「タニタ食堂」2号店を東京・五反田の病院にオープン

 タニタは、社員食堂のメニューが食べられるレストラン「タニタ食堂」の2号店を、東京・五反田にあるNTT東日本関東病院内にオープンすることを発表した。オープンは6月15日で、入院患者や病院勤務のスタッフのほか、近隣住民にも開放される。

 住所は東京都品川区東五反田5-9ー22で、座席数は41席。メニューは日替わり定食(800円)のみとなる。営業時間は11時から17時まで。

「NTT東日本関東病院タニタ食堂」がオープンする東京・五反田のNTT東日本関東病院「NTT東日本関東病院タニタ食堂」は病院の庭の一角にオープンする入り口には「タニタ食堂」も文字が

 タニタの管理栄養士が考案した社員食堂のメニューが食べられるレストラン。同社は、体組成計などを多く扱うメーカーとして、社員の健康にも配慮。カロリーや塩分を抑えたながらも食べ応えのある1食500kcal前後、塩分3g前後、野菜を150g~250g使ったメニューを社員食堂で提供し、社員の健康管理に積極的に取り組んできた。同レシピは2010年に「体脂肪計タニタの社員食堂」(大和書房刊)としてまとめられ、発売以来、続編も含めて約450万部のベストセラーとなっている。

「NTT東日本関東病院タニタ食堂」のメニューは日替わり定食(800円)のみとなる。写真は、オープン初日6月15日のメニュー「中華風五目煮定食」6月16日は「豚肉の南部焼き定食」が提供される6月18日は「バーベキューチキン定食」

 今回オープンする「NTT東日本関東病院タニタ食堂」は、今年1月にオープンした「丸の内タニタ食堂」に次ぐ、2号店で、病院側からの強い要望で実現した。同病院は、NTT(東日本電信電話)の専用病院として1952年に開設した、ベッド数600床、1日平均外来2,000人の総合病院。タニタ食堂は、同院の庭の一角にオープンする。運営は丸の内タニタ食堂と同様、14業態・60店舗を展開する外食チェーンの株式会社きちりが担当する。

NTT東日本関東病院 院長の落合慈之氏

 NTT東日本関東病院 院長の落合慈之氏は、タニタ食堂がオープンする経緯に関して「中期経営計画の一環で、患者様用の食堂が半年ほどストップしていた。新しい食堂をどうするかという話し合いの中で、カロリー計算や健康維持に役立つタニタ食堂が良いという話が出てきた。NTT東日本は、過去にタニタと事業提携した経緯もあり、今回タニタさんにお願いすることになった。病院の食堂というのは、患者さんはもちろん患者さんのご家族や病院のスタッフも利用する場。看護師は夜勤などもあって、生活が不規則なため、現状ではコンビニのお弁当などを食べている。そういったスタッフからの要望も強かった」と話した。

 また、丸の内タニタ食堂が盛況であることを挙げて「丸の内タニタ食堂はOLなど若い人が多い。一方、病院は高齢化が進んでいるため、似たような食事でうまくいくのかどうか少し心配も残る。ただ、健康を考える企業として、高齢者向けのサービスやレシピを考えることはタニタにとってもプラスになるのではないか」とコメントした。

タニタ 代表取締役社長 谷田千里氏

 これに対してタニタ 代表取締役社長 谷田千里氏は、レシピ本「タニタの社員食堂」の読者は高齢者が多いということを指摘。「私自身驚いたことでもあったのだが、レシピ本の第1弾を出版した際、お膳の並べ方に関するクレームが多く、考えていた以上に高齢の読者の方が多いということがわかった。タニタ食堂のレシピは、月単位・週単位でバランスを考えているので毎日食べ続けることで、健康維持にも役立つ」と答えた。

きちり 代表取締役社長 平川昌紀氏

 店舗は、丸の内タニタ食堂と同様、セルフサービススタイルになる。店舗の運営を担当する きちり 代表取締役社長 平川昌紀氏は、「基本はセルフサービスではあるが、病院という場所柄、対応できないお客様もいらっしゃるだろう。それはその都度スタッフが対応していく予定。そのためのスタッフトレーニングも進めている」と語った。

 今後もきちり主導で、タニタ食堂の多店舗展開を進めていくという。

店舗内の様子テーブル席も用意される各テーブルの上にはタニタの「デジタルクッキングスケール KD-195」が置かれている。茶碗によそったごはんの量からカロリーを計測できる
配膳台。自分で配膳を行なうセルフサービススタイルとなる最初に食券を購入するご飯も自分で量を決めてよそう





(阿部 夏子)

2012年6月14日 14:28