【グッドデザインエキスポ2011】
さらに進化するLED電球
パナソニックのクリア電球タイプや、Ra97の“超高演色”タイプが登場

 グッドデザイン賞の候補作品約2,000点を展示する「グッドデザインエキスポ2011」が、26日、東京ビッグサイトで開幕した。会期は28日まで。開催時間は10時から21時までで、28日は16時で終了。入場料は1,000円。家電Watchでは、会場で公開された家電製品や照明機器、日用雑貨品などを紹介する。

パナソニック、クリア電球のように光が広がるLED電球

パナソニックのクリア電球のようなLED電球「LDAAHV4LCG」

 パナソニックの企業ブースでは、クリア電球のように光が広がるLED電球「LDAAHV4LCG」を公開していた。

 クリア電球は、電球のカバーに白い塗料が塗られたシリカ電球と異なり、電球カバーが透明で、キラキラとした光が特徴。これまでのLED電球は、シリカ電球のような光を再現するために、半透明の電球カバーを採用していたが、今回展示された「LDAAHV4LCG」では、カバーはまったくの透明で、クリア電球と見紛うような光を広げていた。

 光源には、フィラメントのような細長い蛍光体を搭載した。これにより、光を全方向に拡散するという。また、サイズはクリア電球とまったく同じ“ジャスト電球サイズ”ながら、消費電力は白熱電球の20Wから4.4Wに抑え、定格寿命は1,500時間から40,000時間に伸びている。

 参考出品のため、詳細なスペックや発売日、価格は不明だが、今秋の発売を予定しているという。

まるでフィラメントのように光が輝いている明かりを消したところフィラメントのように、横に長い蛍光体が2本付いている
内部構造。放熱のためにアルミ合金ベースを使っている白熱電球と比べると、消費電力は約78%カット、寿命も約26倍となる白熱電球と同じ光り方が実現できるという

Ra97の“超高演色”LED電球が登場。1,000lmオーバーの明るいタイプも

平均演色評価数がRa97の「超高演色タイプ」

 業務用途向けの照明を扱う京都のメーカー「CCS(シーシーエス)」からは、平均演色評価数が「Ra97」と高い、E26口金のLED電球「超高演色タイプ」が展示されていた。

 

 平均演色評価数とは、照らされる物が持つ本来の色がどれだけ表せるかを示す数値。この値が、白熱電球を基準とする「Ra100」に近いほど、色の再現性が高いとされる。一般的なLED電球では、Ra80台程度のものが多く、高くてもRa90が上限だった。

 しかし本製品は、電球色タイプ、昼白色タイプいずれも「Ra97」と、ほぼ白熱電球に近い数値となっている。同社ではこの超高演色タイプには、他の光源と比べて光が太陽光に近い「自然光LED」という光源を使用しており、そのため色の再現性に優れているという。また、電球色タイプは「朝夕の光を再現」、昼白色タイプでは「太陽の光を再現」したとしている。

 本体サイズは60×120mm(直径×高さ)で、重量は180g。定格消費電力は14W。定格寿命は30,000時間。全光束は電球色タイプが450lm、昼白色タイプが500lmで、日本電球工業会の基準では前者が白熱電球30W形相当、後者が40W形相当となる。現在発売中で、同社ネットショップでの直販価格は9,429円。

 CCSではさらに、全光束が1,400lmというとても明るいLED電球「高全光束タイプ」も展示されていた。

 高全光束タイプには、昼白色タイプと電球色タイプが用意され、全光束は順に1,400lm、1,200lmとなる。同社では昼白色タイプについて「白熱電球100W相当の明るさ」としている。

全光束1,400lmの「高全光束タイプ」も展示されていたこちらの電球色タイプでも、全光束は1,200lmと高い

 全光束が1,000lmを超えたLED電球は、国内ではユニティのXLEDIA(エクスレディア)シリーズが知られる。XLEDIAの場合、最も明るい「X17シリーズ」昼光色の全光束は1,540lmとなっている。

 高演色タイプの本体サイズは60×120mm(直径×高さ)で、重量は180g。定格消費電力は17.1W。定格寿命は40,000時間。発売中で、同社ネットショップでの直販価格は6,279円。

会場全体でもLED採用で節電への配慮

会場中心に設けられた空間芸術「GOOD GLOBE」

 今回のグッドデザインエキスポでは、節電への配慮として、会場の至るところでLEDが採用されていた。

 まずは、会場中央のインスタレーション(空間芸術)として、14,000個のLEDを集めて球形に形作った「GOOD GLOBE」が飾られた。“みんなの希望や未来への思いが集う場”をテーマとした直径7mの装飾照明だが、煌びやかな見た目の割には、消費電力はエアコン一台並みの890Wで済むとのこと。

 さらに、会場の展示台を照らす照明の多くにLEDを採用。会場全体の電気使用量は、昨年に比べ53.6%減と、半分以下に削減された。

約14,000個のLEDを使いながら、消費電力はエアコン1台並みの890Wとのこと下から見たところ会場の光源には主にLEDが使用されていた
 





(本誌:正藤 慶一)

2011年8月27日 12:30