家電レビュー
お湯なしでパスタソース温める「レトルト亭」が一人ご飯に便利!
2024年2月26日 08:05
アピックスインターナショナルが2021年に発売した「レトルト亭 ARM-110」(以下、レトルト亭)は、レトルトカレーなどのパウチ食品を簡単に温められる「レトルト専用調理家電」として、超話題になりました。本体にレトルトパウチをそのままセットしてダイヤルを回すだけで、中身が均等に温まり、簡単に食べごろの温度になります。
レトルト食品を食べる時、それを温めるために鍋でお湯を沸かしたり、お皿にあけて電子レンジでチンするのは、ほんの少しだるい。しかしレトルトパウチのまま、水も鍋もラップも使わずに温められれば、洗い物も少なくて済む。レトルト食品に対して、心の奥底で少し面倒に感じていた部分を解消してくれる家電なわけです。
筆者自身は、レトルト亭の発想に「これは盲点だった……!」と感心しつつ、普段そこまでレトルト食品を多く食べるタイプでもないため、我が家では出番のなさそうな家電だと感じていました。
……が、それも先日までのこと。レトルト亭とは少々距離を取っていた筆者のもとに、衝撃のニュースが飛び込んできたのです。
え? レトルト亭があのピエトロとコラボ?
ご存じない方もいるかもしれないので簡単に紹介すると、ピエトロは、1980年福岡発祥の「洋麺屋」を名乗るレストラン。いわゆるパスタ屋さんなのですが、創業当時としては斬新な明太子や高菜など和の食材を使ったパスタメニューを考案して、人気店となりました。また、同店が開発したサラダ用のドレッシングも一般販売されており、そのおいしさに「野菜嫌いが治るドレッシング」とまで呼ばれています。
実は筆者、実家の冷蔵庫に入っているドレッシングがこれでした。生まれてこのかた神奈川〜東京住まいで、福岡にあるピエトロ本店には行ったことがないのですが、玉ねぎと醤油の風味がきいた生タイプドレッシングの衝撃的なおいしさは、幼少期から筆者の舌に染み込んでいるのです。
今やピエトロの店舗は日本全国にある上、パスタソースはレトルトでも売っていて近所のスーパーで買えるようになっています。「さすがピエトロ、次はどんな一手に出るのかしら……」と思っていた中、レトルト亭ピエトロコラボモデル爆誕のニュースが飛び込んできたわけです。
次の一手がまさかレトルト亭とは。しかもですよ、コラボといえば大体が本体カラーとかデザインの話かと思いきや、なんと「ピエトロのレトルトパスタソース各種をおいしく食べられる最適温度」に自動で温める特別仕様だというではありませんか。
……コラボとはいえ、一般向けの家電がここまで特定のお店特化型で大丈夫なのでしょうか。そもそも、元々のレトルト亭の時点で「レトルトパウチの温めに徹する」という振り切ったコンセプトなのに、そこからさらにピエトロに焦点を絞るというトガり方。
こういうことをされると、愛さずにはいられません。さっそく使ってみましょう。
赤いボディが可愛い! ファン歓喜のピエトロおじさんデザイン
自宅に届いた「レトルト亭 洋麺屋 ピエトロデザイン ARM-110P」(以下、レトルト亭ピエトロデザイン)の箱を開けてみると、まず目に飛び込んできたのは鮮やかな赤いボディ。オリジナルモデルのホワイトと比較してインパクト大です。そして可愛い!
実際にキッチンに置いてみると、ポップアップトースターよりも少し小さいくらいの本体サイズなので、そこまで場所を取らないのが良いですね。我が家では炊飯器の隣に置くことにしました。
確かにおいしい……! お家で手軽にピエトロ
いよいよ、実際にピエトロのパスタソースを温めてみましょう。手順はオリジナルのレトルト亭と同じで、箱から出したレトルトパウチを、そのままレトルト亭ピエトロデザイン本体にセットし、ダイヤルを回すだけ。筆者はパスタの加熱も専用容器でレンチン派なので、全く火を使わずにパスタ1食作れました。
レトルト亭ピエトロデザインの温めモードは、上述の通り3種類。ピエトロおじさんがあしらわれたダイヤルの目盛り上に、可愛いイラストで示されています。いわしマーク=「絶望スパゲティ」、明太子マーク=「博多明太子カルボナーラ」、なすマーク=「なす辛 なすとひき肉の辛味スパゲティ」と、ピエトロパスタソースの種類ごとに最適な温め時間にすぐ合わせられるのです。マジで特化型すぎる。
この3種類の温めモードについては、製造元のアピックスインターナショナルとピエトロが細かい調整を行なったそうです。結果、レトルト亭の仕組みで、ピエトロのパスタソースをおいしく食べられる温度の再現に成功したとか。
実際に温めたソースをパスタにかけて食べてみました。検証のために何度か試してみたのですが、しっかり全体が温まっていて、何度やっても温めムラは感じません。そして何より、ピエトロのレトルトパスタソースがとにかくおいしい!
正直、ただただおいしすぎて、これがピエトロの各種ソースを「最も」おいしく食べられる温度であるかどうかは、もはや判断できません。しかしここで大事なのは、これが紛れもなく「ピエトロ本店のお墨付き」であること。ピエトロが公式に「最もおいしい」と言っている温度を簡単に再現できることが大事なのです。そして、実際においしいから説得力大。というか、筆者もただのパスタ好きとして語彙力が崩壊し、この段落ではおいしいばかり言ってしまい申し訳ありません。でもそれくらいおいしいです。
ちなみにピエトロのパスタソースは、上記の3種類に加え、「お肉好きのあなたのためのボロネーゼ」「魚介のアラビアータ」「蟹と蟹みそのスパゲティ」「贅沢うにクリーム」もラインナップされています。では、これら残り4種類のソースを温める際は、どの目盛りに合わせたら良いのでしょう?
結論としては、全てなすマークに合わせればOKです。超わかりやすい! 逆に言うと、「絶望スパゲティ」と「博多明太子カルボナーラ」の2種類が特別な温め時間になっているということ。レトルト亭ピエトロデザインを使用する場合は、ぜひこの特別な2種類の味を温めて味わってほしいです。
ピエトロ以外のレトルトパウチを温めるには?
ちなみに本製品、「ピエトロ特化型」とお伝えしましたが、レトルトパウチを温めるという仕組み自体はオリジナルのレトルト亭と一緒。確認してみたところ、実はピエトロ以外のレトルトパウチも温めることができるそうです。
あれ? じゃあ普通のレトルト亭と同じように使えるってことじゃん! 実際、ピエトロ以外のレトルトパウチは、148×20×150~170mm(幅×奥行き×高さ)サイズで、内容量100〜300gの製品に対応するそうです。
ただ、ここで注意点が。レトルト亭ピエトロデザインのダイヤルの目盛りは、上述の通り、いわしと明太子となすのマーク。ピエトロ以外の製品を温める場合、どのマークに合わせればいいのかわかりませんよね……?
しかしご安心を! 取扱説明書にちゃんと書いてありました。オリジナルモデルの目盛りで言うと、イワシ=小盛(130〜179g)、明太子=普通(180〜259g)、なす=大盛(260〜300g)に対応するそう。例えば、一般的なレトルトカレーは1食180gのものが多いので、明太子マークに合わせて温めます。小盛以下(100〜129g)の製品は、パイロットランプにダイヤルを合わせればいいのも同じ。なので、温めたいレトルトパウチの容量を確認して、該当する目盛りのマークに合わせればOKです。
実際にカレーやおかゆなど、ピエトロ以外のレトルトパウチを温めてみましたが、いずれもムラなく温めることができ、おいしく食べられました。慣れないうちは、マークと内容量を照らし合わせる必要がありますが、そこまで致命的な手間ではありません。オリジナルのレトルト亭とほとんど同じように使えると考えると、より購入意欲が高まってきますね。
お手軽一人ご飯にぴったり
最後に、レトルト亭シリーズの注意点として、レトルトパウチは1袋ずつしか温められません。なので2人分以上を一気に温めたい場合は、従来通り鍋でお湯を沸かしたり、中身をお皿にあけてレンチンした方が、同時に温め上がるので早いです。
レトルト亭シリーズが活躍するのは、自宅で一人ご飯を簡単にすませたい時など、一人分のレトルトパウチを温めるシーン。一人暮らしの人はもちろん、テレワークの自宅ランチなんかで、一人でレトルト食品をよく食べる人には便利さが実感できる家電です。この辺りの利便性はオリジナルモデルと同じなので、詳細はレビューをご確認ください。
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ちなみにレトルト亭ピエトロデザインは、3月10日までMakuakeで先行販売を行なっています。一般販売価格は7,700円ですが、Makuakeでは「絶望スパゲティ」などのパスタソースが付いて8,600円といったセットメニューが用意されています。
2月15日時点でMakuakeの目標達成率が500%を超えていて、さすがピエトロ! やっぱりみんな好きなんですね。というわけでこの赤いレトルト亭、ピエトロファンの方はもちろん、お家でおいしいパスタを手軽に食べたい方も要チェックです。