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災害時に役立つはずの携帯発電機で死亡事故も。使用禁止場所や注意点とは?

災害時に便利な携帯発電機で一酸化炭素中毒も

独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、災害時に活用できる携帯発電機やカセットこんろなどの事故を紹介。取扱説明書の指示を守ることなどの注意点をまとめて案内している。

【事例1】携帯発電機を使用したところ一酸化炭素中毒で死亡

カセットガスなどで発電できる携帯発電機を屋内で使用し、一酸化炭素中毒で死亡した事例。換気が不十分な場所で使用したために、屋内の一酸化炭素(CO)濃度が上昇したものとみられる。携帯発電機の取扱説明書には、排ガスがこもる場所で使用しないよう記載されていた。

物置や車内、テント内といった、屋内や換気が悪く排ガスがこもる場所では携帯発電機を絶対に使用しないよう注意喚起している。COは無色無臭で、空気中のCO濃度が0.16%になると2時間、1.28%になると1~3分で死に至る。また、屋外で使用した際も、排ガスが屋内に入らない、風通しの良い場所で使用することを勧めている。

CO濃度と中毒症状

【事例2】使用中のカセットこんろから出火して周囲を焼損

カセットボンベの切欠き凹部をカセットこんろの容器受けガイドの凸部にあわせず、斜めになった状態で無理に装着。ガスが漏れ、点火時に引火したとみられる例。同事例の起きたカセットこんろの取扱説明書には正しくセットするよう記載があった。ガス機器にカセットボンベを装着する場合は、取扱説明書に従って正しく装着するようNITEは呼び掛けている。

また、カセットこんろの事故では、五徳を収納したまま使用し、カセットボンべが破裂した事例もある。カセットこんろとフライパンが接触した状態で加熱され、カセットこんろ全体が過熱したもの。五徳を外したり、逆さにしたりして使用しないことで事故を防げる。

【事例3】ライター使用後にポケットへ入れたところ、衣類が燃えやけど

使用したライターをエプロンに入れていたところ、衣類が燃えた。ライター内部に異物が挟まっていたためガス栓を開閉するノズルが戻り切らず、火が消えていなかったものとみられる。ライターのラベルには、消火を確認するよう注意が表示されていた。

消火したことを確認したうえでライターをしまうようNITEは注意を呼びかけている。着火レバーとノズルねじの間にゴミなどが挟まると残火の原因になる。ふたのないライターはゴミが溜まりやすく、特に注意が必要という。

また、ライターを使わないときの収納場所にも注意が必要という。引き出しにしまう場合には、開閉により着火レバーが押されないように気を付けるよう呼び掛けている。車のダッシュボードや、コンロやストーブの近くなど、高温になる場所や火を使う場所にも置かないことが大切となる。