年末特別企画

ごはんは毎日食べるものだから、おいしいのはもちろん「楽」なのが良い【私の2025】

11月に発売されたばかりの「Re・De Pot(リデポット) 電気圧力鍋 2L EPC01A-20」。2020年に発売された旧型と名前が同じなので購入時は型番を要チェック

筆者は家電ライターという職業柄、これまでさまざまな炊飯器を使ってきました。なかでも高級炊飯器はメーカーごとに炊き方の思想や味の方向性が異なり、試用していて楽しいジャンルのひとつ。そんな筆者が、今もっとも頻繁に使っているのが、A-Stageから発売されている自動調理鍋の新モデル「Re・De Pot(リデポット)電気圧力鍋 2L EPC01A-20」です。これは炊飯器ではなく電気圧力鍋ですが、結果的に我が家では炊飯器役として大活躍しています。

本体サイズは288×222×244mm(幅×奥行き×高さ)、重さ約2.8kg。2L容量の電気圧力鍋で、最大4合まで炊飯可能。フタは分離するタイプを採用しています

面倒な炊飯を「軽さ」と「早さ」でサポート

ところで、自分が高級炊飯器を使うたびに気になっていたことがあります。それが内釜の重さ。高級モデルの炊飯器は内釜の素材や蓄熱性にこだわるため、内釜は1kg以上のものも多く、製品によっては2kg近くになることも。炊飯したごはんを食べると「このおいしさのためなら内釜が重いのもしょうがないか」と思うのですが、疲れた日には、洗米や食後に内釜を洗う作業が負担に感じることもありました。

その点、Re・De Potの内鍋は実測で289gと、米と水を入れても片手で楽に扱える軽さです。ごはんは日常的に炊くものだけに、この「ストレスが少し減る」感覚は思っていた以上に大きなメリットでした。

内釜は、高級炊飯器を見慣れていると「この薄さで大丈夫?」と不安になるくらい軽い

もうひとつ、この製品を使い続ける理由になったのが炊飯時間。Re・De Potの炊飯は標準モードで約25分。一般的な炊飯器の標準モードが45分~1時間程度かかることを考えると、かなり短めです。もちろん多くの炊飯器には早炊きモードがありますが、それでも30分以上かかる製品が多いうえに味や食感が通常モードよりも落ちてしまいます。その点、Re・De Potは「一番おいしく炊ける」標準モードがこの時間というのが印象的でした。

我が家では、たまにカレーなどのおかずを作ったあとに炊飯を忘れていたことに気づく失敗が起こるのですが、そんなときこれまでは「今日はパンでいいか」となりがちでした。しかしRe・De Pot利用後は「今からすぐ炊こう」という選択肢が選びやすくなりました。

万人向けとはいわないけれど高級炊飯器並みにごはんがおいしい

内鍋が軽く、炊飯時間も短いとなると、「その分、ごはんはあまりおいしくないのでは?」と不安になる人もいるかもしれません。実際、いまどきの電気調理鍋はたいてい炊飯モードを搭載しているのですが、炊飯をしてみると炊き上がりが微妙な製品も多いのです。

ただしRe・De Potで実際にごはんを炊いてみると、その印象は大きく変わります。炊き上がり後、少し蒸らしたごはんは粒立ちがよく、しゃっきりとした弾力。外側はほどよく締まり、中はふっくらとした、いわゆる「外硬内軟」の理想的な仕上がりなのです。なお、炊き上がり直後にすぐ食べると、たまにやや芯を感じることがあるため、個人的に炊きあがり後は10分ほど蒸らすのがおすすめです。

Re・De Potで炊き上げたばかりのごはん。一粒一粒がしっかり主張しているような美しい炊き上がりなのがわかります。ちなみに、今年発売された新型Re・De Potは内鍋のコーティングがセラミックになり、遠赤外線効果で従来モデルよりふっくらと仕上がりやすくなっています

ただし、Re・De Potの炊き上がりが誰にでも向いているわけではありません。炊飯器には大きく分けて、柔らかくもちもちした食感が得意なタイプと、粒感や弾力を重視したしゃっきり系が得意なタイプがあります。そして、Re・De Potは明らかに弾力重視タイプ。もちもち系で甘さを重視するような柔らかいごはんが好きな人には、正直あまり向いていないと感じます。一方で、粒立ちや食感を楽しみたい人には、かなり相性が良い仕上がりです。筆者自身はこの食感が好みだったこともあり、自然と使用頻度が高くなりました。

電気圧力鍋のなかでも最大1.8気圧という比較的高い圧力で炊くからか、とにかく食感の良さが際立っています

電気圧力鍋ならではの使い勝手の良さも見逃せない

Re・De Potが日常使いしやすい理由は、炊飯の味や時間だけではありません。炊飯後に洗う必要があるのは内鍋と内蓋のみと、調理後の洗いものも簡単。

調理後は内鍋と内蓋のみ洗えばOK。内蓋はパッキン部分を外して洗うこともできます
蓋が分離できるタイプ。かつ、電気系統は本体内にしかないのでフタ部分は水洗いできるのも個人的に気に入っている点です
電源はマグネット式で着脱が一瞬。調理後は電源をさっと抜いて鍋ごと食卓に持っていきやすい構造です。調理後の鍋をリビングのテーブルにそのまま置き、家族が各自よそうといった使い方もしやすく便利でした

我が家は夫婦2人暮らしですが、毎回ごはんは3合炊き、その日は炊き立てを食べて残りは一膳ずつ冷凍。翌日から2日前後は冷凍ごはんを電子レンジで温めて食べています。冷凍ごはんを食べる日は、Re・De Potでちょっとしたおかずを作れるのも自動調理鍋ならではのメリットです。

旧モデルからの大きな進化点には低温調理もあります。従来は10℃刻みで温度設定ができましたが、新モデルでは5℃刻みで細かく設定が可能に
写真は新モデルの低温調理モードで作ったサラダチキンとタルタルソース

最初に説明したとおり、Re・De Potは電気圧力鍋。今回は詳しく説明しませんでしたが、高い圧力での煮込み調理をはじめ、蒸し調理や無圧力での温め、低温調理など、幅広い調理に対応しています。一台でさまざまな料理をこなせる点は、電気圧力鍋として見ても十分に魅力的な製品です。

ただ、筆者にとってこの製品のいちばんの魅力は「炊飯のおいしさ」でした。これまで10万円を超える高級炊飯器のごはんも数多く食べてきましたが、高級炊飯器はおいしい反面、内釜が重かったり、炊飯に時間がかかったりと、日常使いでは多少の負担を伴うものも少なくありません。

その点、Re・De Potは、高級炊飯器に近い満足感のあるごはんを実現しつつ、軽い内鍋に短い炊飯時間を実現。この「おいしさ」と「扱いやすさ」のバランスが、非常に優れているのです。硬めでしゃっきりとした食感が好みの人であれば、高級炊飯器に負けない味と感じる人も多いはず。

ちなみに、このおいしさを実現しつつ、新型Re・De Potの直販価格は19,800円。コストパフォーマンスのよさも気に入っています。

倉本 春