ニュース

「先読み空気洗浄」や「つけっぱなし時の電気代判定」を新搭載した、パナソニック エアコン「エオリア」

 パナソニック アプライアンスは、ウェザーニューズと連携しAIによる先読み空気清浄機能と、エアコンをつけっぱなしで外出した時の電気代の判定機能を搭載した、ルームエアコン「Eolia(エオリア) WXシリーズ」の2019年モデルを10月下旬より順次発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は32~43万円前後(税抜)。

ルームエアコン「Eolia WX/Xシリーズ」

 AIによる先読みでの空気清浄機能と、外出時のつけっぱなし時の電気代判定機能を搭載したルームエアコン。ウェザーニューズと連携して気象情報を取得し、それまでの運転により蓄積された住宅環境データと合わせてAIで解析することで、各機能を実現する。

 発表会では、パナソニック アプライアンス社・エアコン事業部・事業部長・白土 清氏が、2019年モデルの説明を行なうと同時に、連携が発表されたウェザーニューズ・取締役・執行役員の安部 大介氏も登壇。安部氏は、「我々は、気象データの観測・解析・予測をこれまで14年間行なってきました。例えば花粉の観測機は全国1,000カ所に設置しています。今回の提携では、初めて室内の空気まで最適化できることになり、大変うれしく思っています」と語った。

エアコン事業で連携する、パナソニック アプライアンス社・エアコン事業部・事業部長・白土 清氏(写真左)、ウェザーニューズ・取締役・執行役員・安部 大介氏(写真右)

新搭載の「AI先読み空気清浄」は学習により精度向上も

 昨年発売した「エオリア」も、「アクティブクリーンフィルター」とセンサーによる空気清浄機能を搭載していた。だが、室外から侵入する花粉やPM 2.5による空気汚染については、空気が汚れてから清浄する以外の方法がない状態だった。しかし調査により、室内のPM 2.5濃度は、室外の濃度との相関関係が認められることが分かったという。そこで"空気が汚れてから清浄"するのではなく、室外の飛散物濃度をもとに、"空気が汚れる前に清浄"することを目指したのが「AI先読み空気清浄」機能だ。

 専用スマートフォンアプリ経由でWi-Fiに接続したエアコンが、ウェザーニューズから天気・気温・PM2.5や花粉の飛散情報を市区町村単位・1日単位で自動取得し、住宅の気密性・換気・窓の開閉状況などの環境をそれまでの運転データをもとに解析。空気が汚れるタイミングを予測し、部屋の空気が汚れる前に清浄するという仕組み。

 空気清浄と同時に、PM 2.5など室内の空気汚染状況はセンサーで測定されている。この実測値と予測値とに差があった場合は、エアコンが設置されている部屋単位で、住宅環境データを補正していくことで、使ううちに予測値の精度を徐々に高めていくという。

室内のPM 2.5濃度は、室外の濃度との相関関係が認められたという
実測値と予測値に差があった場合は、部屋単位で、住宅環境データを補正し予測値の精度を高めていく
プリーツ状の「アクティブクリーンフィルター」は広げると長さ130cmにもなる
スモークの注入と同時にエアコンをONした実験。写真左はアクティブクルーンフィルター非搭載、右は搭載。明らかに差がある
同様の実験をPM 2.5で実施。こちらも明らかな差があることが分かる

お出掛けは、切ったほうがいい? つけたままがいい? 「つけっぱなし判定」

 同じく新搭載の「つけっぱなし判定」は、「今から何分間外出するのか」を専用スマートフォンアプリに入力するだけで、外出時にエアコンを切るべきか、つけっぱなしにするべきかを自動判定する機能。同社の調査によれば、"エアコン つけっぱなし"という語のWeb検索が頻繁に行なわれているものの、様々な意見があり、どちらが正解なのか、分からないことが判明したという。

 本機能は、外出の長さや時間帯に応じて、ウェザーニューズの"外出時間中の外気温変動予想データ"のほか、エオリアが保持する住宅環境データ、エアコンの運転設定などをもとに、エアコンをつけっぱなしにして出掛けた場合の電気代と、切った場合の運転再開後に同じ室温になるまでに掛かる電気代を算出。エアコンを切った場合と、つけたままにした場合との電気代を、比較できるようにした。

外気温変動予想データ、住宅環境データなどをもとに、エアコンをつけっぱなした場合と、切った場合の電気代を算出
スマートフォンアプリの操作画面
同社が所有する札幌市西区の実験拠点の室内状況を例にした場合は……
同環境下での15分間の外出では、つけっぱなしの方が電気代が安いことが分かる
同社が所有する滋賀県草津市の滋賀エコナビハウスの室内状況では……
この環境での15分間の外出でも、つけっぱなしの方が、電気代が安いことが分かる。だが、北海道との金額とは異なる

ホコリ・カビ・室温の3つを見張って、清潔・快適に

 「3つのみはり」機能は、日常の運転中だけでなく、エアコンの電源を入れないオフシーズンにも、ホコリやカビ、室温を見張り、自動的に対応してくれる機能。必要があれば、エアコン内部を防汚し、いつでも快適な空気を届けるという。空気清浄の先読みは、Wi-Fi接続時にのみ利用できる機能だが、こちらの「3つのみはり」機能は、本体搭載のセンサーで見張るため、Wi-Fi未接続環境でも利用できる。

 「ホコリみはり」では、エアコンの電源OFF時でも空気の汚れを検知して、自動で空気清浄を行なう。同様に「カビみはり」では、エアコンを使用しない時期などでもカビの生えやすい環境になると、あらかじめ部屋を除湿した上で、自動で内部を乾燥させてナノイーXを充満させるという。またエアコンを稼働させないために起きる、熱中症やヒートショック現象を防止するために、室温に応じた自動運転も行なう。

エアコンを稼働していないオフシーズンのリスク
3つのみはりで、オフシーズンのリスクも回避
エアコンのルーバー側には、センサーやAIが搭載されている

「ナノイーX」を軸に、エアコンの大敵「カビ」を防ぐ仕組み

 ユーザー調査で、気になるエアコンの汚れのトップにランクインするのが「カビ」。カビについては、従来から搭載されている「アクティブクルーンフィルター」と「ナノイーX」で抑制する。

 エアコン内のカビは、カビ胞子が侵入することで発生するが、内部に付着したホコリに結露の水分が加わると、さらに育成しやすい環境になるという。従来からの「ホコリレスコーティング」でホコリを付着させにくくするほか、結露水での洗浄、熱交換器の高温加熱と乾燥、加えてナノイーXを充満させることで、カビの抑制効果を発揮するという。

 大阪府立大学 獣医感染症学・向本 雅郁氏によれば、カビそのものは数万種あるものの、家庭内で発生するカビは8種類で90%以上を占めるという。つまり、家庭での防カビはこの8種類に対する対策がキモとなる。ナノイーXは、この8種に対しての抑制効果が認められたのだという。

気になるエアコンの汚れのトップが「カビ」
ナノイーXなどによるカビ抑制の仕組み
家庭内のカビの90%は、この8種類。ナノイーXの有無で、カビの発生に差があるのが分かる

 本体サイズは、室内機が899×385×295mmで、室外機が849×319×699mm(幅×奥行き×高さ)。適用畳数に応じた6モデルが用意される。冷房時の適用畳数は14~29畳、冷房能力は4.0~9.0kW、暖房能力は5.0~10.6kW。

 省エネ性能に差があり、室外機の塩害仕様とリモコンの蓄光性などを省いた、「Xシリーズ」も10月下旬より順次発売。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は26~41万円前後(税抜)。本体サイズは、室内機が799×385×295mm(幅×奥行き×高さ)。適用畳数に応じた11モデルが用意される。冷房時の適用畳数は6~29畳、冷房能力は2.2~9.0kW、暖房能力は2.5~10.6kW。