ニュース

ボタン電池から発火、誤飲でやけども。保管場所に注意

ボタン形電池やコイン形電池の誤飲に注意

独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、コイン形電池やボタン形電池による事故の事例を紹介。電池同士が接触してショートしたり、子供が誤飲したりする危険がある。

【事例1】絶縁処理せず保管していた使用済みボタン形電池から出火

使用済みボタン形電池を樹脂製のかごに入れて保管していたところ、付近から炎が発生。約80個の電池を絶縁処理せずに保管していたことから、電池同士が電極間で短絡して発煙・発火したものとみられる。

ボタン電池を廃棄する際には、電極全体を覆うようにテープを貼ることを推奨している。セロハンテープやビニールテープには絶縁性があり、事故防止に有効という。ボタン形電池同士に限らず、乾電池や金属製のものと接触してもショートする危険がある。

NITEの再現実験。アルカリ乾電池とボタン形電池の電極を接触させたところ

【事例2】新旧の電池を混用したら使用済みボタン電池が破裂

使用済みボタン形電池を玩具から取り外したところ、破裂した事例。ボタン形電池3個を直列で装着する玩具に、新しい電池と古い電池を混用していた。そのため、古い電池が過放電状態になり、内部でガスが発生して破裂したと推定される。

同事例では、電池のパッケージに「新旧の電池を混ぜて使わない」といった記載はなかったが、電池取り替え時にはすべての電池を新しいものに交換するようNITEは注意喚起している。

【事例3】玩具から外れたコイン形電池を幼児が誤飲

幼児が玩具で遊んでいるときにコイン形電池を収納しているふたが外れた。玩具から外れた電池を幼児が飲み込み、化学やけどを負った。電池を収納しているふたの固定が不十分だったためとみられる。

ボタン形電池やコイン電池を誤飲すると消化管の壁を損傷し、穴が開いたり、最悪の場合は死に至る可能性もある。とくにリチウム電池の場合、飲み込んでから30分から1時間で消化管の壁に潰瘍ができてしまうという。

コイン形電池やボタン形電池を玩具に収納しているふたが外れやすくなっていないか、点検するようすすめている。また、誤飲のおそれのある玩具は保管場所に気を付け、幼児の手の届かない場所にしまっておくほか、幼児が遊ぶ際に口の中へ入れないか目を離さないよう呼び掛けている。

NITEの実験。コイン形リチウム電池が付着した鶏肉の変化