三洋電機のHIT太陽電池、ロンドンのテムズ川に架かる駅の屋根に採用
三洋電機は、イギリス・ロンドン市内のテムズ川に架かる駅「ブラックフライアーズ駅(Blackfriars station)」の再開発プロジェクトにおいて、同社の太陽電池「HIT太陽電池モジュール」が採用、設置工事が開始されたと発表した。完成は2012年夏。
ブラックフライアーズ駅では現在再開発が実施されており、新しく設置される屋根の6,000平方mに、同社のHIT太陽電池モジュールが設置される。導入するHIT太陽電池モジュールの数は、出力1,103MW規模に当たる4,410枚。年間発電される電力量は900MWhが見込まれている。
この発電システムにより、同駅で使用される電力の半分が賄われ、年間約511tのCO2排出量が削減できるという。同社では、ロンドンの太陽光発電システムでは最大規模に当たるとしており、完成すれば“世界最大のソーラーブリッジ”になるという。
また新駅舎では、雨水の有効活用や自然光の取り入れなど、最新の省エネ技術も採用される予定という。
ブラックフライアーズ駅の再開発の完成予想図 |
三洋電機の子会社である、サンヨー・コンポーネント・ヨーロッパ社 ソーラー部門の小松茂樹ディレクターは、「我々の太陽電池モジュールの変換効率の高さは、必要とされるスペースにおいて理想とされる最大の発電をおこないます。この有名なロンドンの象徴的な建物に設置される当社の太陽電池モジュールが、いかに都市の環境保全を支援することができるか、地球温暖化を最小限にすることができるかを実証することで、太陽電池や他の再生可能エネルギー技術に関する理解を促すことを望みます」をコメントしている。
また、再開発を進めるネットワークレール社のプロジェクトディレクター、リンゼイ・バンプリュー氏は、「より環境にやさしく、より持続可能な駅にするために、ロンドン最大規模の太陽光発電システムを設置することにしました。蒸気機関時代に造られた橋を、21世紀の太陽光発電技術によって、時代を超えてロンドンの象徴的な駅舎に作り変えます」と話している。
(正藤 慶一)
2011年10月5日 15:44