家電レビュー

カドーの加湿器、ホントにお手入れ不要なの? 使ったら部屋がすぐ潤った

カドーの加湿器「STEM 500H」を使ってみました

冬の乾燥は、肌トラブルだけでなく体調にも影響を及ぼす“冬の大敵”。その対策として加湿器は欠かせない存在ですが、日頃のお手入れが面倒なのが悩みの種です。

日々のルーティンに「加湿器のメンテナンス」というタスクが加わるのはやはり億劫。しかも加湿器の汚れは目に見えにくく、掃除をしても達成感が得にくいため、どうしてもモチベーションが上がりません……。

そんななか、2025年11月に登場したカドーの「STEM 500H」は、超音波式とスチーム式が融合したハイブリッド加湿器。「1シーズンお手入れ不要」というのが最大の特徴です。

木造和室8.5畳、プレハブ洋室14畳に対応。33,000円と超音波式の中ではやや高価なものの、面倒な手入れから解放されると考えれば、その価値は十分に期待できます。

とはいえ、「お手入れ不要」というのはあまりにもメリットが大きすぎて、本当にそんなに都合のいい話があるのか気になるところ。そこで今回は、その実力を実際に使ってたしかめてみました。

1シーズンお手入れ不要で使える「クリーンヒート」

消費電力「弱」20W(加熱時140W)、「強」32W(同143W)

一般的な超音波式は、電気代が安くてすぐに加湿が始まる一方、水をそのまま細かい霧にして飛ばします。機種にもよりますが、多くのモデルは熱を使わないぶん、こまめに手入れをしないと衛生面が気になりやすい方式といわれています。

スチーム式は、タンクの水をヒーターで温めて、蒸気を出すことで清潔さを保てる反面、電気代が高く、本体も熱くなりやすい方式とされています。いわば電気湯沸かしポットのようなイメージです。

加熱方式超音波式スチーム式STEM 500H
衛生面
安全性
省エネ性
即効性

STEM 500Hは、この超音波とスチーム式の “いいとこ取り” を狙った、独自のハイブリッド技術「クリーンヒート」を採用したモデル。

一般的な超音波式が、水タンクの水をそのまま細かい霧にして部屋に飛ばすのに対し、STEM 500Hはミストになる前の水を内蔵ヒーターで約70℃まで加熱し、約12時間ごとに自動で加熱除菌し、清潔なミストだけを部屋に届ける仕組みになっています。

内蔵ヒーターで水槽内の水を約70℃で加熱し、雑菌を抑制

さらに、電源オフ中でもタンク内に水が残っているあいだは、約12時間ごとに自動加熱除菌を継続。ピンクぬめりやバイオフィルムの発生を抑えることで、「1シーズンお手入れ不要」というコンセプトを現実的なものにしています。

また、必要なタイミングだけピンポイントで低温加熱する方式のため、常に沸騰させ続けるスチーム式と比べて、電力消費を約1/6に抑えられるのも大きなポイント。高温の蒸気を噴き出さないため、やけどのリスクも小さく、子どもやペットのいる家庭でも使いやすい構造と言えます。

コンパクトで5Lの大容量

本体サイズは約245×315mm(直径×高さ)、重さ約3.1kg、本体カラーはクールグレー、ホワイト、ブラックの3色

見た目は、円筒形のフォルムで余計な凹凸がなく、どの角度から見てもスマートなシルエット。インテリアになじむ佇まいで、生活感を出したくないリビングにも置きやすいデザインです。

タンクは約5Lの大容量ながら、直径約24.5cmと比較的コンパクト。サイドテーブルの上にも載せやすいサイズ感です。木造8.5畳・洋室14畳対応で、寝室や子ども部屋のような個室はもちろん、1LDKのリビングでメイン機として使っても力不足はなさそうです。

連続稼働時間は弱モードで最大約33時間と、かなり長時間運転ができます。朝に一度水を入れておけば、在宅勤務で日中つけっぱなしにしても、そのまま就寝時まで湿度をキープ。「あ、もう水がない!」と慌てて給水する場面がぐっと減りそうです。

別売の専用液剤で香りを楽しむこともできます。ただし、アロマオイルは使用不可のため、その点は注意が必要です。

ボタンを押してすぐに立ち上がる

使い方は、タンクに水を入れて、電源ボタンを押すだけ。電源が入ると、すぐにミストが立ち上がります。

給水は、タンク蓋の両側を持って外し、やかんなどで水道水を注ぐ仕様。タンクは口が広く、水は注ぎやすい
中央の吹き出し口。直接水を注ぐと故障の原因に。知らないと注いでしまいそうな構造なので、家族で使う場合はあらかじめ共有しておいたほうがよさそうです

常時つけっぱなしではなく、乾燥を感じたタイミングで加湿器を起動させる使い方をしている筆者にとっては、スチーム式のように立ち上がりまで数分待つ必要がないぶん、とても快適に使えました。

帰宅直後やエアコンで一気に乾燥したタイミングなど、短時間でピンポイントに加湿したい人にもぴったりの仕様だと感じます。

湿度42%、室温20.1℃の6畳間の自室で窓とドアを締め切った状態で「強モード」運転を30分行なったところ、湿度は56%まで上昇。加湿力も十分でスピーディーに加湿できました
噴出口に手を近づけても、ひんやりと感じる程度の温度。子どもが触れても安心できるレベル

<本体側面の下部寄り、両サイドには取っ手があり、抱えるように持って移動できます。重心は取りやすいものの、少し動かすときにもかがむ必要があり、持ち運びの際は腰への負担を覚えることも>

強運転で加湿している様子。立ち上がるミストの量と勢いから、そのパワフルさがひと目で伝わります

ミストは非常に細かく、素早く気化するのが特徴。強運転で30分後に床を触っても、一切湿っていないのには驚きました。見た目から派手にミストが吹き出しているのに、床や壁を濡らしにくい構造のため、カビやフローリングの傷みが気になる人にもおすすめできます。

なお、静音性はカタログ値で35〜39dBと、図書館ほどの静けさ。たしかに動作音は控えめですが、雨音のような「ぴちゃぴちゃ」という小さな水音は聞こえます。水の環境音でリラックスできる人ならよいですが、神経質な人には大きなデメリットになりうるポイント。筆者も作業に集中するまでは時々、耳についてしまうこともありました。

シンプルながら必要十分な機能を搭載

機能については、「数%単位の細かい湿度の管理」や「スマホ連携」といった高度な機能こそありませんが、日常使いに必要な基本機能は一通りそろっている印象です。

左から電源ボタン、モードボタン、加湿量切替ボタン、タイマーボタン、照度切替ボタン

まず、モードボタンでは3つから選べます。

【オート】部屋の状態をセンサーで検知し、自動で加湿量を調節
【ナイト】インジケーターが消灯し、加湿量を控えめに運転。湿度が約60%以上になると加湿運転を一時停止
【急速】素早く加湿できる。30分後にオートモードに切り替わる

オート操作だけでなくマニュアル操作も可能で、加湿量切替ボタンで「間欠/弱/強」の3段階から選べます。タイマーは1時間・4時間・8時間の3種類から選択でき、分単位の細かい設定こそできないものの、「寝る前に1時間だけ」「就寝中に4時間」「在宅中に8時間」といった典型的な使い方もカバーできている印象です。

また、部屋の湿度の状況は、インジケーターの色でひと目で確認できて便利です。

インジケータ青は約50%以上、緑は約30~50%、黄色は約30%以下、赤は給水のお知らせ

ただ、インジケーターの緑が示す範囲が「約30~50%」とかなり幅広いのは気になる点。

一般的に、湿度が40%を切ると肌荒れや喉の痛み、ウイルス感染のリスクが高まるといわれているため、筆者もこの40%ラインをかなり意識しています。そう考えると、「40%より下か上か」が判別できないこの表示仕様は、実用面ではやや惜しいポイントでした。もっとも、別途湿度計と併用して使えば、それほどデメリットには感じないかもしれません。

照度切替ボタンを押すと、タンク下部のインジケーターや操作パネルの明るさを「強・中・弱」または「消灯」から選べます。なお、「消灯」を選んでも、操作パネル側は完全な真っ暗にはなりません。眩しいほどではないものの、就寝時にわずかな光でも気になる人は事前にチェックしておきたいポイントです。

消灯した状態

お手入れ不要でも、カートリッジ交換は必要

「90日間(1シーズン)お手入れ不要」というコンセプトであるものの、完全にほったらかしではありません。タンクの水は毎日入れ替える必要があり、汚れやぬめりが目立ってきた場合は90日を待たずに洗浄することが推奨されています。

それでもやはり、「毎日のお手入れを意識しなくていい」というだけで、日々の負担から解放された感覚はとても大きく、冬場の乾燥対策にも前向きになれました。

一方で、定期的なフィルターカートリッジの交換は必要になります。マニュアル弱モードで1日10時間運転した場合の交換目安は約6カ月で、メーカー公式オンラインストアでは1個4,980円で販売されているため、1シーズン約5,000円のランニングコストと考えると決して安いとはいえません。日々の電気代や手間が抑えられるとはいえ、ここは人によって評価が分かれるポイントだと感じました。

STEM 500H(HM-C500H)交換用カートリッジ「CT-C500」

実際に使ってみて、超音波とスチームの “いいとこ取り” というメリットを感じることができました。機能面は必要十分で、使い勝手もおおむね良好。細かな気になる点はあるものの、多くは使い慣れるうちに気にならなくなる程度でした。

頻繁なメンテナンスにストレスを感じている人や、在宅時間が長く加湿器をフル活用したい人ほど、この “1シーズンお手入れ不要” の恩恵を大きく感じられそうです。

福永 太郎

フリーランスの編集者・ライター。ライフスタイル系メディアの家電記事の担当を経て独立。現在は複数のWebメディアに寄稿。