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自転車に乗る半数以上が事故または危険な状況を経験。保険未加入は4割弱

自転車通勤(写真はイメージ)

プラネットは、全国の男女4,000人に対して自転車利用に関する意識調査の結果を発表した。

利用頻度について尋ねたところ、「乗れるが日常的に利用しない」という回答が50%となっている。2位の「ほぼ毎日」(10.9%)と大きな差があり、利用頻度の差が大きいことが分かった。一方で、「乗れない」と答えた8%のうち、男性の割合は3.2%で女性は12.7%となっており、男女間の差も見て取れる。年代別だと、男性は年齢が上がるにつれて利用する人は多くなるが、女性は反対に少なくなることも判明した。

利用頻度に関する質問

利用目的で最も多かったのは「買い物」(85%)で、そのうち男性が79.8%、女性が90.9%となり、男女間で約10%の開きが見られた。一方で、2位の「気分転換やリフレッシュ(サイクリング・ポタリングなど)」(24.5%)は、男性34%・女性14%で、男女差が逆転していることが分かった。また、男性で最も割合が高いのは30代(41.6%)で、70代以上(38.6%)と60代(36.5%)が続き、最も低いのは20代(25.3%)だった。

「子供の送迎」に利用する人は全体の3.4%で、世代的にも30代と40代に集中している。そのうち、女性の30代が24.2%を占め、約4人に1人という高い水準になっている。こちらも男性は30代が7.9%、40代が7.6%で、男女間の格差から育休取得に差があることが垣間見える。

利用目的に関する質問
トップ3の回答の性年代別結果

自転車の種類に関しては「シティサイクル」(70.4%)が1位で、2位の「電動アシスト自転車」と大きな差が見られた。電動アシスト自転車も人気となっているが、まだまだシティサイクルのほうが多いようだ。また、どちらも女性の割合が高いが、3位以降は男性が多いのが特徴だ。具体的には、「折りたたみ自転車」(男性8%、女性4.3%)、「クロスバイク」(9.9%、1.6%)、「ロードバイク」(8%、1.4%)、「MTB」(6%、0.9%)だった。近年注目を集めるシェアサイクル利用者は男女共に1%未満という結果になった。

利用する自転車の種類に関する質問

乗車中の事故の遭遇経験に関する質問では、「事故に遭ったり、遭いそうになったことはない」が44.8%で1位に。しかし、「遭った・遭いそうになった」などの回答を合計すると115.3ポイントとなり、無事故の人が4割を超えるなかで、複数回事故やヒヤリハットの経験がある人も多いことも見受けられる。

具体的な事故やヒヤリハットの経験については、「転倒した」(27.5%)が1位で、「動いている自転車にぶつかった」(22.8%)、「動いていない物(ガードレールや電柱など)」(14.4%)が続いた。また、歩行者相手にぶつかった・ぶつかりそうになったケースでは、高齢者相手が9.2%と最も高かった。また、「その他」の回答の中には「下り坂でブレーキワイヤーが切れた」といった、日ごろのメンテナンス不足による事故・故障の回答が集まったという。

事故やヒヤリハットの経験に関する質問

「事故に遭った・遭いそうになった」経験がある人に対し、「自分に責任があると思うか」と尋ねたところ、56.6%の人が「ある」と回答した。性年代別では、男女共に20代と70代以上が他と比べて割合が高い結果となった。

事故に対する自責の認識に関する質問

月に数回以上の頻度で利用する人に、自転車保険への加入状態を尋ねた質問では、「加入している」人はわずか54.6%で、4割以上の人が「加入していない・分からない」ということも判明した。

自転車保険への加入状況

最近では、条例で乗車中のヘルメット利用を努力義務に定める自治体もあるが、「乗車中にヘルメットを着用すべきか」と質問すると、「そう思う」と回答した人は30.4%しかいなかった。一方で、「スピードの出る自転車に乗る人は着用すべき」が40.8%、「児童は着用すべき」が37.8%という回答もあり、回答者間での意識の差も見受けられた。

ヘルメット着用に対する意識結果

自転車に関する思い出やエピソードについては、ほのぼのするエピソードも多かった反面、危険な目に遭った経験も数多く寄せられたという。具体的には、「子供の飛び出しが怖い」「歩道を速く走る自転車にぶつかりそうになった」「無灯火の自転車やスマートフォンを使用しながらの乗車」「一時停止せず突進する人」という回答が集まったそうだ。

今回の調査では自転車の利用条件だけでなく、自転車保険への加入状況や事故の経験、ヘルメット着用に関する意識について知ることができる。自転車は身近な存在だが、正しく利用しないと事故や故障のリスクも高くなる。安心・安全のためにも、自転車保険や日ごろメンテナンスに加えて、乗車中のマナーなどもしっかりと見直しておこう。