家電製品ミニレビュー

マグネットと三脚で設置しやすいLEDセンサーライト

設置方法にこだわった製品

ムサシ「LEDどこでもセンサーライト ASL-090」

 今回は、設置方法がたくさん用意されている変わったセンサーライトを紹介しよう。ムサシの「ASL-090」という製品だ。

 ここ数年、人感センサーと明るいLED素子の普及で、センサーライトは多くの機種が発売されるようになった。弊誌でも多数の機種を紹介してきたが、最初に紹介した2007年頃に比べると、本当に実用的になったと思う。

 ASL-090は、残された課題の一つである設置しやすさにこだわった製品で、玄関扉やベランダなどどこへでも設置できる点が特徴だ。希望小売価格は高めだが、Amazon.co.jpだと2,000円前後で販売されている。

メーカー名ムサシ
製品名LEDどこでもセンサーライト ASL-090
希望小売価格4,830円
購入先Amazon.co.jp
購入価格1,890円

1Wクラスの明るいLED

 ASL-090本体の機能から見ていこう。LEDは、CREE社製の1Wクラスでかなり明るい部類に入る。電源は単三形乾電池3本でアルカリ乾電池が推奨されている。乾電池は別売りだ。

 なお、エネループなどの充電池については使用可能と取扱説明書に書かれているが、「LEDの光が暗くなったり、頻繁に充電しなければならない場合があります」と書かれている。

パッケージから見える本体がユーモラスだ
電源は単三形アルカリ乾電池が3本。付属しないので用意する必要がある
本体が球形なので開けるときはコツが必要だ

 センサーは人感センサーで、本体正面を向いている。LEDのカバーから人感センサーが出っ張っていて、動物の目のように見える。探知角度は約100度、探知距離は最大で約4mとされている。まあ、普通に近寄れば、見逃すことはない角度と距離だ。

LEDカバーとセンサー部分が目のように見える
本体はぎりぎり片手で持てる大きさ、非常時にはLEDライトとしても使える
スイッチはシンプル。センサー時の点灯時間は10秒に固定されている

 設定できるモードは、常時点灯とセンサーのみで、センサー時の点灯時間も約10秒に固定されている。他の機種では、暗くて、かつ人が来た時だけ点灯するモードが用意されていたり、LEDの点灯時間が調整できたりするのだが、ASL-090では用意されていない。LEDセンサーライトとしてはシンプルな仕様だ。

設置方法のバリエーションが広い

 ASL-090の長所は、設置方法のバリエーションが多いことにある。

 SL-090は丸い本体と、それを支えるアームで構成されている。アームは底が広くなっているので、棚などに置いて据置型として使える。本体の直径は8cmぐらいなので、そんなに邪魔にならない。本体は360度回転するので、上でも下でも自由に向けられる。

本体は簡単に分離できる
三脚を外した状態でも安定して置ける
本体は360度回転できる
このように真上や真下、背面に向けることもできる
本体は球形で、防水になっている
本体の底部には三脚用のネジ穴と、3つのマグネットがある

 次に、アームにマグネットが内蔵されており、鉄が素材の場所に固定できる。例えば、スチール製の扉やロッカーなどにくっつけて使える。付属のスチールプレートを使うと、壁などに固定することもできる。

 さらに、アームの底に三脚を付けられる。この三脚は、最近のミニ三脚でよく見かけるフレキシブルな脚になっていて、かなり自由に曲がる。普通に三脚として使うだけではなく竿などにひっかけて使える。

 これぐらい多彩な設置方法が用意されていれば、ほとんどの場所に設置できそうだ。

三脚で立てた状態
本体の三脚穴は一般的なものなので、他の三脚を流用することもできる

マグネットが設置場所を広げる

 実際にいくつかの場所で試してみた。

 まず、玄関で試してみた。玄関の扉がスチール素材なので、そのまま扉の内側にマグネットでくっつける。マグネットはとても強力で、扉を乱暴に開け閉めしてもびくともしない。

玄関の扉に固定した。扉を開け閉めしてもゆるがない
LEDは明るく指向性が強い。玄関の土間を照らすぐらいは十分だ

 本体の角度が自由に変えられるでの、ちょっと下向きにする。玄関に近づくと、土間の部分を照らしてくれるので、出かける前の支度の際にとても便利だ。点灯時間の10秒が過ぎても、人が入ればすぐにまた点灯するので、実用上の不便はない。

 外出の際に玄関の灯りを消し忘れるというのは、よくやることだが、センサーライトだと、気にせずに外出できるので気分が良い。

 なお、ASL-090は、片手に乗るぐらいの大きさだが、目玉のような外観が印象的だ。明るい場所で見ると、壁から目玉が生えているようでちょっとギョッとする。

 次に、洗面台に近いタイル張りの壁で試してみた。もちろん、そのままで固定できないので、片面が両面テープになっている金属プレートを使った。マグネットフックの固定用に、100円ショップでもよく見かける製品だ。両面テープの強度が心配だったのだが、特に問題なく固定できた。

 ASL-090に付属の金属プレートはネジで止めるタイプなので、タイル壁には向いていない。なお、この製品は浴室では使えない。

付属の固定用プレートはネジで止めるタイプだ。一般的な壁に固定するときはこれを使う
タイル貼りの壁には、両面テープで貼り付ける金属プレートにマグネットで固定した
冷蔵庫の扉にも固定できる

 さらに、キッチンでは冷蔵庫にマグネットで固定してみたが、これも問題なく使えた。夜中にキッチンに入ると、勝手に灯りが点いてくれるので便利だ。

フレキシブルな三脚でアクロバティックな設置

三脚を使ってベランダに固定した。物干し竿にからみついたタコのようだ

 次に、三脚を試すためにベランダに設置してみた。

 ウチのベランダは、なかなかしっかりと固定できるところがないので、三脚がフレキシブルであることを利用して、物干し竿に巻きつけて固定してみた。意外としっかり固定できる。

 本体を窓の方に向けて設置して、人がベランダに出ようとすると足元を照らすように配置してみた。何日か使ってみたが、三脚が緩んでくることもないし、本体が防水なので風雨でも問題ない。

 あまりアクロバティックな設置をすると、ベランダから落ちる心配があるが、設置場所に配慮すれば、屋外のベランダでも十分に使えることがわかった。

センサーライトが置けるところを広げる製品

 このセンサーライトを試すのに、我が家では家具や棚が少なく、そのまま置いて設置できるような場所が見つからなかった。しかし、マグネットを活用することで、意外なほど多くの場所で簡単に設置できた。

 特に玄関まわりは扉を始めとしてマグネットが使えるスチール製の部品が多く、いろいろな設置方法が考えられる。乾電池式のセンサーライトとしては、LEDも明るく、足元を照らすような用途であれば十分実用になる。

 これまでセンサーライトを設置しようとして、設置方法が見つからなかった人でも、ASL-090なら設置できる場合があると思う。ぜひ、検討されることをオススメしたい。

伊達 浩二