やじうまミニレビュー
子どもだけの留守番に必須! アプリで子どもの居場所がわかる、ソースネクストの「FamilyDot」
2020年3月12日 00:00
核家族化と共働き世帯の増加が著しい。筆者の妻も働いていて、5歳の息子は保育園に通わせている。まだ保育園だから良いが、これが小学生ともなると、子どもは3時~4時ころには帰宅することになる。いわゆる「小1の壁」や「小4の壁」だ。
実際に子どものいる共働き家族の話を聞くと、帰宅した後に我が子がどうしているか心配する人は多い。今は新型コロナウイルス(COVID-9)で、学校が休みに入ってしまったため、特に心配だろう。
そんな不安を、少しでも解消できるかもしれないのが、ソースネクストの「FamilyDot(ファミリードット)」だ。
簡単に言えば、携帯電話からGPSと通信(発信)機能だけを残した小さなガジェットで、これを子どもに持たせておけば、どこにいるのかを、スマートフォンの専用アプリで把握できる。今回は、このFamilyDotを使う機会を得たので、その使い勝手などをレビューする。
メーカー名 | ソースネクスト |
---|---|
製品名 | FamilyDot(ファミリードット) |
価格(編集部調べ) | 14,880円 |
本体サイズは45×45×18.5mm(幅×奥行き×高さ)と、手のひらで握れるくらい小さいサイズ。フル充電時の駆動時間は3日〜4日ほど。搭載されたGPSやWi-Fi、携帯基地局で位置を測定し、位置データを2Gもしくは3G回線で送信するというもの。そして登録されたスマートフォン(アプリ)から、FamilyDotの、だいたいの位置が分かるという仕組みだ。
いわば、スマートフォンからGPSと通信機能だけを残した、位置情報を送信することに特化したデバイス。
息子がどこにいるかがひと目でわかる安心感
さっそく保育園へ通わせている息子に持たせようと、使いはじめてみた。
まずはペアリング。スマートフォンに「FamilyDot」という同名のアプリをインストールし、端末を新規に登録する。
アプリから登録メールアドレスを送信し、メールで送られてきたリンクをクリックすると、本格的に登録が開始する。「FamilyDot」アプリへ戻り、「FamilyDotを登録」をタップする。
端末を初めて使う時にとまどうのが、本体に電源ボタンなど一切の操作ボタンなどがないこと。
そして登録(接続設定)する際には、必ず本機をUSB経由で充電する状態にしておく必要があること。登録は、充電中にしかできないので、フル充電になったからといって、USBケーブルを外してはいけない。※筆者はまさにフル充電にしてケーブルを外したので、登録ができず「なんでだろう?」と、なってしまった。
以上の注意点を守れば、簡単に登録(接続設定)できる。本機とスマートフォンを接続完了したら、次は通知エリアを設定する。
通知エリアとは、例えば(FamilyDotを持った)息子が、保育園から出たらプッシュ通知する、そのエリアの指定だ。
もし子どもが小学生であれば、「自宅」、「小学校」や「塾」などのエリアを設定しておくと良い。そうすれば、子どもが自宅を出て小学校へ到着した際、また授業が終わって小学校を出た際、帰宅した際、それから自宅を出た際、塾などへ到着時、またそこから出た際などに、スマホに通知が届いて安心だ。
ちなみに「エリア通知」のエリアを追加したい場合の設定方法は、初期設定時とは異なる。追加したい場合には、まずアプリを起動させた時の、地図をメインにしたホーム画面の左上にある、横三本線のマークをタップする。
「通知エリア編集」という項目を選び、「通知エリア」項目から「新規追加」をタップする。あとは指定したいエリアに、赤いピンマークを移動させ、分かりやすい「エリア名」を書いたら「決定」を選択。これで、新規の「通知エリア」が追加される。
こうした設定が終わったら、あとは本機を子どもに持たせるだけだ。
筆者は、5歳の息子に「これはお守りだからね」と言って、持たせている。小学生になったら、嫌がる子もいるかもしれない……。
だが前述の通知のほかにも、気になった時にスマートフォンのアプリを開けば、(FamilyDotを持った)子どもが、どこにいるかが分かって安心だ。
「みまもる人」を増やしたり、測位の頻度を変えられる
通知エリアの指定のほか、「みまもる人」を増やしたり、「測位の間隔」を調節したりできる。
アプリを開き、地図上に表示された本機の現在位置マーク(ピンマーク)をタップする。すると「FamilyDotの情報」というページが開く。いずれもこのページで設定することになる。また同ページでは端末のバッテリー残量も確認できる。
まずは親などの「みまもる人」を増やす方法だが、本端末のオーナーである筆者のほか、例えば妻などを「みまもる人」として追加できる。
「FamilyDotの情報」ページから「みまもる人」をタップし、「ゲスト」項目にある「追加」を選択。「ゲストの追加」ページが開くので、「招待する」をタップ。共有するためのURLを、SMSやメール、LINEなどで追加したい人(筆者であれば妻)に送る。
URLが送られてきた人は、URLを開き、アプリをダウンロードしてから登録を済ませて、アプリから「FamilyDot」を「共有してもらう」を選択。指示に従っていくと、筆者と同じように「FamilyDot」の位置を地図上で確認できるようになる。
測位の間隔(頻度)や一時停止する方法
「測位の間隔」についても同様に「FamilyDotの情報」ページから「測位の間隔」をタップする。「測位の頻度」は、10分/5分/3分の3段階から指定可能だ。
当然だが間隔を広げて5分/10分にすればバッテリーの持続時間が増す。3分に設定した場合は、最もバッテリーの消費量が多くなる。
筆者の場合は、頻度よりもバッテリーの消費を抑えたいので、10分で固定している。3分間隔にしていた際には、やはりバッテリー消費が多く、1日~2日しかバッテリーがもたなかったからだ。10分間隔にすると、2日~3日くらいは使える。
そのほか、「フライトモード」も設定できる。「FamilyDot」は前述の通り、電源ボタンが無い。そのため乗機前に「フライトモード」を使って電源をOFFにするのだ。
また、例えば学校などに居る時間や、夜間などの在宅時などは「フライトモード」を使うと、バッテリーを長持ちさせられる。ただ学校などは、体調不良で帰宅する時などを考えると、OFFにするのは妥当ではないかもしれない。
設定の方法は簡単で、「フライトモード」の項目にある時間を設定して「フライトモードをONにする」をタップするだけ。タップした時から端末の電源がOFFになり、指定した時間になるとONになるという、タイマー設定だ。
例えば「これから1時間はOFF」にしておきたい場合は、時間のダイヤルを「01:00」に設定して「フライトモードをONにする」をタップする。
「エリア通知」のON/OFF設定も「FamilyDotの情報」ページから行なう。指定しておいたエリアごとに「ON/OFF」を設定できる。例えば筆者の場合は、息子の友人宅を「エリア通知」で設定している。だが、息子が遊びに行かない日には(それほど行くわけではないので……)、OFFにしておく。
これをONのままにしていると、近所なだけに、周囲に近づいた時に通知が来てしまう。まぁ通知が届いても問題はないが、プッシュ通知を減らしたい場合にはOFFにしておくと良いだろう。
同じページでは「乗り物通知」というのがある。これは、(FamilyDotを持った)息子が、自動車や電車などに乗った時に「高速移動のお知らせ」が届く。
例えば、遠足や旅行に行く予定もないのに、子どもが自動車や電車に乗ると、通知が届き、親は子どもの異変に気がつくというもの。
「だいたい」の位置が分かる程度の精度
位置情報の精度は、場所にもよるが10m〜20mくらいズレていることが多い。特に建物内にいる場合には、実際に居る場所の隣のマンションやビルを示していることはよくあること。その点、スマートフォン内蔵のGPSのような正確さは期待せず、寛容な心が必要だろう。
前述したエリアの設定に関しても、GPSの精度を反映してか、200m弱くらいの、ざっくりとした範囲を指定する仕組みになっている。
実際には、精密な場所を把握しなければいけない機会は多くないような気がする。幼児や小学生くらいであれば、行く場所は限定されているだろう。そうした場所に、居るか居ないかを知るには、FamilyDotの測位精度で十分だ。
また万が一に、そうした場所から外れた場合……例えば誘拐や行方不明になった場合を想定しても、だいたいの場所が分かれば、あとは警察などに託すことになる。そうであれば10m〜20mのズレは、許容範囲だと思う。
そうした想定で使うのであれば、測位頻度よりも連続使用時間が気になるところ。測位頻度を10分間隔にしたとしても、持ち時間は3〜4日前後だ。できるだけ毎日充電し、毎朝子どもを送り出す時には、フル充電状態でFamilyDotを持たせるようにしたいところだ。
間違って洗濯しても大丈夫な防水・防塵設計
「FamilyDot」で一番うれしいのは、IP65規格の防水・防塵設計だということ。主に子どもに使わせることを想定すると、本機をポケットに入れておくことがよくある。公園で遊ぶ時や、旅行の際などだ。
当然、子どもなのでホコリにまみれ、水に濡らす危険もあるので、防水・防塵なのは心強い。
さらに……というか、これが最も頻発するのだが、本機を間違って服と一緒に洗濯してしまうこと。本機が防水だと知らない妻は、はじめて洗濯してしまった時に「ごめん……あの見守りのやつ、気が付かないで洗濯しちゃったよ」と、やや消沈していた。
IPX5の防水性は、正確には「いかなる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響を受けない」というもの。ただしそのテスト方法は、「3mの距離から全方向に12.5L/分・30kpaの噴流水、3分間」というもの。
洗濯するのは、上記のテスト項目よりも過酷な気がするのだが……少なくとも、筆者が本機を3回洗濯した後にも、何の問題もなく稼働している。(ポケットに入れたままだったので、大丈夫だったのかもしれない。またあくまでメーカーが「洗濯しても大丈夫」と、保証しているわけではありません)
通信料が込みなのが嬉しい
以前、ビーサイズから発売されている「GPS BOT」を使ったことがある。こちらもGPSを発信し続ける単純なガジェットだ。本体サイズや重さ、アプリのデザインや使い方も、ほとんど「FamilyDot」と同じだった。
2機種の大きな違いの一つは、価格。「GPS BOT」が、端末代4,800円で月額480円の使用料が必要なのに対し、「FamilyDot」は14,880円を支払えば月額使用料が不要で2年間使える。
もし「GPS BOT」を2年間使うと、総額17,952円(税込)かかることになる。つまり2年間使い続けると最初に決めていれば、「FamilyDot」の方がお得ということだ。2年縛りの「FamilyDot」にするか、いつでも辞められる「GPS BOT」を選ぶかの違いだ。
もう一点、大きく違うのは、「GPS BOT」の利用が国内に限定されているのに対し、「FamilyDot」がグローバルで使えるということ。これは「FamilyDot」に内蔵されたeSIMが、世界79の国と地域で利用可能だからだ。
つまり、もし海外へ頻繁に出かける、もしくは海外へ転勤する可能性があるなら、「FamilyDot」が選択肢となる。
ちなみにアメリカでは使えるということで、筆者はグアムへ行った時に使おうと思い持っていった。だが、残念ながらグアム地域は非対応だった……残念。
自転車の盗難防止用としても使える
以前、ビーサイズの「GPS BOT」を使った時にも思ったのだが、この手の製品は、大事なものに付けておくのにも良い。
旅行や出張時であれば、スーツケースなどに入れておけば、グローバルで荷物がどこにあるかが把握できる。
また自転車やバイクなどに取り付けておけば、盗難防止にもなるだろう。前述のとおり、本機は防水防塵仕様なので、特に自転車に取り付けておいても、雨に濡れて壊れる心配はない。
FamilyDotは、グローバルに対応し防水防塵であることで、本当に様々なシーンで使える。そして「子どもがどこにいるか不安だ」とか「自転車が/スーツケースがどこにあるか心配」などの懸案を、確実に取り除いてくれる。