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LIXILから猫の健康わかる家電 触れないから負担なし

LIXILの猫用健康管理デバイス「neamo(ニアモ)」

LIXILは、猫の体に触れることなく、安静時の呼吸数を計測できるIoTデバイス「neamo(ニアモ)」を発表。2月9日よりMakuakeにて数量限定で予約販売する。Makuakeでの価格は17,800円からで、プロジェクト期間は5月1日まで。

「neamo」は非接触型の猫用健康管理デバイス。ミリ波センサーを搭載し、猫の安静時の呼吸数を自動で計測できる。従来の装着型デバイスとは異なり猫に直接触れないため、首輪やウェアラブルデバイスが苦手な猫でも、生活の中で自然に健康状態を把握できるという。

壁などに取り付けて設置。上部から猫の呼吸数をセンサーが測定

使用の際には、デバイス中央部にある小さな円形パーツを、猫のいる方に向けて傾けてセットする。内蔵センサーが対象となる猫の呼吸(腹部の上下運動)を把握する仕組み。

猫が普段よく過ごすお気に入りの場所(ペットベッド、ケージ、棚など)の上部に設置。石膏ボード壁へのピン留めや、マグネットによる取り付けができる。また、本体下部にネジ穴が備えられており、三脚の使用にも対応。工事不要で使えるため、賃貸住宅でも設置できる。

マグネット吸着用のパーツや、壁取り付け用のピンも付属予定

「neamo」専用アプリも用意(現時点ではiOSのみ)。計測データは自動的にアプリに連携される。アプリではその日の呼吸数や、日々の記録データをグラフで確認可能。

提供予定のiPhoneアプリ画面
1日の呼吸変化はもちろん、週/月/年単位でグラフ表示できる

継続して計測することで、それぞれの猫個体の「いつもの呼吸数」を算出し、猫の体調変化を可視化して把握できる点が特徴だ。また、1日1回のレポート通知があり、「いつもどおり」か「変化があったか」を毎日チェックできる。

目視が多かった「呼吸数」の測定。猫にストレスを与えず、継続できる形に

獣医療の発展や食べ物の品質向上、完全室内飼いの増加などを背景に、猫の平均寿命は年々長くなっている。それに伴い、猫が長く健康に過ごせるように、今まで以上に自宅での健康管理も重要性を増している。

そんな中、住宅建材メーカーのLIXILが、猫の健康管理デバイスとしてneamoを開発した。neamoは「near(近くで)」「monitor(見守る)」の二つを組み合わせた造語。また、響きが猫の鳴き声のようにも聞こえることから、その名前がつけられたという。

そばで見守るデバイスとして、nearとmonitorの二つを合わせて「neamo」になった

筆者は子供の頃から長年、猫を飼い続けているが、呼吸の測定をするという話は今まで聞いたことがなかった。しかし、実は重要な健康指標の一つなのだという。

「血圧や心拍数などと同じように、健康に関わる重要なバイタルサインの一つが、呼吸です。体重や行動変化は見て取れますが、猫は本能的に体調不良を隠す習性もあり、飼い主がそういったバイタルサインの小さな変化に気づくのは、なかなか難しいもの。なるべく定量的に日常の変化を把握し、継続して猫の健康管理をしたいというユーザーの声もあり、neamoの開発に至りました」(LIXIL HOUSING TECHNOLOGY 商品本部 ビジネスインキュベーションセンター 宇野さん)

neamoの開発を担当した、LIXIL HOUSING TECHNOLOGY 商品本部 ビジネスインキュベーションセンターの宇野さん(右)、山﨑さん(左)の2名に取材

自宅で呼吸の計測をするケースは、例えば、肥満気味の猫や、肥大型心筋症を患った猫において、経過観察のために行なうことが多いという。「安静時の呼吸数」の変化が重要で、病院受診時は、いつもと違う環境で猫が緊張し、呼吸や心拍が乱れることもあるため、家でリラックスした状態での測定が大事なのだそう。

しかし、従来は目視で呼吸数をカウントすることがほとんど。正確に測れているのかが分かりづらく、継続しにくいという声もある。

そこでneamoは、猫の呼吸に合わせて動く腹部の状態をミリ波センサーで計測。センサーと猫の腹部との距離の変化を1μm単位の高い分解能で捉え、呼吸数を算出する仕組みを実現している。

LIXILの「猫壁(にゃんぺき)」にマグネット吸着で取り付けた様子
三脚に取り付けた様子。猫が落ち着く場所の近くに、どんな形でも設置できるよう工夫

また、猫は、首輪など体に接触するものを嫌がる子や、環境変化に敏感で警戒心の高い子も多く、既存の健康管理デバイスだと、なかなか思ったように健康管理ができないケースもある。

neamoは、どんな性格の猫でも使えるデバイスを目指し、“非接触” かつ “存在感の少ないカタチ” を追求。猫にとって負担なく、いつもの生活のままでストレスフリーに使えることを大切にしている。

なお、多頭飼いの場合にそれぞれの個体を把握する機能は備えられていない。また、確実に測定を継続して行なうため、電源供給はUSB Type-Cケーブル経由で行なわれる。

今回のMakuakeプロジェクトは、一般販売に向けた市場検証として実施されるため、応援購入者の反応や声をもとにして、さらなるブラッシュアップに期待したい。

LIXILがなぜ猫のヘルスケアデバイスを?

neamoをなぜ、LIXILが開発したのか。突然のように思える話だが、実は、すでに製品化されているマグネット脱着式キャットウォーク「猫壁(にゃんぺき)」のプロジェクトから派生して生まれたのだそう。

強力なマグネットでキャットウォークなどを自由に設置できる「猫壁(にゃんぺき)」。耐荷重は8kg

「キャットウォークや落ち着くスポットなどを、壁にマグネットで設置できるようにする “猫壁(にゃんぺき)” は、企業とユーザーが交流できるオンラインコミュニティを設けています。そこで、様々な猫と暮らす方々の要望や意見をうかがいました。また、社内でも猫を飼っている社員から話を聞くなかで、猫の健康管理に対する声が多くあり、neamoの開発に至りました」(宇野さん)

LIXILでは「豊かで快適な住まい」を実現するべく、さまざまな製品やサービスの開発が行なわれている。その中の一つに、ペットとの暮らしにおいて「人とペットが末永く幸せに共生できること」を目的としたものも多数展開してきた。

その一つが猫壁であり、そこで得られた知見を活かしてneamoが開発されたという。「人と猫との快適な暮らし」をサポートする製品として考えると、LIXILらしい提案といえるだろう。いち猫飼いとして、neamoの展開、そしてこれからの製品やサービスの広がりにも注目したい。