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電気代ゼロで体を冷やせる、冷却アイテム6つをレビュー。熱中症対策にも
2022年7月29日 08:05
記録的な暑さが続く2022年夏。日中は数分歩いているだけでも熱中症の危険を感じるくらい、日差しが厳しく照っています。この時期になると雑貨店などで冷感グッズが賑わいを見せますが、気になるのは本当に冷たいのか、しっかり涼を得られるのかというところ。
そこで今回は、冷感グッズ6製品を実際に試してどういった用途で使うのに向いているのか検証してみました。首に巻くタイプや衣服にスプレーするタイプ、手を冷やすものなどをご紹介します。
やさしく自然なヒンヤリ感の、コジット「COOLOOP アイスネックリング」
今夏、特に話題になっているのが28℃で凍るという新感覚のネックリング。首に装着して使用するアイテムです。購入したのはコジット「COOLOOP アイスネックリング」(価格:2,980円)。
冷却に使われているのは、NASAが研究開発した特殊素材「PCM」。28℃以下で自然凍結し、27℃をキープするという特徴があります。凍結時は固体で、29℃以上の環境だと液体化。室温28℃以下なら冷たいままで、気温36℃の屋外でも2時間冷たさをキープできるそうです。
冷凍庫での使用にも対応し、冷凍庫だと10分、水道水だと30分で冷却可能。冷凍庫で冷やした後に首に装着しても、結露せずに使い続けられます。
使ってみると、「冷たぁ〜!」という感じではなく、「まぁヒンヤリするね」といった感じのヒンヤリ感です。瞬間的に強烈なヒヤッとした感じがしない代わりに、特に真夏日に外へ出かけた時に使った時には、0℃で冷凍させる冷感グッズよりも、冷たさが持続して気持ちが良いです。また、本体が結露しないので、Tシャツの首周りが濡れることもなく、快適に使い続けています。
試しに7歳の息子の首に着けさせると、はじめは「ぜんぜん冷たくないよ」と、「なぜ、こんなものを着けるの?」という感じで、けげんな表情でした。でもしばらく着けさせると、冷たさを実感できたようです。さらに、同品の子供用が届いたので使わせると、「こっちは首にピッタリと着くから、冷たい!」と喜んでいました。その後は、部屋の中でも使っていることが多いです。
なにより冷蔵庫や冷凍庫で冷やすと、すぐに凍結するので便利です。「さぁ出かけようか」となったときに、サッと冷凍庫へ入れれば、10分も経たずに凍結するからです。また、エアコンでキンキンに冷やした部屋であれば、そのへんに置いておくだけで凍結し、使い始められます。外出時はもちろん、リモートワーク中や就寝時に使うのにも良く、今回使った中で最も使用頻度の高いアイテムとなりました。
コジット「COOLOOP アイスピローシート」
こちらも同じく28℃以下で凍る特殊素材「PCM」を使用。シート型なので就寝時に枕にしたり、テレワーク時に椅子の座面に敷いて使うタイプです。購入価格は3,980円。
我が家の寝室にはエアコンがありません。猛暑日が連続した時などは、寝室はうだるような暑さです。そのため、アイスノンにタオルを巻いて、枕の上に置いて使っています。
「COOLOOP アイスピローシート」は、そんな我が家のような過酷な就寝環境では、冷却性に欠ける印象でした。本品を首や顔に当てると、冷たさを感じられますが、頭の下に敷いても、いま一つ冷たさを感じませんでした。ただし、アイスノンを使うほどでもない、涼しい日の夜には、首筋に当たると気持ちが良いです。また夏以外に、頭部が熱くなりがちな人や乳幼児が使うのに良いかもしれません。
使用前に凍らせやすいのは、うれしいです。アイスノンだと、凍らせるのに冷凍庫に数時間入れておく必要があります。一方で、「COOLOOP アイスピローシート」は10分ほど冷やせば、使える状態になります。
もし首から提げられるようにしてもらえれば、Tシャツの中に入れておけて、体がヒンヤリして気持ちよさそうです。また熱帯夜に、首ではなく、同じく体温が上がりやすいお尻に敷いて使ってみたら、とても良かったです。お尻用として使うのが、しっくりしました。
アイスノン「首もとひんやり氷結ベルト」
首もとを冷やすアイテムはバリエーション豊富で、アイスノン「首もとひんやり氷結ベルト」(価格:625円)は、凍らせた保冷剤を入れられるポケットが付いた首に巻くベルト。ベルトの長さにあった保冷剤が付属します。
4分割された細長い保冷剤を凍らせて、ベルト型の袋に収納して使うアイテムです。首に掛けるとヒヤッと冷たく気持ちが良いです。ただ、猛暑日に外で使うと、すぐに温められて冷たさを実感できなくなってしまいました。やはり保冷剤が小さいため、持続力が短い印象です。
そうした意味で、暑い外出時に使うというよりは、熱帯夜の夜に首に掛けて寝たり、リモートワーク中の体温調整のために適時に利用するといった使い方が合っている気がします。
アイスノン「極冷えタオル」
アイスノン「極冷えタオル」(価格:745円)は、水で濡らして使う冷感タオル。熱の拡散と水分の気化を促進する、TEIJINの接触冷感素材「COOOL SENSOR 'EX」を使用しています。ぬるくなってきたらタオルを振ると、再び冷たさが復活するそうです。
タオルを濡らして、ブンブン振り回すと、気化熱でタオルが冷えるというものです。一般的な手ぬぐいやタオルでも、同様の効果が得られますが、熱伝導性の高い素材を採用している同品の場合は、さらにヒンヤリ感が増しています。気化熱を利用した単純な方式であるだけに、冷たさも実感しやすいです。また、基本はタオルなので、ブンブン振り回した後に、顔や首もとなどを拭くと、なんとも言えない気持ちよさが広がります。
ただ、大人の筆者には、外出時に濡れたタオルをTシャツの上から首に巻くのは抵抗がありました。またTシャツがビショビショになるわけではないのですが、しっとりと濡れます。そのため、外からエアコンの効いた室内に入ると、とたんに濡れた首周りや胸もとが冷たすぎるのです。子供と公園などへ出かける時には良いですが、仕事の外出中に使うのには気が引けます。
逆に、外だろうが室内だろうが、身体中から熱を放出し続けている小学2年生の息子は、この濡らしたタオルを首に巻くのが気持ち良いらしいです。タオル形状の製品なので、小学校へ持っていっても、先生に注意されることもなさそうです。
小林製薬「タオルに氷をつくるスプレー」
小林製薬「タオルに氷をつくるスプレー」(価格:549円)は、名前の通りタオルにスプレーすると氷ができるアイテム。タオルにスプレーして肌に当てたり、服の上に直接スプレーしてほてった体を冷やすのに使えます。
タオルやTシャツにスプレーすると氷ができて、ヒンヤリします。筆者は息子と一緒に、Tシャツにスプレーして使ってみました。息子は「冷たい! 冷たい!」と楽しそうにしていたが、冷たさを感じられる時間が、室内でも数十分と短いような印象でした。
猛暑日には、Tシャツの背面にスプレーをしてから外出。背中が濡れているようなヒンヤリ感が得られました。ただ、外へ出るとすぐに汗が吹き出るほどの猛暑日だったこともあって、やはり冷たく感じられる時間が短かったです。Tシャツであれば、背中ではなく、ワキの下などに使うのが良いかもしれません。また、帽子の額に当たる部分にスプレーしておくと、これまたヒンヤリして気持ち良かったです。
これも、子供には人気でした。出かける前や部屋の中でも、スプレー缶を見ると「背中やって!」と積極的に使いたがります。
デサント「コアクーラー DAT-9000」
デサント「コアクーラー」(価格:2,840円)は、手に装着するタイプの冷感アイテム。付属の蓄冷剤を凍らせてバンドに装着して使います。
蓄冷剤は12℃をキープする仕様で、シャープの独自技術を活用したもの。12℃で手のひらを冷やすと、深部体温が下がりやすくなり暑さ対策につながるそうです。
手のひらに装着していると、ぐんぐんと身体中に冷感が行き渡る……ということはなく、じわじわと冷たさを「感じるかも?」といった雰囲気のアイテムです。「冷たい!」というよりも「涼しさを感じる」といった方が適切ですね。
蓄冷剤自体の冷たさを感じて「冷たい!」と感じましょう……というアイテムではないので、使用時には仕組みを頭の中でイメージすると、より効果を実感できるでしょう。逆に、この仕組をイメージできないと、「え? ぜんぜん冷たくないし、すぐに蓄冷剤が温まっちゃうんですけど……」という感想になりそうです。
ということで、激しい運動や作業をする時などは、その前や後の数十分間使い、深部体温を下げると良いでしょう。また、家の中で使えば、省エネにもつながるかもしれません。