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夏の電気代節約に、エアコン&冷蔵庫の節電術
2024年7月2日 12:05
三菱電機のアンケート調査によれば、今年は電気料金の高騰を懸念している人が多く、なかでも、エアコンと冷蔵庫の節電に関心が高いことが明らかになったという。
そこで、エアコンと冷蔵庫の節電に関するOK例とNG例、そして、室内の快適性と節電の両立を可能にする効果的な活用方法を紹介している。
エアコンの4つの節電対策
エアコンの節電対策について、同社の空調冷熱システム事業部 久田優美さんが解説している。
まず設定温度を1℃高くするだけで、約10%の省エネになることはよく知られるところ。今回は、室温設定をそのままに、その他の節電につながる4つの推奨例を紹介している。
1. 風速(風量)は「自動設定」にする
風速(風量)を「自動設定」にすることで、室内が冷えるまでは強風、その後は弱風運転となり、室温を一定に保ちながら効率的に運転してくれる。そのため無駄な電力消費を回避できるという。
「自動設定」にせず、はじめから「弱風」に設定すれば節電につながると考えるのは誤り。「弱風」では、室内の空気を循環させることができず、室温を下げるための運転時間が長くなり、結果的に電力の無駄使いになるという。
2. 2週間に1度のフィルター掃除
フィルター掃除を行なわないと、排出する空気の清潔性が損なわれたり、吸い込む風量が減ることで、部屋の空気を循環させるのに時間がかかってしまう。そのため冷房効率が下がり、消費電力の増加につながる。2週間に1度を目安に、フィルター掃除をするようにしよう。
三菱電機の調べによれば、1日8時間エアコンを使用し、フィルターを約半年間、メンテナンスしなかった場合、新品の状態のフィルターを使用している場合と比較して、「消費電力が約12%も悪化」した実験結果があるという。
3. こまめな「入り切り」を繰り返さない
エアコンは室内を冷やす際に最も電力を消費する。そのため、電源の「入り切り」を繰り返すと、設定温度まで室温を下げる運転を繰り返すことになり、無駄な電力使用につながる可能性があるとする。
4. 室外機の周りに物を置かない
室外機の周辺に物が置いてあると、排熱の妨げとなり、冷房効率が低下し、余計な電力消費につながる。
また直射日光が室外機本体に当たり高温になると、室外機が熱を逃がしにくくなるため、冷房効率の低下を引き起こす原因になる。直射日光の対策としては、市販の室外機用の日除けを利用して、余計な電力消費を回避すると良いという。また、吹出口を遮らないように、室外機の上側のみをカバーして直射日光を遮るのも有効だとする。
そのほか、エアコンを購入する際には、スマホで電源をオフできる「消し忘れ防止機能」や、人の不在を検知して自動で電源をオフにする機能が搭載されているエアコンを選ぶと良いという。
冷蔵庫の5つの節電対策
冷蔵庫の節電対策については、同社の冷蔵庫営業課 藤澤充世さんが解説している。基本的なアドバイスが多いが、本格的な夏になる前に、改めて確認しておきたい。
1. 庫内の吹出口や吸込口の前には食品を置かない
庫内の冷気の吹出口や吸込口の前に隙間を確保し、冷気の流れをよくすることが重要。吹出口や吸込口は、庫内の中央部にあるため、その中央部分を空け、左右の壁面に食品を並べるようなイメージで収納すると、冷気を循環させやすいという。
2. 庫内の収納は7割に抑える
食材をぎっしりと詰め込むと、庫内に均一に冷気が通らなくなるため、冷却効率が低下する。収納量を7割くらいにとどめておくと、庫内を冷やす際に発生する電力消費を抑えられる。
3. 冷蔵庫の周りに放熱スペースを確保
冷却効率を下げないために、左右0.5cm以上、上部5cm以上の隙間を確保しておく。
冷蔵庫を壁にぴったりくっつけて設置したり、冷蔵庫の上に物を置くと、放熱のために必要なスペースが確保できず、冷却効率が悪くなり、無駄な電力消費につながるという。
4. ドアの開閉回数を減らす
ドアを開閉させると、冷気が外へ逃げて、庫内の温度が上昇し、再冷却するために余計な電力がかかってしまう。できるだけ無駄な開閉を減らすように心がけよう。
5. 温かい食材は室温まで冷ましてから入れる
温かい食材をそのまま冷蔵庫に入れると、冷やすために余分な電力が発生する。余分な電力消費が必要になる以外にも、他の食品の鮮度維持にも影響が出てしまう。できるだけ室温まで冷ましてから、冷蔵庫に入れるようにしよう。
以上、エアコンと冷蔵庫のプロのアドバイスを確認し、夏シーズンを乗り越えよう。