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まるでヨーロッパの絶景の連続!! 阿蘇でのe-bikeアドベンチャー旅を満喫
- 提供:
- パナソニック サイクルテック
2022年12月19日 00:00
“自転車で楽しむ!”という仕事をフリーランスで行なっている#13cRRの平塚です。伊豆のe-bike旅以来となりますが、今回は……なんと九州の阿蘇くじゅう国立公園へ行ってきました!! 今年8月に阿蘇を訪れた際にその雄大さに圧倒され、もっと自転車を楽しみたい!! との思いが、今回の旅につながりました。
阿蘇くじゅうは4回目の訪問となります。1~2回目は選手時代に合宿で訪れ、滞在しながらトレーニングを行ないました。もちろん、景色やトレーニング、食など環境の良さを感じた覚えはありましたが、選手時代の狭い視野ではまったく見えていなかった。と感じたのが今年8月の訪問でした。そして、今回はとても最高の時間を過ごすことができたのでご紹介したいと思います。
牧場を走る!? どんな体験?
何も知らない状態で8月の阿蘇入り後に「牧野(ぼくや)ライド」というパワーワードを耳にすることになります。そのきっかけは、地元サイクリストの方との触れ合い。存在は知っていましたが、頭の中で阿蘇との結びつきがなく、初めて知った状態となりました。
その際に体験のお誘いをいただきましたが、残念ながら雨で中止に……。不完全燃焼の思いで九州を後にしたのを覚えています。そんな待望の牧野ライド、今回は無事に体験できました!! 同行したe-bike部の清水氏も2年前に体験していたそうで、その感想を聞くとますます期待が高まります。
ちなみに牧野とは、阿蘇の人々が放牧や採草といった農業をする場所であり、長い年月をかけ、野焼きや家畜・動植物保護を行ないながら守り続けてきた場所です。一般の方は立ち入ることのできない場所で、ガイド付きでなければ入ることができないスペシャルなフィールドです。
牧野の新コースをe-MTBで駆け抜ける!
今回牧野ガイドをしてくださったのは、トリムカンパニーの橋本 幸太さん。阿蘇くじゅうサイクルツアーを運営しており、さまざまなサイクルツアーを展開しています。また、道の駅・阿蘇を中心とし複数のサイクルガイドがいる阿蘇地域は、初心者から上級者まで幅広く対応できるシステムが整っているのが魅力です。
そして、今回は幸運なことに来年から新たに開放されるという牧野コースをご案内いただきました。実は地元の番組収録で撮影でいらしていた女性とも一緒にコースを走ることに。牧野(未舗装)どころかスポーツバイクにもe-bikeにも初めて乗る女性。そんな彼女も問題なく楽しめ、最高の景色を仲間と共有できるコースの存在も魅力のひとつです。
限られた時間だったこともあり、個人的には若干の物足りなさがありました。もちろん、楽しいんです。景色もいいし、クルマがいない安心した空間で走れて楽しいのですが、e-bikeのポテンシャルを全開で体験する、発揮し切ることはできず。翌日に予定しているトレイルアドベンチャーに期待が高まります!!
これだよこれ……期待通りの状況に思わず独り言!
翌日の牧野ライドの拠点は阿蘇ミルクファクトリー。自転車は誰もが知るパナソニックブランドの「XEALT(ゼオルト) M5」。日本ではいち早くe-bikeを展開していましたが、2022年4月に新たにe-bike新ブランド「XEALT」を立ち上げました。その第一弾のハードテイルe-MTBでとっておきのコースを案内してもらえることに。剛性のあるフレームに大容量のバッテリーを内蔵し、パワフルな走行が特徴です。
カッコよく黒光するXEALT M5にまたがり、ツアーがスタート。すぐにトレイルに向けての山道が始まります。いきなりのアドベンチャー感あるトレイルがお出迎え。最大勾配30%はあるのではないかという上り坂を含む半舗装路は、絶景で有名な大観峰へ続く国道の脇を通る旧道です。
急勾配を一気に駆け上がると、大観峰までの中腹あたりで212号線に合流。舗装された国道を少し下って、本格的トレイルに入るまでの“繋ぎ区間”の途中のフォトスポットで一回止まると、そこには阿蘇の町を見渡す絶景が広がっていました!!
木が生い茂る旧道を上って来たため、どこまで上ったのかなどが分かりにくく。だからこその絶景に、序盤ながら少しの満足感がありました。そして、さらに国道を下り先ほどよりも少し荒れた林道へと突入。
ここまでは、XEALT M5のパワーで上りを楽しみ、下り坂を使って少し休憩した“だけ“であったため、この後に広がる牧野に向けた足ならしといったところでしょうか。気持ち良く上るとすぐに舗装路が現れる。そこからまた少し上ると、ひらけた場所に出てさらに上って行きます。
黄金に輝く草たちをかき分けて右に左に大きく蛇行しながら上る道は、e-bikeといえどもやはり少し疲れるな、と思うほど一気に斜面を駆け上がりました。XEALT M5は「GXドライブユニット(直流ブラシレスモーター:250W/90Nm)」を搭載しており、そのパワフルさを存分に体感できます。
そんな上り道もこの後の絶景に必要な肥料だったということは、この時はつゆ知らず。やっと上り切るとそこはミルクロード(県道45号)。何度走っても最高です。それはもう自転車でもバイクでもクルマでも……もちろん歩いても気持ち良い道! 誰もが一度は見たい景色だと思います。
景色やコースに満足し、「これだよこれ……!」と独り言をつぶやく自分がいました。そのくらい最高の環境でした!!
上りまくったご褒美にさらなる絶景
ミルクロードの舗装路を少し走った先には牧野(こちらも許可が必要)へ向かう未舗装路へ。
いよいよ始まる牧野に興奮を抑えきれない私を制止するガイドの橋本さん。e-bikeを止めて、景色を見てみると……先ほどのフォトスポットで見た景色よりも、さらに大きな景色が広がっていました!!
阿蘇の街はもちろん、右下にはウネウネとした白い道が……。登口から見ると、まったくわからないその道は上から見るとすごい! の一言。「蛇の道」と呼ばれ、私有地であるため、許可を得たガイドがいなければ侵入すら許されないエリア。
そんな道を実際に走り、上から見ると感動そのもので、頑張れば頑張るほどきっとよく見えるでしょう! この感動は走った人にしかわからない体験です。
蛇の道、e-bike愛好家、坂好きは絶対に一度は上るべき。そして、上から見るべき道のひとつだと確信できます! もちろん、普段は坂道が苦手なサイクリストも、e-bikeをレンタルしてレッツトライです!
ここからが本番! 牧野を駆け抜ける
ここまで景色を中心に感動が詰まりきっていましたが、いよいよ牧野の本領発揮です。しかも、今回走るコースは新コース。3日前に刈られたばかりのエリアだそう。天気にも恵まれて、さらなるラッキーが重なりました。他のお客様に提供される前の「未知のコース」に胸が高鳴ります。
牧野を貫くミルクロード沿いを走り始めると、適度なアップダウンとワインディングが始まります。
序盤は難易度が低く、初心者でも楽しめそうなコースを進みます。時折見えるミルクロードは、真横にあったり真下にあったり……。すぐ隣をクルマが走っているはずなのに、静かな空間が広がり、聞こえるのは我々の話し声とモーター音。そして、草を踏むザクザクとした音だけ。心癒される空間に入り込みました。
牧野道に出ると、そこにはヨーロッパの田舎風景が広がっていました。以前にガイドの橋本さんのツアーに参加した外国人は「まるでアルプスのよう!」と表現したそうですが、私はフランスやオランダの風景を思い出しました。舗装がはげた古い道が、さらにいい味を出してくれます。
そんな道をすっと横に逸れると、またすぐに大草原へ! その大草原から見下ろすと……信じられない光景が。そこには言葉を失うほどの道が見えました。
野焼きの延焼を防ぐ防火帯として、草刈りをしてあるその道は、少し荒めに草が残っています。普通のマウンテンバイクで走行できる人は、世の中にどれほどいるかわからないほど、通常では重たい路面です。しかし、ここぞとばかりにe-MTBの威力が発揮されます!
太いタイヤに、パワフルなアシスト。特に、XEALT M5は一踏み目がとても力強く防火帯の走行にもってこい! といった印象です。牧野ライドは防火帯の草を潰すことにも役立っているそうで、バシバシ潰しながら走っていけます。
ザクザクと鳴る音は、クッション材のプチプチを潰す感覚に似ていて、とても気持ちいいです。ストレス発散にも繋がるのかな? とても幸せな空間が続きました。
コーナーごとに違う景色が見えて、振り返るとそこには先ほど走ってきた道も見えます。なかなか味わうことのできない、非日常の体験でした。今まで自転車に乗ってきた中で、もっとも感動した場所のひとつにカウントできます。
絶景とダウンヒルと山盛りチーズ
永遠に続きそうな道が広がっています。20分以上はかかると聞いてスタートしましたが、楽しすぎてあっという間に終わりました。体感だと5分くらい(笑)。楽しいことはすぐに終わります。感動の最後を迎えるのは、阿蘇の街を見下ろす高台。
これまでも阿蘇の街を上から眺めましたが、最後は一段と気持ち良い場所でした。小高い丘の上まで、タイヤが草で半分以上埋まる道なき道を草を掻き分けて進みます。こんな道を走れるのもe-MTBのパワフルさのおかげ。
平野を中心に阿蘇山や大観峰をはじめ、ここまで走ってきた山々を一望できる場所が、このトレイルの最後。もっと走りたい! という思いと、次への期待を胸に下山の途につきました。舗装路を経て街に下り、土手や田んぼ路を走り下から山を見上げると、直前まで走っていたはずの場所が。
どこを走っていたの? 本当にわからないほどに山深い。それでいて目と鼻の先にある阿蘇の山々にはまだまだ知らない場所が眠っていそうな気がして、帰り道「あそこも走れそう!?」と考えてしまいました。ただし、行けそう! と思っても、入っていい山なのか事前に確認が必要です。しっかりとガイドに依頼をして、牧野ライドを楽しむことをオススメします!
ライド後は駐車場に戻ってミルクファームのレストランで昼食。オススメのカルボナーラをこだわりのチーズ“山盛り”で。カルボナーラなのか、チーズなのか……私が食べたのはどちらだったのでしょうか?(笑)。とても美味しくいただきました!
誰でも走れる牧野ライド。レンタルe-bikeも充実
2日間の牧野ライドではさまざまな発見がありました。今までトレイルもマウンテンバイクも“非”サイクリストにはなかなか楽しめないのでは? と思うこともありました。特に牧野などは草も深く足場が重いイメージがありますが、そこで活躍するe-bikeと牧野を知り尽くすガイドの存在。そのふたつが重なることで、初心者でも楽しめるアクティビティが生まれていると実感しました。もちろん、地元の協力も大切です。
そして、実際にe-bikeをレンタルできる環境が整っていることが大きいです。未体験の牧野アクティビティーで不安がある参加者もいると思いますが、そこに自分の知っているブランドがあれば安心感に変わります。
もちろん、ブランドの認知力だけではなく自転車としても、すごく考えてつくられている印象です。27.5インチのホイールに150mmのサスペンション。初心者でも安心してまたがることができて、大きな段差もうまくカバーしてくれる。“日本人にちょうどいい”感じを狙っている印象です。
ガイドの橋本さん曰く、旧モデルでは今回のコースでは節電が必要でしたが、XEALT M5ではバッテリー容量がアップしたことで、ずっとHIGHモードでも走行可能になったそうです。実際、今回のライドも余裕を持って帰って来れて、バッテリー残量をまったく気にしない自分を心配したほどです。
牧野をe-bikeで走る……どこでもできる経験ではないですよ! ぜひ走ってみてください。
阿蘇くじゅうの魅力は牧野だけじゃない
実は牧野ライドの前には、「阿蘇くじゅうサイクルフェス2022」にガイドとして参加していました。大分のプロチーム・スパークルおおいたを中心に企画された阿蘇くじゅうを満喫するサイクリングイベントです。ここでもXEALT M5で走っていました。
初日は「地域に散らばったポイントを自転車で回りどれだけポイントを集められるか?」、2日目は「ガイドライダーが各コースをアテンドする」という違う形式の2日間を楽しんでいました。初日は各自が自由に走行可能で、各々でルートやペース配分など、作戦を考えてスタート。コースに自信のない人はガイドライダーについて行くことも可能です。
参加者の多くはこのエリアを自転車で走行したことがない人。そして、アップダウンが続くため、パナソニック製のe-bikeや電動アシストのレンタルも人気でした。イベント予約が開始すると、あっという間にレンタルは定員に達してしまうほど。
各ポイントは、自転車だから体感できる景色と満足感を秘めた場所で、まさにお宝(景色)を探すトレジャーハントです。お宝は山の上などにある場合も多く、なかなか普段自転車に乗らない人は厳しい場所ですが……やはり、活躍するのはe-bikeでした!! 自転車経験の少ない人たちもe-bikeだからこそ行ける場所で笑顔を見せていました。
ノンアシストをレンタルした少年もいましたが、初日のハードコースに相当苦労した様子。周囲の大人たちが爽快に乗るe-bikeを見て、「明日はこれ(e-bike)にする……」とずっと呪文を唱えていました(笑)。ゴール後にはe-bikeを体験し、ご満悦。ご両親と価格やスペックなどを確認して、完全にモードに入っていたのが忘れられません。いつか自分のe-bikeのまたがった少年との再会を期待します。
ひとりだと不安でも、ガイド付きであれば問題ないコースをワイワイと走行し、いい思い出になったのではないでしょうか。特にe-bikeだと体力的にも余裕があるため、景色を撮影したり、両日とも途中の休憩でソフトクリームや軽食を味わったり、阿蘇の地を満喫していました。
そして、サイクリングで疲れた体を癒すのは食事と温泉。イベント拠点でのデイキャンプが特徴でもあります。スパークルおおいたの選手がつくるパエリアやコーヒーに舌鼓を打ち、周辺の温泉が利用できる特典などもあり、ライド後も参加者は盛り上がっていました。
イベント含めて3日間の阿蘇e-bike旅は、自転車にも人にも天気にも恵まれ、幸せな旅となりました。イベントは来年も開催される予定ですが、阿蘇エリアはe-bikeレンタルも充実していますし、ぜひ、手ぶらで行ける牧野ライドなどを体験してください!! また、阿蘇のように全国各地にe-bikeが常設されているエリアがどんどん増えることを期待しています。
協力:パナソニック サイクルテック株式会社