家電製品ミニレビュー
音、光、アロマの香りで眠りに誘う! 心地よい睡眠をサポートする「Sleepion」
2016年7月19日 07:30
自分の睡眠に問題があると自覚している方は結構多いようです。中でも、なかなか眠れないという悩みはよく聞きます。
そんなある時、オリンピック選手団がよく眠れるように、遠征先に「Sleepion(スリーピオン」というハードウェアを持っていくという記事が目に飛び込んできました。見ればそれはポータブルバッテリーなどでお馴染みの「cheero」ブランドではないですか。ぜひ試してみたいとお願いしたところお借りすることができましたので、その効果などをレポートしたいと思います。
メーカー名 | cheero |
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製品名 | Sleepion(スリーピオン)「CHE-606」 |
実売価格 | 39,744円 |
音楽、光、香りで眠りに導くアイテム
「Sleepion」とは、なかなか眠れないと悩む方むけに開発された、入眠をサポートする製品です。音楽、光、香りの3つを組み合わせて気持ちをリラックスさせ、眠りに導こうというものです。
“睡眠障害の改善”を30年以上研究してきたという大阪府立大学名誉教授・医学博士である清水 教永氏の協力のもと、クラウドファウンディングの「Makuake」をつかって資金を調達、開発されました。
ヒーリングサウンド、アロマ、ゆらぐ炎をスピーカー付きの本体1つで
三日月のような形が特徴の本体は、250×72×120mm(幅×奥行き×高さ)、重さは532g。両端が4Ω5Wのスピーカーになっており、中央にはサウンドを操作するボタン、正面にはアロマオイルを染みこませる、円形の素焼きのセラミック「アロマストーン」を取り付ける場所が設けられています。
さらに裏側には、ろうそくの炎や、月の光をイメージさせるLEDライトが内蔵されており、サウンドの再生と同時に点灯し、ゆったりとゆらぎつづけます。
本体には、自然界にいるような感覚が味わえるヒーリングサウンドが、あらかじめ16曲もセットされています。
サウンドは、世界観ごとにSEA、WOODS、MOON、STREAMの4タイプあり、それぞれさらにSPRING、SUMMER、AUTUMN、WINTERといった季節ごとのアレンジが施されています。
1曲は基本的に同じパターンの繰り返しになりますが、45分再生したあと、自動的に停止します。φ3.5mmステレオミニジャックがあるため、スマートフォン内の曲も流すこともできます。
また、ラベンダー、ヒノキ、ゼラニウムの3種類のアロマオイルと、香りごとに交換可能なアロマストーンが4個付属しているほか、本体底部にお好みで取り付けられるクッション材も用意されています。
アロマオイルは質にこだわっているようで、ラベンダーはブルガリア産の水蒸気蒸留と溶剤抽出(アブソリュート)のブレンドアロマオイル、ヒノキは木曽産、ゼラニウムはエジプト産とフランス・レユニオン産のブレンドアロマオイルとのこと。香りはスピーカーの振動やLED光源の熱によって拡散させるためで、火を使ず、後始末が不要で安心感があります。
「Sleepion」は入眠儀式にぴったりのアイテムだった
使い方は簡単です。ベッドサイドにSleepionを置き、本体を電源に繋ぎます。アロマストーンにアロマオイルを染みこませ、本体のマグネットに取り付け、電源(再生/停止)ボタンを押します。背面のLEDが点灯すると同時に、ヒーリングサウンドが再生されるので、好みのサウンドを選曲したら、あとは布団に入るだけです。
Sleepionの基本的な設置方法は、スピーカーを上向きにした状態ですが、LEDライトが明るいと感じるときは、LEDを伏せた状態でおくこともできます。
最初にSleepionを使ったとき、正直その効果に懐疑的でした。音、光、香りの3つが使えるオールインワンをうたっていますが、別々に用意できるのに、と思いました。しかも、再生したらいきなり眠れました! というような即効性があるわけではないのです。目を閉じてしまえば光は見えませんし、プリセットされているサウンドも、こんなものなのかな、という印象でした。しかし、1週間、2週間と使っているうちに、Sleepionの効果がわかってきました。
ほのかなヒノキの香りに包まれながら、お気に入りのヒーリングサウンドの中で目を閉じ、ゆっくり呼吸をしていると、いつの間にか眠たくなっていきます。
これを毎日繰り返してみたところ、布団に入り、アロマストーンを用意し、ボタンを押して横になると、最後は眠くなるという行動がパターン化してゆきました。
3週目くらいには、寝る前にSleepionのセットをするという行動が当たり前に。「Sleepionをセットするとそのうち眠くなる」というパターンが自分の中にできるので、ボタンを押すころには体が寝るモードになっているのが分かりました。つまりこれは、入眠儀式です。
入眠儀式とは、歯を磨く、パジャマに着替える、アロマを焚くなど、入眠前に無意識に行なっている行動の習慣を指します。入眠儀式を行なうことで、脳を入眠しやすいリラックスした状態できるというメリットがあります。「Sleepion」はそのアイテムになるわけです。
試しに一度無音のまま布団に入ってみたこともありましたが、とても違和感がありました。いつものサウンドがない空間にいると、手持ちぶさた感からスマホを手にしてSNSを見始めたり、余計なことを考えはじめてしまいます。サウンドは侮れないのです。
また、改めてアロマのセットや癒し用のライトを自分で用意するかと考えると、それもNO。もちろん別々に用意できるという方はそれでもいいですが、面倒臭がりには最初から3つセットになっているというのはかなり便利だと分かってきました。
少々かさばりますが、それだけ持っていけば、どこにいってもいつもの入眠儀式ができる。サイトには「睡眠に最適な環境づくりを1分で」とありますが、まさにその通り。ホテルで枕が変わって寝つきにくいことはあっても、Sleepionの再生ボタンを押して目を閉じたら、いつもの寝室に近い感覚を再現できる。スポーツ選手にとって睡眠の質はパフォーマンスに直結します。どこでも同じコンディションを保ちたいから、遠征先にも持っていきたくなるのだと理解できました。
LEDとアロマには改善して欲しいことも
使っていて改善して欲しいと思える部分もいくつかあります。アロマは不要ならアロマオイルを使わなければいいですが、LEDは不要でもオフにできません。部屋は真っ暗な状態がいいという方は、布などをかけておくとよさそうですが、できれば調光可能になると便利です。
アロマストーンも、滴下したアロマオイルを確実に吸い込めるものが欲しくなります。どうしても穴を通って下にこぼれてしまうため、別途小皿を用意しなくてはなりません。使い続けているうちにマグネットがとれてしまったものもありました。アロマオイルは高価なので、1滴残らずキャッチできる形状だといいなと思います。
焦らず使い続けてみて欲しい
藁にもすがる思いの方は、3日くらい使ってみて劇的な変化がないと、諦めてしまうかもしれません。しかし、慌てず焦らず付き合ってみるのがSleepionと仲良くなるコツです。
プリセットされているサウンドは非常に心地いいですし、笑顔を作りながらいやなことを考えられないのと同じで、優しい音楽に意識を向けるのは、余計な思考を停止する効果もあると思います。
同梱されているアロマも、ちゃんと効果が報告されているものです。たとえばラベンダーには鎮静作用があると分かっていますし、ヒノキの香気成分であるセドロールには、鎮静作用だけでなく、副交感神経活動の促進による睡眠改善作用が報告されています。
自分の入眠儀式を確立することは、スムーズな入眠の助けになります。もし今、眠りに入る前の行動がバラバラという方は、「ふとんに入って、枕元のSleepionのボタンを押す」という行動を習慣化してみてください。