e-bike日々徒然

最近お気に入りの携帯工具。自転車やe-bike乗りにオススメ

自転車やe-bikeを入手した際、同時に用意しておきたいアイテムの1つが携帯用の工具です。折り畳み式のコンパクトなものを購入する人が多いと思いますが、どのくらいの工具数を備えているものがいいのか? 種類が多い中でどれを選べばいいのか? と迷ってしまうことも少なくないでしょう。自転車用の携帯工具としては、画期的と思えるアイテムに出会えたのでご紹介します。

その工具はequipt(イクイプト)というブランドの「サーディン」。オルタナティブバイシクルズというショップのオリジナル工具です。

サイズは95×14×9mmとコンパクトで重量は38g。丸みを帯びた形状も愛らしい。価格は7,400円

携帯工具は装備されているツールビットの数が多くなると重たくなってしまいますが、「サーディン」の重量はわずか38g。一般的な折り畳み工具と比べてもスリムで軽量です。装備しているツールはヘックス(六角)が6mmと5mm、4mm、3mmでトルクスがT25。最小限ではありますが、自転車でよく使われるサイズはカバーされています。むしろエントリーユーザーは、このサイズから外れる部分は触らないほうがいいと言えるかもしれません。

別売でフレームに装着するホルダー(1,500円)も用意されています。インチューブバッテリーのフレームにも問題なく装着できました

折り畳むタイプの携帯工具は、いざという時に使うものなので、必ずしもボルトを回しやすくなかったりするものも多く、普段の整備用には別途大きめの工具を揃えておく必要があります。でも、この「サーディン」はコンパクトなのに操作性が非常に良い! ツールビットに対して持ち手の部分を90度にすると、長さが確保できるので大きな力をかけてボルトを回すことができます。

大きな力で締め付けたり、緩めたりする場合は持ち手を横にすればトルクをかけられます

そして、この工具の画期的な点は、ビットをボルトに挿したままの状態で持ち手の角度を変更できるところ。回しながら180度切り替えることができるので、工具を持ち直す必要がありません。また、ボルトが緩んできたら持ち手を縦にしてクルクル回すことができます。この“横回し”から“縦回し”への移行(逆も)をボルトに挿したままできるので、作業効率がものすごく高いんです。

ボルトに工具を装着したまま持ち手を縦にしてクルクル回す“縦回し”に移行が可能

ツールビットの角度が自由に調整できるので、工具の入りにくい場所でも使いやすいのもメリット。ツールビットの取り付け部分の抵抗が絶妙で、力をかけて回そうとした際に変に動いてしまうこともありません。グリップ部分の質感が高く、丸みを帯びた形状になっているので握りやすいのもポイントですね。

ブレーキの取り付けボルトなど、ある程度のトルクで締める必要があるところも大丈夫

使いやすくて質感が高いので、携帯工具ではあるのですが、普段の整備にも使いたくなります。むしろ、T字型のヘックスレンチで回しながら持ち替えたり、縦回しに移行する際にボルトから抜かなければならないのがおっくうに感じるほど。自転車に乗っている人なら、誰もが1本持っておいて損のない工具だと思います。

特にe-bikeに乗り始めた人は、これを持っておくとメンテナンスも楽しくなると思います。普通の携帯工具で強く締まっているボルトを回そうとすると、力がかけづらくて回せなかったりネジがナメてしまったりしますから、メンテナンスにはあまりオススメできません。

残念ながら「サーディン」はあまりの人気で初期ロットのメーカー在庫は早々になくなってしまったとのこと……(一部の店舗在庫はある様子)。次期ロットは6月頃になる見込みだとか。携帯工具としては、少し割高に感じるかもしれませんが、実際に使ってみると「お買い得!」と感じることは間違いありません。

増谷茂樹

乗り物ライター 1975年生まれ。自転車・オートバイ・クルマなどタイヤが付いている乗り物なら何でも好きだが、自転車はどちらかというと土の上を走るのが好み。e-bikeという言葉が一般的になる前から電動アシスト自転車を取材してきたほか、電気自動車や電動オートバイについても追いかけている。