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炊飯器や加湿器の蒸気でやけど事故も。設置は乳幼児の届かない場所へ

電気ポットから出る蒸気の温度分布(国民生活センターのテスト)

国民生活センターは、炊飯器や加湿器から出る蒸気によって乳幼児がやけどをした事故が報告されていることから、その危険性について注意喚起している。家電の蒸気温度を測定したテストでは、蒸気吹き出し口付近で99℃に達するものもみられた。蒸気の出る家電は子供の手に触れない位置に設置し、購入時には高温蒸気対策をしている家電を選ぶようすすめている。

消費者庁と国民生活センターによる医療機関ネットワークには、炊飯器などの蒸気により0~5歳の乳幼児がやけどを負った事例が、2016年以降の直近5年間で56件報告された。炊飯器や電気ポット、スチーム式加湿器の蒸気口に手をあててしまい、真皮におよぶII度または皮下組織も損傷するIII度のやけどを負った例もみられた。

医師からの事故情報受付窓口(ドクターメール)には、植皮手術や長期的な対応が必要なIII度のやけどを負った事例も寄せられた。2021年2月に1歳男児がスチーム式加湿器に手を入れたことによるものだった。

国民生活センターがテストした加湿器の外観例と、1つの銘柄での温度分布状況

国民生活センターは、電気炊飯器や電気ポット、電気ケトル、スチーム式加湿器の蒸気温度を測定するテストを実施。高温蒸気への対策を表示している製品としていない製品でそれぞれ測定したところ、表示していない製品は炊飯器/電気ポット/電気ケトルで60℃以上、加湿器で30℃以上、蒸気温度が高かった。炊飯器の例では、対策機能表示のある製品の蒸気口真上の温度は28~31℃のところ、対策機能の表示がない製品では99℃に及んだ。

幼児の手の届かない位置に設置、購入時には高温蒸気対策している製品を検討

乳幼児のやけどへの対策として、蒸気の出る家電を使うときには乳幼児の手に届かない位置に設置し、乳幼児が蒸気に興味を示したり触らないよう注意することを呼びかけている。高温の蒸気の危険性を大人が認識するとともに、日ごろから乳幼児に危険性を伝えることも重要となる。同時に、乳幼児が家電にぶつかったりコードを引っ張ったりしてやけどを負う事故も発生していることも考慮して設置場所を決めるようすすめている。

また、蒸気の出る家電を購入する際には「蒸気レス」「蒸気カット」「蒸気セーブ」といった高温蒸気への対策機能を表示しているものを積極的に検討することも推奨している。