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「夏の電気代が増えた人」6割、冬の節電にパナソニック家電はどう役立つ?

パナソニック目黒ビルで、最新家電の節電機能をチェック

生活に関する様々なものやサービスの値上がりが続く中、家電を選ぶ際には、購入時の価格だけでなく、省エネ性能についても関心が高まっている。一度買ったら長く使うからこそ、気になるポイントはいろいろありそうだ。

パナソニックが9月に実施したアンケートによると、2023年夏の電気代が上がったと答えた人が64.2%、前年の2022年と比べて節電意識が高まった人は80.2%だったという(n=834)。

今回の取材では、パナソニックが家電事業の新たな拠点としてオープンした「パナソニック目黒ビル」で同社の最新家電を体験。その中から、特に節電に関する機能や進化ポイントなどを紹介する。

エアコンは節電と快適の両面で進化。ホコリ掃除や切り忘れ防止も大事

パナソニック「エオリア LXシリーズ」

先ほどの同社アンケートで、家庭で電気を多く使うエアコンに関する問いでは、2023年の冬は節電のためにエアコンを我慢しようと思う人が54%(n=550)となった。一方で、エアコンで暖房すると乾燥して困るとの回答も62%あった。

パナソニックの「エオリア」は、これからの冬の季節に向けて“快適と省エネ”の両立を提案。これを実現する機能や特徴として「霜取り運転」や「温風の向き」「給水レス加湿」を挙げている。

霜取り運転はエアコン暖房に必要なものだが、室内機の熱を室外機へ送るため、結果として室温が低下することが課題となる。パナソニック独自技術の「エネチャージ極上暖房」は、霜取りにかかる時間を大幅に短縮して室温の低下を防ぐのが特徴。室外機のコンプレッサーからの排熱を蓄えて霜取り運転に有効活用することで、暖かさが続くことを利点としている。

霜取り運転のこれまでの課題
「エネチャージ極上暖房」で霜取りしながらも暖かさが続く

また、人工知能の「エオリアAI」で、人のいるエリアを中心に風を絞って送ることでムダを省くなど、季節や住宅、生活パターンに応じて最適化できるという。

快適さの面では、エアコンに搭載している「給水レス加湿」機能が貢献。外気に含まれる水分を取り込んで室内へ送り、部屋を加湿するもので、室外機の上部に加湿用のユニットを装備している。

室外機の上に加湿用のユニットを備える

この加湿用ユニットは、大型のファンで外気を取り込み、そこから水分を吸湿する部品と、ヒーターで水分を揮発させるパーツを使って、湿った空気を部屋へ送る。パナソニックが特徴とするのは使用する吸湿素材で、一般的な素材であるゼオライトに比べ最大5倍という高分子収着材を使っている。ヒーターには、安全かつ急速に温度を上げられるPTCヒーターを備え、素早く加湿できるという。

加湿用ユニットを上から見たところ。大型のファンで外気を取り込んで水分を吸湿、揮発させて室内へ

そのほかにも、節電に重要なのは「フィルターの掃除」。パナソニックの自動掃除機能は、累積24時間以上を運転すると自動でフィルター部のホコリを掃除。暖房時の場合、ムダな消費電力量を約25%カットするという。

デモ展示では、フィルター掃除をした部分(左側)としない部分(右側)では大きな違いがあるのが分かった
フィルター自動掃除機能を備える

フィルター掃除した後のブラシもクリーナーでホコリを落とし、屋外へホコリを自動排出する。熱交換器の部分は表面(切断面)に、独自のホコリレスコーティングを施し、カビの栄養源になるホコリや油分による汚れを防ぐ。エアコン内部は、ナノイーXでカビ菌などを除菌する。

フィルターの汚れを集めた後、カタマリにして排出

スマホのエオリア アプリでは、部屋ごとに電気代を見える化できるほか、切り忘れを外出先から確認できるほか、家から一定距離以内に近づくと自動でエアコンを運転開始する、設定した以上の高温になるとアラートを表示するといった機能を装備。実際の運転に対して使う人が評価をするとフィードバックされ、エアコン側をアップデートするといったことにもAIを活用している。

ドラム洗濯機は進化したヒートポンプで高効率に

ドラム式洗濯乾燥機で多く電気を使う乾燥。パナソニックは2005年からヒートポンプ式を採用しており、2010年からは高さを抑えた薄型ヒートポンプをドラム上部に配置。乾燥の風路を短くすることで風の循環効率が高く、大風量で除湿や乾燥の効率も高いことを特徴とする。

ドラム式洗濯乾燥機の新モデル「NA-LX129CL/R」

ヒートポンプ式に比べて電気代がかかるヒーター式だと、1回あたりの電気代(洗濯~乾燥のおまかせ運転)が約62円(NA-VG2800)に対し、ヒートポンプは約28円(NA-LX129C)。1日1回使った場合、1年間で金額差が約1万円以上、6年間で約7万円以上の違いが出るという(電力料金目安単価31円/kWhで計算)。

このヒートポンプを使った新機能も装備。アウトドアウェアなどの撥水性能を、ヒートポンプ乾燥の熱を利用してよみがえらせる。

「はっ水回復」コースで洗濯した生地に水をかけたところ

そのほかにも進化ポイントとして、洗剤などの自動投入は、これまで「液体洗剤」「柔軟剤」「おしゃれ着洗剤」の3つだったが、新たに「酸素系液体漂白剤」も自動投入に対応した。おしゃれ着洗剤と酸素系液体漂白剤のどちらかを選んで使える「選べるタンク」になった。

おしゃれ着洗剤と酸素系液体漂白剤のどちらかを使える「選べるタンク」採用

冷蔵庫は冬の冷やしすぎ防止。「収納量センサー」で管理

気温が下がる冬は、冷蔵庫の設定温度を夏よりも上げることで節電につながるが、季節に応じて温度を上下させるのは面倒だったり、つい忘れてしまうこともあるかもしれない。

パナソニックの冷蔵庫が採用する「冬季省エネ運転」は、使う人が寒くなってきたと感じてきた時に有効にすると、冬に合わせた温度設定により節電できるもの。気温が上がってくると、自動でこの機能が終了するため、冬が終わっても設定の戻し忘れを防げるのがポイントだ。

冷凍室が真ん中の冷蔵庫WPXシリーズ。多くのセンサーが搭載されている
アプリで「冬季省エネ運転」に設定すると、冬に合わせた運転を行なう

ぱっと見では分かりにくいが、実は多くのセンサーが搭載されているのも今の冷蔵庫の特徴。庫内側面には収納量センサーを備え、食品などが少ない場合は運転を弱めることで、庫内に応じた節電を手助けしてくれる。このセンサーはドアを閉めた後に自動でチェックしてくれるため、使う人が毎回操作する必要がない。

ドアを閉めると収納量センサーが働き、上から順に庫内をチェック(側面のLEDが点灯)。場所ごとにどれくらいの食品が入っているかを確認して自動で最適な運転を行なう

部屋の明るさを検知して、人が就寝したことを予測することで省エネ運転に切り替える機能も持つ。使われていない時間は節電するというこまめな動作を冷蔵庫に任せておけるため、意識することなくいつの間にか少しずつ節電されているというわけだ。

省エネ家電に補助金を出す自治体も

これから寒さがだんだん厳しくなる中で、家電メーカー各社も節電を特徴としたモデルを製品化している。家電選びには性能の高さだけでなく「省エネ」「節電」も、ますます重要なポイントになっていくだろう。

全国の自治体の中には、「省エネ家電」とされる製品に対して補助金を用意している地域もあるため、いま住んでいる場所が対象かどうかなども確認してみるとよさそうだ。

省エネ家電関連の補助金などを実施している自治体の一部(パナソニック調べ)