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シャープ、ユーザーの帰宅時間を学習して省エネ運転するスマホ連携エアコン

 シャープは、ユーザーの行動パターンを学習してオススメの運転を提案する、無線LAN内蔵の「プラズマクラスターエアコン Xシリーズ」を、10月25日に発売する。暖房能力2.5kW~9.5kWの計9機種をラインナップし、価格はオープンプライス。店頭予想価格は23万~37万円前後(税抜)。

無線LAN内臓「プラズマクラスターエアコン Xシリーズ」

 スマートフォンと連携できる無線LAN内蔵のルームエアコン。AIoTクラウドサービス「COCORO AIR(ココロ エアー)」が進化した点が特徴で、業界で初めて部屋の性能やユーザーの使い方を学習して省エネ制御できるようになった。

 進化したCOCORO AIRでは、クラウド連携のAI(人工知能)が、部屋の室温変化やエアコンの操作履歴などの情報をもとに、冷えやすさ・暖まりやすさといった部屋の性能を学習するほか、1日の生活パターンを分析・学習。AIが普段帰宅する時間を覚えると、その時間に合わせて消費電力を抑えながら運転を開始し、快適性を考慮しつつ消費電力を削減できるという。

無線LAN内蔵でスマートフォンと連携できる
クラウドサービス「COCORO AIR」が進化し、部屋の性能やユーザーの使い方を学習して省エネ制御できるようになった

 これまでのスマホ連携による外出先からの操作では、帰宅途中にスマホでエアコンの運転を開始し、フルパワーで運転をスタートさせて部屋を快適にしておくといった使い方が多かった。しかしその場合だと、設定温度に到達する時間は早いが、家に人がいないのに一気に部屋を冷やすことになり、消費電力も多く掛かりムダが多かったという。

 新しいCOCORO AIRは、生活パターンから帰宅時間を算出するため、家に着く時間に合わせて消費電力を抑えながら効率的に運転させられるという。なおエアコンの運転をスタートさせる際にはスマートフォンに通知が届くため、帰りが遅くなるときなどは運転をスタートさせないことも可能。ユーザーの行動パターンから、毎日の帰宅時間がバラバラだとCOCORO AIRが判断した場合は、外出先からの操作も提案しないという。

 同社の実験によると、14畳の部屋においてCOCORO AIRの制御なし運転と比べたところ、COCORO AIRで運転を制御した場合は1日あたりの積算消費電力量が約17%削減できたとする。

これまでのスマホ連携による外出先からの操作は、人がいない部屋もフルパワーで運転させることが多かった
新しいCOCORO AIRは生活パターンから帰宅時間を算出し、家に着く時間に合わせて消費電力を抑えながら運転する
COCORO AIRの制御なし運転と比べたところ、COCORO AIRで運転を制御した場合は1日あたりの積算消費電力量が約17%削減できたという

1人1人にあった省エネ運転を提案、部屋の冷えやすさ/暖まりやすさなども学習

 シャープ IoT HE事業本部 空調・PCI事業部 空調商品企画部 係長・南條 博紀氏は、COCORO AIRによる省エネ運転について次のように述べた。

 「エアコンの省エネ性能は、これまで定められた条件下で算出していました。しかし、使い方や使用環境はユーザーごとに異なり、そもそもどう使ったら省エネになるのかわからないという声もいただきます。そこでシャープでは、これまでに蓄積した膨大な量のデータを分析し、ユーザーごとに最適な省エネ運転ができるようにCOCORO AIRを進化させました。行動パターンから部屋の特性なども学習・分析し、最適な制御を実現します」

シャープ IoT HE事業本部 空調・PCI事業部 空調商品企画部 係長・南條 博紀氏
エアコンの省エネ性能は、これまで定められた条件下で算出していた

 帰宅だけでなく、就寝/起床時も効率的な運転を行なう。クラウドの天気情報をもとに、起床時間に適した運転を提案することもできる。アプリではフィードバック機能も備え、自動制御した運転についての評価を送れる。運転がマッチしていなかったと回答すれば、制御を見直してユーザーに合わせて進化していくという。

 なお、新モデルではクラウドサービスであるCOCORO AIRが進化したため、従来機(2017年モデル)においても、ソフトウェアをアップデートすれば、細かい風量制御などは異なるが省エネ制御運転は利用可能になる。

クラウドの天気情報をもとに、起床時間に適した運転を提案することもできる
アプリでフィードバックも可能

スピーディーに空気清浄する独自イオン「プラズマクラスターNEXT」

 独自イオンのプラズマクラスターは、イオン濃度が約50,000個/cm3でスピーディーに空気清浄する「プラズマクラスターNEXT」を採用。

 なお、プラズマクラスターNEXTでは、従来の除菌・除電、集中力を維持しやすい環境が作れるといった効果に加え、「付着排せつ物」の消臭効果を実証したという。

プラズマクラスターNEXTで、「付着排せつ物」の消臭効果を実証

 また、エアコンの気流については、頭寒足熱の冷暖房を実現する「エアロダイナミックフォルム」を採用。冷房時はルーバーが上向きになり、風を持ち上げて天井に沿って降りそそぐような涼風を送り出す。暖房時はルーバーが下向きになり、風を抑えて足元に温かさを届けるという。

 このほか、エアコン内部を清潔にして吹き出す風をキレイにする「風クリーンシステム」、パーツが簡単に外せて水洗いできる「簡単お手入れ構造」、スマートスピーカーとの連携機能なども引き続き搭載。

 いずれも室内機サイズは、798×370×295mm(幅×奥行き×高さ)。カラーはホワイト系。プラズマクラスターの適用床面積は、暖房能力2.5kWの「AY-J22X」で6畳、暖房能力5.0kWの「AY-J40X2」で14畳、暖房能力9.5kWの「AY-J80X2」で26畳。

冷房時は風を持ち上げて天井に沿って降りそそぐような涼風を、暖房時は風を抑えて足元に温かさを届けるという
パーツが簡単に外せて水洗いできる「簡単お手入れ構造」を引き続き搭載