家電製品ミニレビュー

シワ取りと脱臭が簡単にできる衣類スチーマー

パナソニック 衣類スチーマー「NI-FS300」

 毎日着用する衣類は、綿やナイロン、ポリエステル、ウールやシルクなど様々な繊維から作られている。中には、シワがつきやすかったり、ニオイが付いても洗いにくいものもある。そこで使ったのが、パナソニックの衣類スチーマー「NI-FS300」だ。

メーカーパナソニック
製品名衣類スチーマー「NI-FS300」
希望小売価格オープンプライス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格7,534円

 衣類スチーマーは、かけ面から蒸気を発して、衣類のシワを伸ばしたり、ニオイを除去できるというもの。アイロンとの違いは、衣類をハンガーなどに掛けたままスチームをあてられるので、アイロン台やあて布を用意する必要が無く、アイロンよりもよっぽど気軽に使えるという点がメリットだ。

立ち上がりは早い

 NI-FS300の本体サイズは70×150×140mm(幅×奥行き×高さ)とコンパクトで、アイロンよりも小さく感じた。本体重量は約650g。電源コードの長さは約2.5mとたっぷりある。消費電力は600Wだ。

 付属品として、専用スタンドと水を注ぐためのカップが同梱されている。

本体には水を注ぐカップと専用スタンド、説明書が付属する
このように縦に持って使う
かけ面の中央には5つのスチーム孔がある
背面にはタンク内の水の残量が窓越しにわかるようになっている

 使い方は簡単。まず付属のカップを使って、タンクに水を注ぐ。水タンク容量は50mlで、ちょうどカップ1杯分程度になる。水を注いだら、電源ボタンをONにして、余熱を開始。立ち上がりまでのスタンバイ時間は約35秒~40秒で、早い。予熱が終わると、電源ボタン脇のランプの点滅が点灯に切り替わる。

水タンクのキャップは、引っ張ると外れる。シリコンゴムで繋がっているため、うっかり紛失することはない
付属のカップで水を注ぐ
スタンバイOKになると、ランプが点灯する
ハンドルの内側に、スチームボタンを搭載する

 まずはシワのばし機能をチェックしよう。最初に試したのは、シワが付きやすい綿のハンカチだ。かけ面を衣類に向けて、ハンドル内側のスチームボタンを押す。スチームはボタンを押している間に放出される。ジュワッという音と共に、白い蒸気が立ち昇る。生地から2、3cm浮かせて、スチームを全体にまんべんなくあてる。最後に生地を上下左右にひっぱると、簡単にシワがとれてふんわりとした風合いに仕上がった。所要時間は50秒~60秒ほどで、あっという間だ。

スチームをまんべんなくあてる
Before。引き出しにしまっている間に、シワがついてしまったが……
After。スチームをあてて生地を手で伸ばしただけで、ふんわりとした風合いに仕上がった

 さらにガンコなシワを退治する時は、アイロン感覚で、かけ面を直接生地にあてる。かけ面はふっくらと丸みを帯び、生地の上を滑らせやすい。

かけ面を直接あてる
ガンコなシワの付いた綿素材のハンカチ
アイロンほどシワは取りきれなかったが、ものの数十秒でここまできれいになった

 立体的に裁断されたスカートやカットソーは、スチームをあてる場所にあわせてかけ面を押し当てたり、少し離したり調節して、本来のシルエットを活かしながら、あっという間にシワ取りできる。

ギャザー加工のあるスカート
スチームをあてる場所によって、かけ面を押し当てたり、少し離したり調節できるので、本体のシルエットの良さを残しながら、シワをとれる
数十秒で簡単にシワがとれた

 注意したいのは、衣類の素材だ。綿や麻、ポリエステルやレーヨンといった素材はかけ面を直接衣類にあてても大丈夫だが、ベロアやウールおよびカシミヤ、シルクは、変色や縮みを防ぐため、かけ面を浮かせて使う必要がある。

スチームによる脱臭効果も見逃せない

ニット素材を脱臭できる

 もう1つ、見逃してはならないのは、スチームの脱臭効果だ。冬場は、マフラーやニット、ダウンジャケットなど、洗いにくい衣類を着ることが多いが、仕事後にタバコや煙の多い飲食店に行くと、臭いが移って嫌な思いをすることがある。NI-FS300なら帰宅後や外出前にササッとスチームをかけるだけで衣類や布製バッグを脱臭できるのが便利だ。

 煙臭かったニットや薄手のダウンジャケットは、スチームをあててから臭いをかぐと、ほとんど気にならなくなった。いずれも、生地から少し離してスチームをあてるのが、生地のふんわり感をキープするコツだ。

 ただし、真冬用の超厚手のダウンジャケットは、なんとなく煙臭さが残ってしまった。こうした素材はクリーニングのプロにお任せするしかないだろう。

薄手のダウンジャケットもしっかり脱臭
残念ながら分厚いダウンジャケットは、臭いを軽減できたものの、完全にはカットできず。クリーニング行きに

 気になる点としては、続けて何枚もスチームをあてていると、スチームボタンを押す指が疲れ、本体を持ち上げる腕も疲れたことだ。見た目はコンパクトだが、本体重量が650gというのは、ずっと持ち上げるには重たい。

 満水状態で、シャツ3、4枚を一度にスチームできるので、お出かけ前や帰宅後に、その日に着る(or 着た)衣類だけササッとシワのばしと脱臭するのにちょうど良い。

Tシャツの右側だけスチームをあてた。左側に比べてシワが取れているのは明らかだ

 これまで我が家では、アイロンに搭載されたスチーム機能を利用してきたが、スチーム中に水がポタポタと滴るのが気になっていた。その点、NI-FS300は水漏れや滴りなどのトラブルはなく、高温のスチームは手や顔に触れず安心して使えた。スチーム専用機って、あると便利だな~と実感した。

 アイロン台などを用意する必要が無いので、アイロンよりも手軽に使えるし、壁にかけたままスチームできるので場所も取らない。1枚あたりの所要時間は約1分と早い。

 なお、同じパナソニックの衣類スチーマーの新製品として「NI-FS350」が4月下旬に発売になる。こちらは、かけ面がアイロンのようにフラットになっているため、ワイシャツの襟元やパンツの折り目をしっかりと出せるという。かっちりとした雰囲気がお好みの方は、選択肢に入れてみてはいかがだろうか。

 よりきれいにシワをのばして、生地のパリッとした感じを出したい時にはアイロンがベストだと思うが、今回使用したNI-FS300は、ふんわりとした衣類本来の質感を楽しみたい方や、アイロンがけは面倒だが簡単に衣類のシワを取りたい方にオススメしたい。

小林 樹