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ズボラだけど大掃除したい! 今年やる「これだけ」を聞いた

「拭くだけ大掃除」の極意を、家事マスターに聞いた!

年末といえば大掃除! だが、日頃から掃除をしていても大変なのに「掃除が苦手」「掃除機は普段かけない」という人にはあまりにもハードルが高い……。

今回はそんな掃除嫌いな人に向けて、各部屋における“大掃除を済ませた感”を手軽に得るための「ここを掃除しておけばOK! 」といったポイントと簡単な掃除方法を紹介しよう。

ズボラ掃除の極意は「床拭きウェットシートを使い切る」

大掃除のコツを教えてくれたのは、住生活ジャーナリストの藤原千秋さん。今回紹介するのは一般的な掃除テクニックではなく、普段あまり掃除をしていない人に向けたものとして、“家事マスター”である藤原さんは話す。

「掃除が苦手な方は、そもそも掃除機をかけていないことが多いと思うんです。掃除機を出す、掃除機をかける、終わったら片付ける……その一連の動作自体がハードルになっているんですよね」

確かに、「大掃除=掃除機をかける」と考えると、一気に腰が重くなる人も少なくない。そこで藤原さんがすすめるのが、“掃除機を使わない大掃除” だ。

「掃除機を使うことを前提にしてしまうと、掃除が苦手な人にとっては、どうしても難易度が上がります。なので、掃除機を持っていない、あるいは普段使っていない人向けに、最もハードルが低い掃除のアクションとして、床拭き用のウェットシートを使ってほしいんです」

床拭き用ウェットシートで大掃除。100円ショップでも手軽に手に入れられるから準備もラク

床拭き用のウェットシートは、100円ショップやコンビニでも購入できるアイテムだ。価格も数百円程度で入手できる。

「よく勘違いされるのですが、手や口を拭くウェットティッシュと、掃除用のウェットシートは別物です。繊維の織り方や洗浄成分が異なるので、掃除をするなら必ず “床拭き用” と書かれたものを選んでください。普通のウェットティッシュでは、ほとんど掃除になりません」

まずは「床拭き用のシートを買う」ことが大掃除のスタートに。そして、藤原さんがもう1つ重視しているのが、掃除の終わりを先に決めてしまうことだという。

「大掃除はどこまでやればいいのかわからなくて、気付いたら手を広げすぎて終わらず、そのまま年を越してしまうという人も多いんです。なので、掃除のゴールを『ウェットシートを1パック使い切るまで』と決めてしまうのがおすすめです。

これを使い切ったら終わり、という目安があるだけで心理的な負担も軽くなります。全部きれいにしようとしなくても、結果的に家の中は意外とスッキリしますよ」

床拭き用のウェットシート1パックは、だいたい12~20枚程度。これを使い切るだけでOKなら、掃除にあまり積極的ではない人もできるはずだ。

だいたい12~20枚入りが相場。これを「使い切るまで」が拭くだけ大掃除のポイント

この考え方をベースに、ここからは玄関やリビング、水回りなど各場所の掃除ポイントを紹介していこう。

【1】玄関は「ドア」と「たたき」を拭くだけでOK

ドアの掃除って忘れがち。ドアノブにも手垢や皮脂がつく場所なので、しっかり拭こう

今回のズボラ掃除では、平らな面を拭くことがメイン。面がきれいになっていれば清潔に見えるため、藤原さんは「まずは目に入る場所だけを拭けば十分」と話す。

「玄関は、ドアの内側と外側の面、そして靴を置く『たたき』を拭いたら終わりです。ついでに毎日触るドアノブなど、手が触れる部分も一緒に拭いておくと安心ですね」

たたき部分に溜まっている汚れは、砂ボコリや髪の毛、衣類の糸くずなどが中心。床拭き用のウェットシートなら、ゴミをまとめながら拭くことができ、使い捨てなので手間がかからない。

靴を置く土間部分=たたきは、ゴミを集めるようにして拭き上げよう

また、拭き方に決まりはないが、ゴミを集めるように一方向へ動かすのもコツ。一般的な広さの玄関なら、シート1枚で一筆書きのように拭き切れることが多い。ドアを拭いたシートでそのままたたき部分まで拭いてもOKだ。

「最低限の掃除としては、たたきとドアを拭くだけで十分。ここがきれいだと玄関全体がすっきりして見えます。フローリングワイパーなどを使うよりも、しゃがんで手で拭くほうがどんなゴミが溜まっているかわかりやすいのでおすすめです」

手で拭くのもポイント。汚れやホコリを自分の目で確認しながら掃除できる

なお、たたきが大理石などの場合は注意が必要。クエン酸が含まれる掃除用品を使うと表面が白く濁ることがあるため、中性の床掃除用ウェットシートを選んでほしい。

【2】リビングは「床」「壁」「窓」を拭くときれいに見える

居住空間は大きな「面」が多いスペース。床拭きもしっかりやっておきたい

リビングや寝室など居室の掃除は、床・壁・窓といった面を中心に拭くだけ。普段あまり掃除をしていない場合は、まず床を拭く。床は部屋の中で最も面積が広いため、それだけでも部屋全体がすっきりとした印象に変わるという。

次に注目したいのが、普段の掃除ではなかなか手を付けない壁と窓の内側。手の届く範囲で構わないので、床掃除用のウェットシートで拭いていく。

手の届く範囲でOK! 壁は広いので無理なく掃除
せっかくだからきちんと掃除したい! なら、フローリングワイパーにつけて高いところまでやるのもアリ

「また、見落としがちなのが部屋のドアです。居室に限らずドアは思っている以上に汚れていて、特にドア枠とドアの隙間はホコリが溜まりやすいため、ここを拭くと大掃除をした実感が得られます」

【3】クローゼットは床と壁のキワを拭くことが大事

クローゼットの掃除は、まず服をたたむ/収納することが大前提。その上で行なうのが床掃除。特に、床と壁が接するキワ部分はホコリや汚れが溜まりやすいので、しっかり拭いておく。

洋服の整理はするけど、床や壁の掃除は見落としがちなクローゼット。大掃除の機会にしっかりケアしたい

「クローゼットで一番汚れているのは床と壁のキワ。衣類の繊維クズやホコリが集まりやすく、場合によってはウールなどを食べる虫の痕跡が見つかることもあるので、ここを拭くことが大事です」

余力があれば、引き出し収納の底面を水拭きするのもおすすめ。しかし無理に全部やろうとせず、床のキワを中心に拭くだけでもクローゼットは十分すっきりする。

【4】キッチンは「冷蔵庫だけ」掃除する

冷蔵庫から食材を取り出し、空の状態にしてシートで拭き掃除

キッチンの汚れ具合は、自炊の頻度によって大きく変わる。自炊をよくする人ほど、日頃から最低限の掃除はしていることが多いため、年末の大掃除で無理に手を広げる必要はないという。藤原さんがおすすめするのは、冷蔵庫の掃除だ。

「冬は気温が低く、食材が傷みにくいので、冷蔵庫の中身を全部出して掃除するのに向いています。年末のキッチン掃除は冷蔵庫一択です。一方で、換気扇やコンロは油汚れが固まりやすく、真冬の掃除には不向き。これらは秋までに済ませておくのが理想ですね」

冷蔵庫の内部は、床掃除用のウェットシートで拭くだけでも問題ない。汚れやニオイが気になる場合は、手指に使う消毒用エタノールや冷蔵庫用のウェットシートを併用してもいい。

ウェットシートは種類豊富なので、冷蔵庫は専用のシートを使うのもいい

特に掃除すべきは、細菌が検出されやすい野菜室で、次に卵や肉の置き場など。さらに余力があれば、冬こそ冷凍室の掃除をしてほしいと藤原さんは話す。

「大型冷蔵庫の冷凍室は引き出しタイプが多く、実は内カゴを取り外せるようになっています。冷凍室は凍っていて拭けないので、引き出しを外してお風呂場で洗うのが一番簡単。40℃くらいのシャワーをかけると、氷や汚れが一気に落ちますよ」

汚れがひどい場合は、食器用洗剤と食器用スポンジを使ってシャワーで洗い流す。野菜室も引き出しタイプであれば、同様にお風呂場で洗うのがおすすめとのこと。

【5】洗面スペースは洗濯機周辺と壁を拭く

床も壁も、洗濯機の足元などもホコリなどが溜まりやすいのでしっかり拭き掃除

脱衣/洗面スペースの大掃除でまず手を付けたいのが洗濯機まわりだ。洗濯機の周囲には、衣類から出た綿ボコリがかなり溜まっているため、床をウェットシートでしっかり拭いていく。

衣類を扱う場所のため、壁面にもホコリが付着しやすい。洗濯機まわりや脱衣スペースの壁を拭くと、思っている以上に汚れていることがわかる。

「使い捨てのウェットシートは、汚れが少ない場所から拭いていくのがセオリーです。洗面スペースは壁→床→洗濯機まわりの順で拭き、最後に捨てるとムダがありません」

また、洗面台も面を中心に拭くだけで十分。鏡が大きい場合は、鏡を拭くだけでも清潔感が大きく変わるという。

洗面台の専用クリーナーがあると、より手軽に掃除できる

「洗面ボウル(洗面台の流しの部分)は、専用クリーナーを使うと簡単にきれいになります。どう掃除すればいいかわからない人はぜひ試してみてください」

【6】浴室は壁と天井、排水口だけで十分

浴室掃除で見落とされやすい「壁」と「天井」。シャンプーなどが飛び散ったままになっていることもあるかも?しっかり掃除しよう

浴室の大掃除で見落とされがちなのが、壁と天井。床掃除用のウェットシートで、手の届く範囲を拭くだけでも効果がある。ただし、すでに黒い汚れが見える場合は要注意。

「黒い汚れはだいたいカビです。水拭きだけだとカビを広げてしまうことがあるので、ウェットシートに消毒用エタノールをスプレーして拭くのがおすすめ。カビが目立たない場合はウェットシートで拭くだけでもOKです」

もう1つ、必ず掃除しておきたいのが排水口。ここはシートではなく、次亜塩素酸系のカビ取り剤を使うのが正解だ。排水口の掃除は、見た目もニオイも変化を感じやすい場所なので、掃除をした満足感も得られるだろう。

排水口だけは専用洗剤を使ってしっかりカビ退治&防止がおすすめ

「浴室は、家全体のカビの発生に影響する重要な場所。浴室にカビがあると家中に広がる原因になります。梅雨前ではなく冬のうちに叩いておくと、カビは増えにくくなるのでしっかり対処しておきたいですね」

なお、カビ取り剤を使う際は必ず換気し、エタノールでの拭き掃除とは別のタイミングで行なう。薬剤同士を混ぜないよう注意したい。

【7】トイレは壁と天井を拭くのがポイント

トイレの壁と天井も忘れやすいポイント。大掃除のタイミングでぜひ掃除したい

トイレの大掃除のポイントは、普段はほとんど掃除しない壁と天井だ。床掃除用のウェットシートで、手の届く範囲を拭くだけで空間の印象が変わる。

「トイレは、壁と天井を拭くだけで、ちゃんと掃除した感が出ます。壁や天井を拭いた流れで、床もそのまま拭きましょう。狭い空間なので、1枚のシートで十分なはずです」

便器まわりは、普段の掃除頻度に関わらず、最後にまとめて拭くのがおすすめ。同じウェットシートを使うことに抵抗がある場合は、新しいシートに替えてもいい。

「便器だけでなく、便座やフタもウェットシートで拭けます。壁→天井→床→便器のように、上から下へと拭くだけでトイレの大掃除は完了です」

1パック使い切ったら大掃除は終わり

1パックを使いきれ! 掃除の終わりが見えているとやる気も出るし、達成感もあっていい

藤原さんおすすめのズボラ大掃除のポイントは、床掃除用のウェットシートで面を拭くこと。特に壁はホコリやニオイの原因になる汚れが付着しやすいため、拭くだけで部屋の空気が変わったと感じられることも多い。

「掃除機を毎日かけていても、壁はほとんどの人が拭いていません。だからこそ効果がわかりやすいんです」

ウェットシートはホコリだけでなく、手垢や油分といった家の中に必ず付着する汚れにもアプローチできる点が強み。ドライシートでは落としきれないベタベタ汚れにも効果がある。最近は無香/無添加タイプも増えているため、赤ちゃんやペットがいる家庭でも使いやすい。

子供やペットのいる家庭には「無添加タイプ」がおすすめ

「途中で1パック使い切ったら、そこで大掃除は終わりにしてもいい。とにかくハードルを下げて、手を使って拭くだけでOKです。掃除が本当に苦手な方なら、シートを1枚使うだけでも立派な一歩だと思います。1パック使い切ることができれば、ちゃんと大掃除をしたという実感が生まれ、自己肯定感にもつながりますよ」

大掃除だからといって、部屋の隅々まで徹底的に掃除する必要はない。床掃除用のウェットシートを1パック買って、使い切ったら終了。もし「これならもう1パックやってもいいかも」と思ったら買い足すのはアリ。ただし、その分も必ず使い切ることが大切だ。

まずは「1パックを使い切る」ことを目標に、年末の大掃除に取り組みたい。

(写真撮影:三月旭)

津田 昌宏