やじうまミニレビュー
無印良品らしいミニマムなデザインで確かな作りの腕時計に大満足!
2019年12月17日 00:00
肌身離さず腕時計をすることがなくなってから久しいが、時々思い出したようにアナログの腕時計を着けたくなる時期がある。例えば仕事に追われて忙しい時などは、視界の片隅に入るだけで、なんとなくの時刻が把握できるアナログの腕時計は便利だ。すぐにスリープ状態になる昨今流行りのスマートウォッチなどとの違いだろう。
そんななか、無印良品の腕時計を手に入れた。シンプルなデザインの中にもほのかに香る可愛らしさは、無印良品ならでは、といえる。そんな同社の「腕時計・Solar Watch MJ‐SWG1」を使ってみた。
メーカー名 | 良品計画 |
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製品名 | 無印良品「腕時計 Solar Watch MJ‐SWG1」 |
価格 | 5,990円(税込) |
いたってシンプルな3針のアナログ時計。時分秒を示す以外の機能といえば、製品名にもあるソーラー充電である点くらいという、ミニマムの徹底ぶり。
そのソーラーパワー機能についても、使っているときにはユーザーに意識させることはない。説明書には、文字板面にソーラーセルが組み込まれ、光エネルギーを電気エネルギーに交換して駆動させているとある。だが、いくら文字板を見つめても、ここで充電しているのかぁと手がかりになるようなものはない。文字板は単に白い円板に数字などのインデックスが記されているだけのように見える。
このソーラーパワー機能を実感するには、腕時計を外して裏蓋を見なければいけない。もしくは腕時計を何年も使い続けてみるしかないだろう。説明書によれば、晴天時の屋外に出せば、たった9分で1日もつ電気が充電される。同様に曇天なら35分、屋内照明なら5.5時間だ。むしろ充電が切れて止まってしまうという状況が想像できない。
文字板も、白い板に「1」から「12」までの数字と、目盛りが黒で記されているだけ。腕時計に必ず記されているメーカーやブランド名も見当たらない。「無駄なことは一切記しません」というかのように、無駄がないのだ。
だからこそ、明るい場所であれば、視認性は高い。そして蓄光顔料などは使われていないので、暗くなると何も見えなくなる。でも、そうした顔料が使われてデザインが崩れるくらいなら、少々不便でもこのままが良いと思わせてくれるフェイスデザイン。
数少ない個性を表現する数字のフォントは、時計全体の印象とフィットして、少し愛嬌を感じさせる。硬くもなく柔らかすぎもしない字体。このフォントに好き嫌いはあるだろうけど、時間が知りたいだけの筆者には、このそっけないけれど少し優しさが漂うフォントが、けっこう好きだ。何より時刻を把握しやすい。
ケース部が薄く、装着感が良いのも嬉しい。とかく厚いケースの腕時計を着けると、長袖のシャツの袖をかぶせるか出すかで迷ったりするが、「Solar Watch MJ‐SWG1」であれば自然とシャツの袖に潜り込んでくれる。パソコンのキーボードを操っているときにも、ゴツい腕時計と違って、わずらわしく感じることも少ない。
かといって「カジュアルからビジネスシーンまで着けてもOK!」という感じでもない。やはり使うならカジュアルシーンだと思う。バンドは牛革と合成皮革だが、ケース素材はABS樹脂だし、風防はアクリル樹脂だ。少し近づいてみれば、チープとまでは言わないまでも、ビジネスシーンで「信頼性」を演出する小道具としては役立たないだろう。
それでも「無駄なことはしません」とか「いつも自然体です」的な自分を、ビジネスシーンで表現するのには良いかもしれない。
外観だけだと、防水性能なんてあるんだろうか? と不安になるが、3気圧防水の日常生活用防水となっている。あえて防水性を試そうとは思わなかったが、腕に着けようとした時に、誤って同機をメダカの水槽に落としてしまった。数秒後には救いだしたためか、今でも元気に時を刻んでいる。
ちなみに時間精度は平均月差±20秒なので、正確無比な時刻を知りたい人には向かない。もし正確さが重要なら、数カ月に一度、気がついたときには時刻合わせをするようにした方が良いだろう。
同機にはホワイトとブラックと、いま使っているグレーの3色がラインナップされている。外観を見て手にしただけでは、どこのブランドの時計か分からない。そのアノニマス的な雰囲気の腕時計が欲しいなら、間違いなく買いだろう。「それどこの時計?」って、聞かれる機会も多くなるはずだ。