家電製品ミニレビュー

アイス専用コースで淹れたアイスコーヒーは、カフェに劣らず美味しかった

 アイスコーヒーが美味しい季節がやってきた。自宅で淹れるコーヒーの豆もアイス用に切り替え、コーヒーメーカーで通常より濃く淹れてから、氷をグラス満タンまで入れたグラスに注いで飲んでいる。コンビニで買うアイスコーヒーと同じ要領だ。

 このときすぐに氷に入れず、冷めてから氷を入れても全然美味しくない。なんというか、コーヒーの香りや風味が落ちて、苦みと酸味ばかりの飲み物になってしまう。やはり淹れたてを間髪入れず冷やすことが、風味豊かなアイスコーヒーを作るコツなのだろう。

 しかし、これから毎日アイスコーヒーを飲むことになるのに、毎度”間髪入れず“など、やっていられない。そこで今回、アイスコーヒー専用コース搭載のコーヒーメーカーを使ってみたのでご紹介したい。

ホットなら最大8杯分ドリップできる、大容量のタイガー魔法瓶「ACE-S080」
メーカー名タイガー魔法瓶
製品名コーヒーメーカー ACE-S080
実売価格9,146円(Amazon価格)

氷の入ったサーバーに直接落とすから超急冷!!

 このコーヒーメーカーは、タイガーの魔法瓶技術を活かした真空ステンレスサーバーを採用している。保温効果が高いため、保温用のヒーターがなくても、温かい状態を長時間キープできるというメリットがある。またヒーターでコーヒーが煮詰まり、風味が落ちることがないというのもいい。

インテリアに合うブラウン系のカラーリング。丸みのある優しいデザインだ
サーバーは、保温・保冷効果が高い真空ステンレス製。魔法瓶メーカーらしさが感じられる
サーバー台がヒーターではないので熱くならず、電気代が抑えられるのも嬉しい

 抽出方法は、「マイコン深蒸しドリップ」&「シャワードリップ」を採用している。最初にお湯をコーヒー粉に少し注ぎ、しっかり蒸らしてうま味を引き出してから、まんべんなくお湯を注ぐシャワードリップで落としていく。

本体のフタは一体型。水タンク側とフィルター側が一度に開ける
この散水板から、まんべんなくお湯が降り注がれるという
フィルターケースに刻まれた深いリブは、ペーパーとの間に空間を作り、コーヒー粉をしっかり膨らませられる
水タンクは取り外しができるので給水しやすい

 そして、このACE-S080の大きな特徴ともいえるのが、「マイルド(ふつう)」と「ストロング(濃い)」のホットコーヒーに加え、アイスコーヒー専用の「アイス」コースを搭載している点。事前にサーバーに氷を入れておくことで、抽出と同時に冷却し、落とし終わったらすぐに、冷え冷えのアイスコーヒーが飲めるというわけだ。

 氷の中に直接落とすため、氷が溶けて薄まらないよう濃いめに入れる必要があるが、水タンクの目盛にはもちろんアイスコーヒー用の目盛線もある。水の量は、ホットコーヒーの約半分だ。

 マイルド、ストロング、アイスにそれぞれ、どのような抽出の違いがあるのかわからない。ただし抽出時間で見ると、マイルドが約6分半~、ストロングが約9分~とストロングがじっくり抽出しているのに対し、アイスは約6分~。水の量が半分ということを考えると、実質マイルドの2倍弱の時間をかけて落としていることになる。

アイスコーヒー専用コースが搭載されている
目盛りもホット、アイスそれぞれある

いつものコーヒー粉でも段違いの美味しさ

 さっそくアイスコーヒーを淹れてみた。とりあえず2杯分入れることにして、サーバーに氷を入れる。氷の量の目安は1杯あたり60gなので、2杯分で120gだ。

使ったコーヒー粉は、いつものアイスブレンド
フィルターケースにペーパーフィルターをセットする
付属の計量スプーンを使ってコーヒー粉を2杯分入れ、上面をならす
水タンクに水を入れる。2人分だとかなり少ない
サーバーに氷を入れてセットする
アイスボタンを押して抽出スタート
「ピーピーピー」と鳴って抽出が完了し,ランプが消えた。時間は6分41秒だ

 思ったより時間がかかったが、フタを開けて中を覗くと、ちょっと氷が残るくらい冷え冷えのアイスコーヒーが出来上がっていた。さっそくグラスに注いで飲んだところ……お! 美味しい!! アイスコーヒー独特の風味と香りを残しつつ、苦みと酸味もしっかり感じられる。いつもと同じお手頃価格のコーヒー粉なのに、いつもの味より断然美味しいのだ。

サーバーのフタを開けて覗いてみると……氷がまだ残っていた
サーバーのレバーを引けば中身が注げる
色の濃い、美味しそうなアイスコーヒーが入りました!!

サーバーの保冷効果もバツグン。午後も冷たく美味しく飲めた

 今までは淹れてから時間をおくと美味しくなくなる、という先入観から、そのときに飲みたいぶんだけ淹れることが多かったが、今度はちょっと多めに、4杯分淹れてみた。待つこと約11分。冷え冷えのところをまずは1杯飲み、そのままサーバーに入れて、午後もう一杯飲んでみた。さすがは魔法瓶サーバー、コーヒーはまだまだ冷たかったし、風味も大きく落ちることなく十分美味しかった。

今度は4杯分なので、コーヒー粉も4杯分。結構多く見える
完成した合図であるピーピー音が鳴ったのは、10分53秒後
直後の温度は、3.1℃と冷えっ冷えだ
4時間後に測ったところ、冷蔵庫に入れなくても7℃と、まだまだ冷たさをキープしていた

 今までアイスコーヒーは、外出先にカフェで購入することが多かった。しかし自宅で美味しいアイスコーヒーが淹れられるようになった今は、朝多めに作って、水筒に入れて持ち歩いている。

 今回はアイスコーヒー機能ばかり言及したが、自宅ではマイルド、ストロングのホットコーヒーもまんべんなく使っている。いずれも言わずもがな美味しいし、真空ステンレスサーバーの保温効果もばっちりだ。と言いつつも、やはりアイスコーヒーが好きという人にこそ、より魅力が伝わる1台だではないだろうか。

やはり保冷効果のあるボトルに入れて、持ち歩きたくなる美味しさ

田中 真紀子