家電レビュー

バイクやクルマの「バッテリー上がり」を防ぐアイテムを使ってみた

休日ライダーは冬場のバッテリー上がりが心配

筆者は休日にバイクに乗ります(自転車ではなくモーターサイクルのほう)。休日ライダーで、ちょっとしたツーリングをしますが、秋頃は最高の季節だと感じます。寒くも暑くもなく、風景もキレイ。

しかし秋が終わると不安な季節になります。それは寒くてバイクに乗らなくなるから。結果、バッテリー上がりを起こしがち。なので、「バッテリーを充電するためだけの走行」をしたりします。半月に1度くらいでしょうか。

ただ、夏などはその頻度でも問題なくバッテリー上がりを防げますが、冬場だと半月に1度だとやや厳しい。エンジンスタート時にかかりが悪くなってしまいます。

休日ライダーの知人に訊くと「冬に1カ月乗らなかったらセルが回りにくくてエンジンがかからなくなった」「12月から1月まで乗らなかったらセルさえ回らなくなった」と同様の声が。バイクによってはエンジンを切っているときでも電力を消費する車両がありますので、やはり冬場のバッテリー上がりは休日ライダー共通の心配だと思います。

そこで「バッテリー上がりを防いでくれる」というアイテムを買ってみました。セルスター「バッテリー充電器 DRC-300AMZ」という製品。Amazon.co.jp限定販売品となっていて、値段は4,784円でした。

セルスター「バッテリー充電器 DRC-300AMZ」は、コンセント(家屋壁などのACアウトレット)とバイクやクルマのバッテリーを接続し、バッテリーを満充電にしてくれる機器です
バッテリーにつなぎっぱなしにしておけば、バッテリーをつねに最適なコンディションに保ってくれるようです
同梱物一式。本体、クリップコード(自動車などに使用)、丸端子コード(スクーターやバイクなどに使用)、取扱説明書です
本体からは2本のケーブルが伸びています
本体には設定スイッチと6つのLEDインジケーターがあります
こちらをコンセントにつなぎます
こちらは同梱のクリップコードや丸端子コードにつなぎます。先端はSAE規格のSAE端子と呼ばれるコネクターのようです

どんなふうに使う? つなぎっぱなしでもOK?

セルスター「バッテリー充電器 DRC-300AMZ」の説明書によると、本機でのバッテリー充電は以下のような流れです。

まずバッテリーが充電を受け入れられるか診断します。次にバッテリー電圧が低下し過ぎている場合はパルス充電をしてバッテリーの状態を向上させます。その後にバルク充電(定電流)を行なって80%まで充電。さらにアブソプション充電(定電圧)を行なって95%から満充電まで充電。

その後にアフター充電を行ない、バッテリーをテスト。バッテリー電圧を監視し、電圧が低下した場合に補充電を行ないます。そしてまた15日間隔でバッテリーの補充電を行なう、となっています。

製品の使い方

なんだか複雑ですが、実際の使い方は簡単です。充電器をバッテリーにつないでコンセントに接続したら、バッテリー容量に合った充電モードを選ぶ程度です。その後バッテリーが自動的に満充電になりますので、その時点で本機を外してもいいですし、そのままつなぎっぱなしにしてバッテリーの満充電状態を保ってもOK。ほぼ全部充電器任せでいいというイメージで使えます。

クリップコードの端子と本体側の端子をつなぎます
こんな感じで容易に接続完了
クリップコードはバッテリーの端子に容易にアクセスできるクルマなどで使います。クリップで端子を挟むだけ
丸端子コードも同様につなぐことができます
丸端子コードはバッテリーにアクセスしにくいスクーターなどバイクに使います。バッテリーの端子にあらかじめ丸端子コードをねじ止めしておいて、充電時に丸端子コードのコネクターと本体のコネクターをつないで使います。充電が完了したらコネクターを外し、バイク側のケーブルをバイク車体に適宜収納します

ポータブル電源と組み合わせてバイクを充電!

筆者の場合、バイクを置いているガレージにはコンセントがありません。なのでポータブル電源を使うことにしました。

使ったポータブル電源は、EcoFlowの「DELTA 2」です。大容量で高出力のポータブル電源で、コンセントも備えています。

それでは以下に実際の作業を紹介します。バイクのバッテリーへの丸端子コード接続や、ポータブル電源との接続、実際の充電の様子などを写真とともにご覧ください。

筆者のバイクはこんなガレージに置いています。ただしガレージにはコンセントがありません。そこでポータブル電源EcoFlow「DELTA 2」をコンセント代わりに使うことにしました
車体はヤマハ「SEROW 250(セロー250)」ですが、このバイクはバッテリー(赤矢印)にアクセスしにくいです。アクセスするにはサイドカバーやシートを取り外す必要があります。充電のたびにこれをするのは大変なので、あらかじめセルスター「バッテリー充電器 DRC-300AMZ」付属の丸端子コードをつないでおくというわけです
バッテリー周辺はケーブルなどで高密度。仮にアクセスしやすいとしても、端子に「バッテリー充電器 DRC-300AMZ」付属のクリップコードをつなぐのは現実的ではありません。やはり丸端子コードをつなぐしかなさそう
丸端子コードをつなぎました。バッテリー端子のネジを外して締める程度の作業ですが、バッテリーに対する作業は手順や注意点が少なくありませんので、自信がなければバイク屋さんに依頼するなどしたほうがいいでしょう
丸端子コードの端にあるコネクターはカバー下から外に出しました。キャップ付きですが、防水性能は期待できなさそう。近いうちに防水のSAE端子ケーブルと交換しようと思います
コンセント代わりに使うポータブル電源EcoFlow「DELTA 2」本体。バッテリー容量1,024Whのポータブル電源で、1,500Wの高出力。一般的な家電製品の90%以上を動かすことが可能です
後方には6口ものコンセントがあります。複数のバイクと複数のクルマを同時に充電するようなこともできます(台数分の充電器が必要ですが)
ポータブル電源EcoFlow「DELTA 2」は専用スマートフォンアプリで動作状態をモニターしたり、細かな設定をすることが可能です(BluetoothやWi-Fiを使用)。たとえばコンセントからの出力が使われていない場合、何時間で出力を完全に停止するかを設定可能。常時稼働に設定すれば、家屋のコンセントと同様に「いつでもAC電源供給が可能」になります
バイクの外に引き出した丸端子コード端コネクターに、充電器から伸びるコネクターを接続します
ポータブル電源の電源をオンにし、充電器のACケーブルをポータブル電源につなぎます。これで充電器が機能し始めます
充電器は、まずバイクのバッテリーの状態を表示します。これは「要補充電」状態。バッテリー残量がちょっと減っている感じですね
続いて、充電モードと充電する電流値を指定。これは「ノーマルモード」充電で、電流値「1.5A」です。これらの設定は充電するバッテリーの状態や容量や気温によって変わってきます
数時間充電を行ない、充電器をいったんオフにし、再度オンして、バイクのバッテリーの状態を表示させてみました。満充電になっています

以上のように、ポータブル電源と組み合わせて使えました。なお、写真では最後に充電器をオフにしていますが、その直前の充電器は自動的に維持充電(フロート充電・サイクル充電)の動作状態に入っていました。満充電後は、満充電を維持する充電モードに入るというわけですね。

なので、最初に充電モードと充電する電流値を指定したら、あとは放ったらかしでもOKというわけです。放ったらかしが心配なら、充電器のACケーブルをコンセントから抜いて電源をオフにしましょう。

ちなみに初めてこの充電器を使った日は、寒い曇天の日。ガレージ内も寒く、バイクのエンジンを始動しようとしたら、セルは回りましたが回転が弱いようでなかなかエンジンがかかりませんでした(正直けっこう焦りました)。数度セルを回したらどうにかエンジンがかかりました。バッテリーの電圧低下と低気温が影響したようです。

その後、前出の作業をしつつ記事用の写真を撮るなどして、そのバッテリーを充電。数時間充電して満充電状態になったあと、試しにエンジンをかけてみたら、力強いセル回転音とともに一発でエンジンがかかりました。

当然のことではありますが、やはりバッテリーの状態は大切ですね。とくに今時のFI(Fuel Injection/フューエルインジェクション)エンジンは、バッテリーが完全に上がったら手も足も出ません。日頃からバッテリーを健全に保つには、こういった充電アイテムは手軽で便利と思いますので、興味があればぜひチェックしてみてください。

スタパ齋藤