やじうまミニレビュー

目覚めがラク! 寝返りが打ちやすい高反発エアリーマットレス「MAR-SD」

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです

またマットレスの買い換え時期がきた

エアリーマットレス「MAR-SD」セミダブル
メーカー名アイリスオーヤマ
製品名エアリーマットレス 「MAR-SD」セミダブル
購入価格17,800円

 2009年に低反発マットレス、2013年に高反発マットレスと、本誌で2回マットレスのレビューをしました。

 そしてただいま2016年。前回購入したマットレスの反発力が低下し、理想の寝心地と大きくかけ離れてきました。うつぶせに寝たときの浮いているような、支えられているような感覚はすでになく、全体的に柔らかくなったのです。

 湿気のせいと言われることもあり、布団乾燥機も活用しているのですが、購入時のときめきを取り戻すことはもはや不可能のようです。寝起きの感覚にもすっきりしたものがなくなってきました。寝具のエイジングは体のためによくありませんから、これすなわち買い換えです。もう少し長く使えるかなと思っていたのですが、ちょうど3年でした。

 過去2回は、簡単にいうと、柔らかいスポンジから固いスポンジへの買い換えという感じでした。どうせなら今回はもう少し思い切った素材を試してみたいと思っていたところ、今回の製品をクチコミで紹介されました。「アイリスオーヤマ」というメーカー名を聞いてびっくり。私の中では家電製品のイメージが強いのですが、なんと寝具も扱っていたんですね! 買ってみたところ、これがかなり優秀な製品でしたのでご紹介いたします。

「エアロキューブ」採用の高反発三つ折りマットレス

 購入したのは、エアリーマットレス「MAR-SD」(以下、エアリーマットレス)のセミダブル。サイズは約115×198×5cm(幅×奥行き×高さ)、重さは約5.4kgの三つ折りタイプです。

 使い方としては、既存のマットレスの上に乗せて使うことをイメージされているようです。三つ折りなので和室でもOK。たたんで収納できますし、立てて乾かすこともできます。

買い換えるたびに新しい素材を試しています。今回は東洋紡の新素材「エアロキューブ」です
今回も三つ折りタイプをチョイス
セミダブルですが、軽いので立てて乾かすこともできます。

 今回のマットレスの素材は、これまでのとかなり違っています。粗い繊維が絡まり合ったような構造をしていてざっくりと硬く、上に乗って歩くとザクザクともギシギシともいえる音がします。見るからに通気性はよさそうですが、製品の体積の約95%が空気で構成されているとのこと。

 これは芯材の中が空洞だという東洋紡の新素材「エアロキューブ」によるもの。「エアロキューブ」が複雑に絡み合って3次元のスプリング構造を形成しているため、反発力、通気性、耐久性、横になったときの体圧分散性に優れているのが特徴です。

 側生地はリバーシブルで、その肌触りから夏冬どちらでも対応できます。また、側生地を含め中まで水洗いでき、清潔に保てるのもポイントです。

側生地はリバーシブル。こちらはさらりとした夏用
こちらは柔らかい肌触りの冬用

寝返りのしやすいマットレスを探して

 なぜ今回この「エアリーマットレス」の5cm厚で、しかもセミダブルを選んだかというと、“寝返りのしやすさ”を重視したからです。

ひとりですが、思い切ってセミダブルサイズにしてみました。体格のいい方は、もう少し硬い「エアリーマットレス プラス」というラインもあります

 マットレス(敷き布団)を選ぶとき、最初はどうしても手で押したときの感覚で考えがちです。手応えが心地いいのはふんわりと柔らかいとき。しかし、実際大事なのは人が横になったときの状態です。

 横になったときも、体が包み込まれるように沈みこむと、つい心地よく感じてしまいます。しかし、あまり沈みこんでしまうと、熱がこもりやすくなり、ムレて不快な上に、寝返りをするにもパワーが必要になってきます。

 寝返りは、だれもが一晩に20~30回は行なっていること。でもなんとなく転がっているわけではありません。寝返りをうつことで、血液循環のバランスを調整しているだけでなく、寝床内気候、つまりふとんの中の温度や湿度も調整しているのです。ふとんの中のコンディションが体温に影響するのはおわかりの通り。

 しかし、体が沈んでなかなか向きを変えられないと、体に負担がかかって中途覚醒を増やし、深い眠りが得にくいことに。つまり、寝返りのしやすさも快眠のための重要な要素なのです。

 どうせ寝返りをうつなら軽く、コロコロできるほうがいい。そう考えた末に高反発のマットレスを、しかも転がりやすいように、いつもより広めのセミダブルを選んでみたというわけです。特にこれからの時期は暑くなり、手足も存分に伸ばしたくなりますから。

単品使いで問題なし! セミダブルは快適!

 実はエアリーマットレスシリーズの中には、同じ三つ折りタイプでも、そのまま敷いて敷き布団として使えるものもあります。今回選んだのは、既存のマットレスに乗せることを想定したタイプ。

5cm厚の三つ折り

 しかし、私はそのまま敷き布団として単独で使うことをイメージしていました。5cmで乗せてOKなら、硬い床の上でも床まで沈み込むことはないだろうと想像したのです。

 タオル地のボックスシーツをかけて、畳の上に敷いて使ってみましたが、まったく問題ありませんでした。エアリーマットレスの下にもう1枚必要そうな心地悪さもなく、非常に快適です。全体的に浮いているような感覚が味わえるほどの反発力で、横になったとき、腰が畳まで落ちる心配もありません。

中を取り出したところ。外側のカバーだけでなく、中まで丸洗いできるそうです

 「高反発だと腰が痛くなるのでは?」と心配される方もいるかもしれませんが、その心配も不要です。ほんとうにスプリングのような素材で、しかも上を歩くとギシギシと音がするくらいなので、「寝心地もゴワゴワするのでは? 寝返りの際にもうるさいのでは?」と思いましたが、それもありませんでした。寝返るときはほぼ無音なので、睡眠を阻害することもありません。

こちらが中の素材。かなりしっかりした繊維がざっくりと絡まっています
エアリーマットレスの上を歩いてみました

 セミダブルというサイズは人生初。邪魔になるのではと少々不安ではありましたが、寝室に使っている和室に広げたところ、特に違和感はありませんでした。ひとりだからシングルサイズ、という固定観念がありましたが、疲れて横になったときは思い切り大の字になれますし、寝返りを打ったときにふとんの終わりが感じられないというのは、贅沢でうれしくなってしまいます。なぜ今までセミダブルにしなかったのだろう、と後悔するほど快適です。

この寝心地であの価格がうれしい

 就寝時間が日々バラバラなので、エアリーマットレスを使ったから明らかに変わったという変化は見つけにくいのですが、2週間寝続けて感じたのは、目覚めた時にすっきりしていることが多かったことです。

 それまでは目が覚めても体と意識がともにどろ~んとした感じだったのが、ぱちっと目が開く感じ、とでもいいましょうか。睡眠時間が短いときはもちろんそれなりに眠いのですが、キレのいい目覚め方をしている気がします。

 通気性も抜群で、まったくムレを感じません。大量に発汗したであろう日の朝でも、エアリーマットレスのコンディションに変化はないようです。特に暑くなるこれからの時期にはありがたいです。

熱帯夜に備え、エアリーマットレスにはタオル地のボックスシーツをかけ、掛け布団には、麻のカバーをかけた夏用羽毛ぶとんを

 ただし、通気性がいい分、敷きっぱなしにしていると、裏側にカビが発生する怖れもありますので、こまめにチェックしたほうがよさそうです。

 冬はどう感じるかが問題ですが、自分のように直接床に敷くにしても、畳かフローリングかでちょっと違いがでそうな気はします。フローリングの場合、床の冷えを感じる可能性はあるので、1枚薄めのマットレスを追加するといいかもしれません。使わないときは撤去できて、使うときもコンディションにあわせて調整しやすいところが、この手のマットレスのいいところ。

 なにより、この寝心地で、セミダブルサイズを選べる庶民的なお値段が、最大の特徴です。そろそろうちも買い換え? という方は、寝具にこだわってみるのも悪くありません。なお、敷き布団を変えたら、寝姿勢にあわせた枕の調整もお忘れなく。

すずまり