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エアコン掃除で1万円の節約? 夏でも快適に過ごせる節電方法をパナソニックに聞いた

節電しながら快適に過ごす方法をパナソニックに聞いてみました

猛暑に気になる電気代。特に2022年は政府からも節電が呼びかけられていますが、節電というと「我慢」のイメージを持つ人もいるのではないでしょうか。しかし、暑いなかでエアコンをつけるのを我慢したりすると、熱中症になるおそれもあります。

涼しさはそのままに、電気代を抑える方法はあるのでしょうか? 「節電と快適な環境の両立方法」について、パナソニックに話を聞いてきました。最も効果的な節電方法や、エアコン以外で電気代を抑えるポイントなどを紹介します。

最も効果のある節電方法は?

経済産業省 資源エネルギー庁の省エネポータルサイトでは、家庭での電力の消費割合がグラフで公開されています。1日の電力消費において、最も比率が高いのがエアコンで、夏も冬も同様に30%を超えています。冷蔵庫、照明器具を合わせると5割以上を占めるため、これらを上手に使うことで効率よく節電できそうです。

家庭での電力の消費割合(出典:経済産業省 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「平成30年度電力需給対策広報調査事業の結果より作成」)

エアコンの節電に関しては、フィルターをこまめに掃除することや、設定温度を上げることなどが効果的だと言われています。そのなかで最も消費電力を抑えられる方法はなにか、パナソニックのエアーマイスター・福田風子さんに聞きました。

「日々の積み重ねとして一番大きいのは、設定温度を1℃上げること。これで約10~13%ほどの省エネになります。また、1年間お掃除していないフィルタ―と比較すると、2週間に1度のお掃除で電気代を約25%抑えられるため、月に2回ほどフィルターをお手入れしていただくのが効果的です」

同社のサイトでは、フィルターを掃除することで電気代を年間約1万円以上節約できるという実験結果も掲載されています。また、フィルターを掃除したらいつもより涼しくなったとの声も聞かれます。

パナソニックのエアーマイスター・福田風子さん
エアコンのフィルターを掃除すると電気代を約25%抑えられるといいます

このほか、エアコンはこまめにオフにするより「つけっぱなし運転」がお得と言われることも。室内の温度が高いときにエアコンの運転を開始すると、部屋を急速に冷やすために多くのパワーが必要になるからです。

この「つけっぱなし」と「こまめに消す」の分かれ目については、外気温が35℃以上の“猛暑日”のような場合は室温が上昇しやすいため「つけっぱなし」運転がお得ですが、30℃程度までであれば、室内温度がさほど上がらないため「こまめに消す」運転の方が電気代の節約につながるとのこと。また気温にかかわらず、30分以上の外出の場合には消した方がお得になるケースが多いそうです。

30分程度の外出であれば、外気温が35℃以上のときはつけっぱなしがお得

節電しながら快適に過ごす

エアコンの消費電力を抑えながら快適に過ごすには、具体的にどのようにすればいいのでしょうか。設定温度を上げると節電になるのは上述の通りですが、その際は風量を上げると涼しく感じやすいと福田さんは話します。

「エアコンは冷やすよりも風量を上げるほうが電力の消費が少なくて済むので、設定温度を1℃上げ、風量を上げることで年間約1,200円以上節約できます。風を感じることで体感温度も下がりますよ」

風量は弱いほうが消費電力が低そうですが、「微風」だと設定温度に到達するまでに時間がかかるため、かえって電気代がかかってしまいます。特に運転開始直後は風量「自動」を推奨しています。

またサーキュレーターを併用するのもポイント。「冷たい空気は低い場所に溜まるため、扇風機やサーキュレーターで上向きに送風して冷気のムラをなくせば、設定温度を下げなくても快適に過ごせます」(福田さん)

サーキュレーターで温度ムラをなくせば、より快適に過ごせそうです

睡眠時のエアコンの使い方も聞いてみました。タイマー運転をすると、エアコンが停止したときに暑くて目が覚めてしまうこともあるため、室温が26~28℃になるようにつけっぱなしにするのがおすすめとのこと。

つけっぱなしで気になるのが電気代ですが、夜間は昼間に比べて外気温も下がるため、日中よりも消費電力は低くなります。つけっぱなしにして、寝具などで温度を調整するといいそうです。

また政府の節電要請やクールビズでは「28℃」が目安とされていますが、これはエアコンの設定温度ではなく室温の話。福田さんは室内での熱中症を防ぐためにも、こまめな水分補給と合わせて、室内に温湿度計を置いておくことを推奨。特に高齢者は暑さを感じにくいため、室温が28℃を超える場合はエアコンをつけて、28℃以下にすることを呼びかけています。

熱中症を防ぐには温度計をチェックすることもポイントとなります

家庭でできる節電ポイント

消費電力の多いエアコンの節電方法を中心に紹介してきましたが、エアコン以外の家電についても教えてもらいました。ひとつひとつは小さなことかもしれませんが、ちりも積もれば山となる。できる範囲で取り組んで、夏の電気代を抑えましょう。

冷蔵庫

・ドアの開閉は、少なく短く
ドアを開けるだけで庫内温度が上がる可能性があります。庫内を整理して食品を出し入れしやすくし、ドアを開けている時間をできる限り少なくしましょう。

・熱いものは冷ましてから入れる
熱いまま入れると庫内温度が上昇し、余分な冷却運転が必要になります。

・詰め込みすぎは禁物
冷気の流れが悪くなり、消費電力が増えます。冷蔵庫に入れなくてもいいものは入れないようにしましょう。

冷蔵庫の中身は詰め込みすぎず、ドアの開閉もできるだけ減らしましょう

テレビ/照明

テレビや照明はこまめに掃除すると明るさがアップします。明るくしすぎず、適切な明るさに調節することで消費電力を抑えられます。また白熱電球を使用している人には、消費電力が低く長寿命なLED電球への交換をおすすめします。

白熱電球をLED電球に変えるだけで省エネになります
鄭 恵慶