし「ファンブロー」シリーズだとXLでも「ちょうどいい」というサイズ感。XXLだと「少し大きめ」という印象です。XLとXXLの中間サイズが筆者にはジャストフィットだと思いますが、動きやすさなどを考慮してXXLを選びました。
ちなみにユニクロのウェアについて筆者に合うのはXXL。3XLだとぶかぶかで、XLだとピチピチという感じです。モンベル「ファンブロー」シリーズは、内側に空気が流れるということで、少し大きめのサイズ感になっているような気がします。
なお、モンベル「ファンブロー」シリーズは2024年発売で、発売直後は想定外に売れて品薄〜在庫切れが相次いだとのこと。2025年も7月中には品薄となり、現在では多くのサイズ・カラーが在庫切れとなっていました。なお、長袖の「ファンブロー パーカ」については、ネットショップにてまだ入手できるカラーがあるようです。
状況によって異なる「涼しい」の感じ方、でも明らかに体がラク♪
筆者がこのウェアを買ったのは2025年7月後半。直後から使い始めましたが、総じての印象は「猛暑・炎天下で活動するなら必須」というものです。
猛暑の炎天下で少し出歩くくらいなら、日傘とハンディファンくらいがあればしのげるような気がします。ですが、出歩くだけでなく、ある程度体を動かしたり集中したりして「作業する」には、筆者的にはモンベル「ファンブロー」ウェアがないと「無理……っていうかイヤ!」って感じです。
ただ、このウェアが「涼しいのか?」と言われると、それは状況によって異なります。たとえば猛暑・炎天下で商品撮影をする場合、涼しくはありません。「暑くて倒れそう」とはなりにくいですが、「そこそこ暑い」という感じ。
しかし、つねにウェア内の空流が汗を気化させ体温上昇を抑えてくれるので、「暑いけど頭がクラクラするほどではない」という感覚。暑くて額に汗が流れたりはするものの、作業を続けられます。
また、この作業が猛暑・炎天下から、猛暑・木陰になると、感じ方が大きく変わります。気温が35℃や40℃といった猛暑日以上の日でも、直射日光ナシ+「ファンブロー」ウェアだと「なかなか涼しい〜」と感じられます。「直射日光を浴びたウェアからの輻射熱より、ファンブローウェアの空流による汗気化が勝ってる?」みたいなことかもしれません。
ちなみに筆者は長袖タイプの「ファンブロー パーカ」を買いましたが、その理由は「長袖のほうが涼しい」「フードがあるとより便利そう」と思ったからです。
あまり期待していなかった「フードの効果」ですが、抜群です(ちなみにこの方法は土木作業現場で作業員の方がそうしているのを見て知りました)。首筋から頭部全体にかけて空流が起き、これが暑さを大幅に低減してくれます。とくにファンを強めに回していると顔〜頭部から出る汗がかなり減って(というかすぐ乾いて)快適。これが木陰〜室内になると「頭が(も)とても涼しい!」という感じです。このウェアではフードを多用し、サファリハットの併用はほぼなくなりました。
実体験としては、このウェアを装着してフードもかぶり、猛暑・炎天下で自転車×5台分の空気入れをしたときです。スポーツ自転車なので空気圧をそこそこ高圧にする必要があり、フロアポンプを何度も(空気がかなり抜けていたため1台につき60回以上)ポンピングする必要がありました。猛暑・炎天下でけっこうな重労働をしたわけで、汗もけっこうかきましたが、「暑くて無理!」という事態にはならず。「こんな状況でもハードな空気入れできちゃった!」と我ながら驚いたウェア効果でした。
このウェア、多くの状況で暑さをかなり低減してくれます。また、先回り(!?)して汗を気化させてくれますので、皮膚から汗が滲むという感じもずいぶん減ります。
なので、「タオルなどで汗を拭う」ということもあまりしなくなりました。それでも状況によって顔に汗が流れたりはしますので、ときどきは汗を拭く必要が出てきますが、このウェアにより「汗拭きの頻度が激減」したことを痛感しています。
クルマの運転中にも使ってみました。興味本位で、背中部分の空流をよくするオプション品の「ファンブロー 3Dメッシュバックパネル」を買い、それをクルマで使いました。
この時期、運転中に「背中が蒸れて暑い」と感じることが多々あります。そんなときは体を少し前に倒してシートと背中の間に空間をあけて背中の蒸れを解消しています。でも運転中にはこれを何度も繰り返す感じ。
そこで上記ウェアとオプション品を使ってみたら、あら快適! 背中の蒸れがほとんどなくなりました!
クルマで移動中はだいたいエアコンを使っています。なので、エアコンからの冷気によりウェア内部を流れる空気もそこそこ冷たい! 体感的には「とても涼しい!」という感じです。
じつはこのウェアを使いつつ運転していると、外気温40℃くらいでもエアコンオフ・窓全開でそこそこ快適に走れます。車内は日陰ですし、体を空流が取り巻いて汗が引きますし。この季節にクルマを長時間運転するのにも、このウェアは向くだろうな〜と思う次第です。
それと、猛暑の屋外から冷房の効いた室内に入ったとき。
じつは先日、猛暑・炎天下のなか、駐車場から15分くらい歩いてマイナンバーカードの書き換えに行きました。猛暑・炎天下を15分も歩くということで、もちろん上記ウェアを着用して、です。でも歩いている途中はやはりそこそこ暑く、汗も少々かきました。
ですが! マイナンバーカード書き換え(というか交付)現場の建物内に入ると、冷房がしっかり効いていました。そしてその冷気がそのままウェア内に流れると……「すっ涼しい! 超絶涼しい! プチ灼熱地獄から天国に入った気持ち!」みたいな涼しさが感じられました。
しばらくそのままウェアの空流で涼んでいましたが、5分も経たないうちに「……なんか寒いかも」と思って空量を最低に抑えるまでに(オフにするとさすがに暑くなってくる)。ということで、こういうウェアはこの季節の室内でもかなり活躍してくれるのだと実感した次第です。
という感じのモンベル「ファンブロー」シリーズの「ファンブロー パーカ」。とても効果的ですし使いやすいウェアだと感じました。
ただ、気になるのはお値段です。筆者が買ったものは合計36,400円。Amazonなどではウェアとファンとバッテリーがセットで10,000円前後のファン付きウェアの類(謎ブランド)が買えたりします。これをどう見るか、でしょう。
筆者の場合、着心地にも効果にもかなり満足しています。また、ファン付きウェアの類にありがちな迷彩柄とかワイルド過ぎるデザインとかではないあたりも好印象。ファンなどの着脱も容易で、ファンを外した状態でもカバーをすれば普通のアウトドアウェアとして使えるのもいいなあと感じております。
ファンやバッテリーも国内ブランド品(京セラインダストリアルツールズ製)ということで安心感があります。さらにウェアの縫製をはじめとする「つくり込み」がしっかりしているあたりまで含め、「36,400円だったけど、役立ちまくりだし、いい買い物をしたなあ」と感じています。











