ミニレビュー
これから自転車のメンテナンスをしたい人にオススメできるbirzmanの高品質工具
2023年2月21日 08:05
e-bikeをはじめ、最近のスポーツタイプの自転車には、ディスクブレーキが多く採用されています。リムを挟み込むタイプのブレーキに比べて、制動力やコントロール性が高いこと、雨が降っても制動力が変化しないことがメリット。また、リムブレーキに比べてメンテナンスの頻度も少なくて済みます。
ただ、愛車を自分でメンテナンスしたい人にとっては、できることが少ないのは寂しく感じるかもしれません。特に油圧式のディスクブレーキは、下手に素人が触ると油圧部分にエアが入り込んでしまったりして、ブレーキが効かなくなってしまうこともあるので、メンテナンスはプロに任せたほうが無難です。
とはいえ、何もしないでいいというわけではありません。ブレーキパッドの交換を依頼するにしても残量の確認くらいはしておきたいところ。走行距離が伸びればブレーキのディスクプレートも減っていきますので、長く乗っているなら一度確認しておいてもいいでしょう。
高品質な専用工具もリリースされている
そうしたブレーキパッドの残量や、ディスクローターの厚みを確認できる専用工具も販売されています。リリースしているのは、高品質な自転車向けの工具を数多く手掛けている「birzman(バーズマン)」。今回は、この工具を使って自分の自転車のブレーキ整備をしてみたいと思います。
ブレーキパッドの残量を確認できるのは「Brake Pad Wear Indicator」という製品。ブレーキパッドがどこまで減ったら交換すべきなのかは、メーカーによって異なるのですが、この工具はシマノ、SRAM、MAGURA、TEKTRO、TRP、HOPEと主要なブレーキメーカーにはほぼ対応しています。
パッドの交換時期に指定されている厚みはメーカー各社によって異なります。シマノ、TEKTRO、TRP、HOPEはパッド表面の盛り上がっている部分が0.5mm以下になると交換時期。SRAMとMAGURAはパッド全体がそれぞれ3.0mm、2.5mmを下回ると交換が必要になります。
我が家には4台のディスクブレーキ付きの自転車がありますが、残念ながらSRAMとMAGURAのブレーキを使っているものはなく、シマノ用のプレートしか試すことができませんでした。それなりに走っているつもりでしたが、どれもまだ交換時期には遠い状態。そこで最近すごい距離を走っているe-bike Watch編集部の清水氏が「そろそろパッドの交換時期かも」と言っていたのを思い出し、そのパッドを測らせてもらうためだけに呼び出してみました。
リムブレーキ用のゴム製のパッドは結構減るのが早く、特に雨の中などを走るとすぐ交換時期になってしまう印象でしたが、ディスクブレーキのパッドは素材が樹脂(レジン)や金属(メタル)となっていることもあって、かなり長持ちするのだということが実感できました。
続いて試してみたのが同じくbrizmanの「ROTOR WEAR INDICATOR」という工具。こちらはディスクローターの厚みを計測し、交換時期を確認できるものです。
シマノとHOPE製のディスクローターは1.5mmが使用限界。SRAMは1.55mm、MAGURAは1.8mm、TEKTROとTRPのe-bike向けローターは2.0mmが交換時期に指定されています。つまり、ローターに工具の隙間になっている部分を当てて、入ってしまったら交換時期ということ。前述のように、我が家にはシマノ製のブレーキしかありませんが試してみました。
どちらの工具も交換時期か否かを確認するだけなので、ブレーキパッドは外す必要がありますが、それほどの時間はかかりません。ただ、どちらも質感の高い完成度なので、ついつい使ってみたくなる魅力があります。ディスクブレーキを装備した自転車で走り込んでいる人はもちろん、これからメンテナンスなど手をかけて愛車との距離を縮めていきたい人にも適した工具だと感じました。
ディスクブレーキのピストンを押し戻す工具も
brizmanのディスクブレーキ向けの工具には「DISC BRAKE PISTON PUSHER」という製品もあります。こちらはキャリパーから出てきてしまったピストンを押し戻すためのツール。輪行などでホイールを取り外す機会の多い人はご存じかもしれませんが、ディスクブレーキ(特に油圧式)のピストンは一度出しすぎてしまうと、キャリパー内に押し戻すのがなかなか難しかったりします。大きめのマイナスドライバーを間に差し込んでこじって戻したりすることが多いですが、これはパッドの表面などを傷めてしまう可能性があるので、あまりオススメできない方法。そんなシーンで便利なのがこのツールです。
ホイールを外した状態でブレーキレバーを握ってしまった場合だけでなく、使い込んだパッドを新品に交換すると、厚みが増えるのでピストンを押し戻さないと新しいパッドが入らなかったりもします。そんな場面でも、この工具は役に立ちそう。実際に油圧ブレーキのピストンを押し出して、実力を試してみました。
出番の多い工具ではありますが、実際に油圧ピストンを押し戻したことがある人ならば、ありがたさがわかるかと思います。輪行する機会の多い人や、これからパッド交換などをやってみたい人は持っておくといいかもしれません。
ディスクブレーキのメンテナンスというと、ハードルが高いと感じる人もいるかもしれませんが、交換時期を調べるだけでも自分で作業をすると、愛車との距離が縮まった気分になれます。特に今回試したbrizmanの工具はどれもクオリティが高いので、工具箱の中にあるだけでメンテナンスをしようという気分が上がりそうです。