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シャープ、軽くて曲がる太陽電池で世界最高の変換効率を達成

変換効率32.65%を達成した軽量かつフレキシブルな太陽電池モジュール

シャープは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「移動体用太陽電池の研究開発プロジェクト」において、実用サイズの軽量かつフレキシブルな太陽電池モジュールで世界最高の変換効率32.65%を達成したことを、6月6日に発表した。

これまでのモジュールは2枚のガラスで太陽電池セルを挟んだ構造だったが、薄いフィルムで挟んだ構造に変更することで、軽量かつフレキシブルな特徴を持つモジュールを実現したという。モジュールは実用化に向けて十分なサイズの約29×34cm(面積965cm2)で、重量も約56g(0.58kg/m2)まで軽量化したとする。

同社の化合物3接合型太陽電池セルは、インジウム、ガリウム、ヒ素をボトム層とする3つの光吸収層を積み上げることで、効率的に太陽光を電気に変換できる独自の構造を採用。平均変換効率の向上とモジュール内のセル充填率の改善を図ることで、実用サイズモジュールでの変換効率を32.65%まで向上させた。

同社は今後も電気自動車や宇宙・航空分野などの移動体への搭載に向けて、引き続き太陽電池モジュールの高効率化および低コスト化に関する研究開発を推進。これにより2050年カーボンニュートラル実現への一つの道筋を示し、移動体分野における温室効果ガスの排出量削減に貢献していくとしている。

電気特性測定のために枠に固定され平坦化された太陽電池モジュール