家電製品ミニレビュー

酸化を抑えて鮮度長もち! 真空ブレンダーなら作りおきでもフレッシュスムージーが楽しめる

 野菜や果物でつくるスムージーは、手っ取り早く栄養が摂れるとして、健康志向の高い人たちの間で定着しつつある感がある。まだ作ったことはないけれど、始めてみたいという人も多いのではないだろうか。

 スムージーづくりに必要なものといえば、ミキサーだ。ひとくちにミキサーと言っても、機能やサイズは様々あるが、手軽に始めたいなら1~2人分用のコンパクトサイズが扱いやすい。置き場所に困らないし、サッと作ってそのまま飲め、洗いやすいなどのメリットがある。

 そんなパーソナルサイズのミキサーの中から今回は、真空状態で撹拌したり、保存できるミキサーを紹介しよう。日立のパーソナルブレンダー「VEGEE(ベジー) HX-C2000」だ。

野菜や果物の栄養がたっぷり摂れるスムージーは、真空状態で作ったほうが栄養価も高い?
日立のパーソナルブレンダー「VEGEE HX-C2000」
メーカー名日立コンシューマ・マーケティング
製品名パーソナルブレンダー VEGEE HX-C2000
価格(編集部調べ)7,530円

真空状態で撹拌するから酸化しづらい!

 このミキサーが発売されると聞き、一瞬で「使ってみたい!」と思った。というのもかつて、他メーカーの真空ミキサーを使ったことがあり、真空の良さを存分に体感しているからだ。そのミキサーはファミリー用のサイズだったが、これは1~2人ぶんのパーソナルサイズだ。

 真空の良さとはずばり、酸化を防げるということ。通常ミキサーを使うと、撹拌する際に酸素が多く取り込まれるため野菜や果物の酸化が進み、栄養価が落ちたり、色が変わったりしてしまう。しかし真空状態で撹拌すれば酸素に触れにくくなるため、酸化を抑えることができるのだ。

 その製品は電動で空気を排出して真空状態をつくっていたが、このミキサーはボトルの上部に取り付けた真空ポンプを最大15回押すことで、内部が約0.8気圧の真空環境になり、泡立ちや分離を抑えたり、変色や酸化を抑えるなどして、鮮度が保てるという。

真空状態を作る真空ポンプ。ボトルに取り付けて使う
カッターには非対称チタンコーティング刃を採用している

 しかし本当にこれで真空状態になっているのだろうか。そこでマシュマロをボトルに入れ、実験してみることにした。気圧が下がると、逆にマシュマロの中の圧が高くなり、膨張する、というものだ。

マシュマロで真空状態を確認

 少々分かりにくいが、真空ポンプを押すと少しずつマシュマロが膨張し、真空状態を解除するとヒュッと小さくなった。たった15プッシュではあるが、確実に内部の気圧は下がり、真空状態に近づいているようだ。

 本当に真空状態になることがわかったところで、さっそく同梱のレシピブックの中から、ブルーベリーとオレンジを使った「アイイロスムージー」を作ってみることにした。ブルーベリーにはご存じ、アントシアニンが含まれており、眼精疲労の回復などの効果が期待できる。

レシピブックには、15のレシピが搭載されている
オレンジは薄皮のまま、約1~2センチ角にカットする
やわらかいものから順にボトルに入れる
ボトル上部に取り付けた真空ポンプを15回プッシュ
本体にセットし、フラッシュボタンを50秒押して撹拌する
あっという間に撹拌された
ブルーベリーの色味が強いスムージーができた

 見た目はブルーベリーに押されて紫がかっているが、味はオレンジが強い。材料が材料だけに、美味しく飲むことができた。

 しかしこれだけでは、本当に真空の恩恵をあづかっていたのか分かりにくい。そこで、自宅にあった普通のミキサーでも同量のスムージーを作ってみた。いざ比較してみると違いは歴然!

左が真空、右が通常のミキサーで作ったスムージー。右のほうが明らかに泡立って白くなっている

 この後、2時間ほど放置しておいたところ、色の違いはさらに広がった。普通のミキサーで作ったスムージーは茶色く濁って、とても飲めそうには見えなかったが、真空で作ったものは作ったときに近い色をキープしていたのだ。この色の変化は、栄養価に比例していることは間違いないだろう。

栄養たっぷりスムージーをいろいろ作ってみた

 真空のメリットをしっかり確認したところで、ほかのスムージーも作ってみることにした。まずは「グリーンスムージー」。材料はキャベツ、ほうれん草、きゅうり、リンゴ、はちみつで、数種類の野菜と果物が同時に摂れる。ほうれん草の色素成分クロロフィルは、抗酸化作用で老化を防ぐといわれている。

材料だけでボトルがいっぱいになった
繊維質が多いため、ドロッとした仕上がり。ちょっと飲みにくそうだ(笑)

 見るからに栄養満点な感じだが、肝心の味はというと、とにかくきゅうりの味が強い。何しろ丸ごと1本入っているのだから当然だろう。はちみつを多めに入れると、もう少しフルーティーに飲めるかもしれない。

 続いて、ニンジンとリンゴの「キャロットスムージー」を作ってみた。ニンジンには抗酸化作用のあるカロテンが豊富に含まれ、老化予防を期待できるという。

ニンジン、リンゴをメインに、レモン汁やハチミツで味を整える程度
今回、氷も入れてみた。コンパクトながら氷も粉砕できるのは便利だ
出来上がり。かなりどろどろに仕上がった
味は、やはりニンジンの風味が強い。ニンジンが苦手な人にはきついかも?

 デザート感覚で飲めるレシピはないか探していたら「キウイとグレフルのさっぱりスムージー」が美味しそうだったので、作ってみた。グレープフルーツやキウイに含まれるビタミンCは美肌、免疫力アップ効果が期待できるという。

材料は至ってシンプルで、キウイとグレープフルーツ、そしてはちみつと水だけ
見た目にも普通に美味しそうなフルーツジュースだ

 グレープフルーツの薄皮をそのまま入れているので、苦みも強いのだが、キウイとグレープフルーツの爽やかな甘酸っぱさがよく合っている。ジュース感覚ではあるが、市販のジュースに比べたら確実に栄養豊富だろう。

 ちなみにブレンダーで作ったスムージーは、別の保存ボトルに移し替え、そのまま飲んだり、持ち運んだり、真空状態で保存することもできる。その場ですべて飲み干さなくても一定の鮮度を保てるのはとても助かる。

保存容器に入れ替え、飲み口付きキャップを付ければそのまま飲める
普通のキャップに付け替えれば持ち運びもOK
真空ポンプで真空状態にすれば、酸化がさらに抑えられる

 問題はお手入れだ。本体ボトルは軽いので洗いやすいが、なんと5つのパーツにパッキンがついていて、これがなかなか取れないのだ。真空状態を作るためには必要なのだと理解しつつも、取り外しに時間がかかってしまった。

付属の清掃ブラシの柄の端を使って取り外す
そもそもピッタリなので、柄の先端すら入る余地がない
外れてしまえば、複雑なパーツはないので洗いやすい

どうせ買うなら真空にできるほうがいい!

 いろいろ作ってみて感じたのは、やっぱり真空はいい! ということだ。一般的なミキサーのように、作った先から変色していくこともないし、そのぶんフレッシュさが保たれているのがよくわかる。

 しかも真空にする工程は簡単だし、パッキン問題を除けば取り扱いもラク。コンパクトなミキサーを買うなら、真空にできるパーソナルブレンダーHX-C2000にしない理由がないのでは? と思うほど気に入ってしまった。野菜スムージーはクセがあるが、栄養不足を補うためにもぜひ採り入れていきたい。

田中 真紀子

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