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シャープ史上最大風量の新ドライヤー。プラズマクラスターでうるツヤ

プラズマクラスタードレープフロードライヤー IB-WX901(写真中央)

シャープは、「プラズマクラスタードレープフロードライヤー IB-WX901」を8月24日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は44,000円前後。

軽量化、スリム化を実現した新デザインのドライヤー。髪をドレープ(ひだ)状に押し分け、広範囲に風を当てる独自の速乾方式「ドレープフロー」を進化させ、速乾性能を従来比約35%向上させた。風量は同社史上最大の約7.4m3/分を実現。

コンパクトな新形状のドライヤー

ドレープフローは、美容師が片手でドライヤーを2台持ちながら髪を乾かすテクニックを応用。濡れた髪をほぐしながら根元や東部の広範囲に風を当てて乾かすことで速乾性を実現しているという。

進化した「ドレープフロー X4」は、毎分約10万回転の高速小型モーターを採用。従来は2つだった送風口を4つに増やすことで、同社史上最大風量の約7.4m3/分を実現した。

なお、本モデルでは風量の測定規格を従来のJISから国際標準規格のIECに変更。JIS規格がドライヤーから出る風だけを測定するのに対し、IEC規格はドライヤーの影響を受けて巻き込まれる周囲の風の量も考慮しているという。2022年モデル「IB-WX3」の風量はJIS規格で約1.2m3/分、IEC規格で約6.2m3/分としている。

髪を押し分け、広範囲に風を当てて乾かす速乾方式「ドレープフロー」を採用
新モデルは送風口が4つに増え、進化した「ドレープフロー X4」に

また速く強い風で髪表面を押し分け広範囲に送風することにより、速乾性能が約35%向上。ドレープフロー技術非搭載の「IB-RP9」(2022年製)と比べ、マネキンの髪の水分が約75%減少するまでの時間が8.38分から5.47分に短縮されたという。

実際に風を当ててみると、左右2カ所に分けて送風しているような「ドレープフロー」方式をしっかり実感できる。一般的な大風量ドライヤーが「面」で一カ所に集中的に送風しているように感じるのに対し、本機は髪を押し分け、全体に風を行き渡らせている感覚だ。送風口を4つに分けているぶん、「面」送風のような風圧は感じないが、しっかりと頭皮まで届く充分な風量が確認できた。

髪を左右に押し分けているのがわかる

さらに、モーターの小型化や風路設計の変更により、従来機と比べノズルの長さを約1/2(63mm)に抑え、重さも約19%(約90g)軽量化。スリムな形状の新デザインにより、ヘアドライの際に手首にかかる負担を抑えるとともに、頭の上部/後方など、どの方向から風を当ててもドレープを作り出しやすくし、髪全体をすばやく乾かせるようにした。

従来モデル(右)と比べてノズルの長さが半分に。重さも約90g軽くなった
ノズルの出っ張りがほとんどない

プラズマクラスターデバイスを進化させ、髪に届くイオン濃度をスタンダードモデル「IB-P601」(2023年製)と比べて10%アップ。

プラズマクラスターイオンにより、静電気や摩擦ダメージからキューティクルを守ることで、ヘアカラーの退色を抑制。また水分子で髪をコーティングするため、髪のうるおいを8時間キープできるという。このほか紫外線ダメージの抑制やツヤ仕上げ効果も確認されている。

プラズマクラスターイオンが静電気を抑える
ヘアカラーの退色抑制効果も

搭載モードは7種類。「SENSING」モードは、距離センサーとAIで温度を予測しながら制御する。ドライヤーを当てる距離が変化しても髪表面の温度が55℃以下になるようキープすることで、熱ダメージを抑えるという。このほか、風量と風温を抑えて子供の髪を乾かしやすくした「GENTLE」モード、自分好みの運転にカスタマイズできる「APP」モードに加え、「HOT」「BEAUTY」「SCALP」「COLD」モードを用意。

髪の表面温度を予測して制御する「SENSING」モード
操作部

本体サイズは80×63×250mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約515g。電源コード長は約1.7m。電源はAC100V(50/60Hz)。消費電力は1,200W。温風温度は約95℃(HOT/DRY運転時、室温30℃の場合)。Bluetoothを搭載。本体カラーはミッドナイトブラック、ルミナスホワイトの2色。

このほか、ドレープフロー方式を非採用の「プラズマクラスタードライヤー」も同時に発売。風量約5.1m3/分でコンパクト形状の「IB-P801」と、従来型のノズルタイプ「IB-P601」をラインナップ。店頭予想価格は順に32,000円前後、20,000円前後。

3機種の主な違い
コンパクトな「IB-P801」
従来型の「IB-P601」

「プラズマクラスターは髪にもいい」改めて伝えていく

シャープ Smart Appliances&Solutions事業本部 PCI・ヘルスケア事業部 事業部長の永峯英行さんは、同社のドライヤーの現状について「残念ながら業界認知、事業拡大ともに十分に進んでいないのが実態」と語る。

2022年度はヘアドライヤーの業界出荷台数約490万台のうち、同社ドライヤーは5%前後に留まった。また同社の事業規模の金額においては、空気清浄機の10%程度としている。

シャープ Smart Appliances&Solutions事業本部 PCI・ヘルスケア事業部 事業部長の永峯英行さん
2022年度の出荷台数および事業規模

一方、同社のドライヤーを実際に使用している人の満足度は高いという。そんなドライヤーをより多くの人に届けるため、社内での議論を通じてプラズマクラスタードライヤーの価値を再定義。そうして、プラズマクラスターは髪にもいいということを改めて伝え、広げていくため、新ブランド「Plasmacluster Beauty(プラズマクラスタービューティ)」の立ち上げに至った。

ブランドアンバサダーには俳優の宮世琉弥(みやせりゅうび)さんが就任。これまで肌はケアしていたが、髪のケアは最近になって意識しはじめたと語る宮世さん。シャープのドライヤーを使ってみて「えっ、ここまで変わるんだ」と驚いたという。

ブランドアンバサダーを務める俳優の宮世琉弥さん

新製品を使ったデモでは、距離に合わせて温度を自動コントロールする「SENSING」モードを体験。髪を乾かすときは風温に合わせて当てる距離を調節していたというが、「これだったらもう全部一定の距離でドライヤーができるのですごくいいですね」と感心した様子。

宮世さんは「今日はシャープさんから色々学ぶことができたので、これを全世界の人に発信していけるようにがんばりたいです。僕は『宮城から世界へ』という名前でやらせてもらっているんですけど、これからは『シャプ世琉弥』でもやっていきたいと思います」と笑いも誘いながら、今回のアンバサダー就任についての意気込みを語った。

髪のケアを始めたのは最近のことと語る宮世さん。最新ドライヤーに驚きを見せた