e-bike日々徒然

e-bike充電に重宝しているポタ電 防災防犯の「安心感」も学んできた

e-bikeの充電に重宝しているポータブル電源

2018年にスタートしたe-bike Watch。自宅や社内に複数台の車体が保管されることはよくあります。メーカーからは満充電状態でお借りしているため、基本的に充電の心配は不要です。ただし、数日走る場合には充電が必要となります。できるだけ迷惑にならない(目立たない)場所で充電となると、電源自体が少ないケースもしばしば。この数年ポータブル電源が進化したおかげで、移動中には車内でも充電できますし、かなりラクになりました。

自宅ではエコフローの「EcoFlow RIVER 2 Pro」を愛用しています。e-bikeを複数台充電するならもっと大容量のDELTAシリーズを使ったらいいんじゃない? と思われるかもしれませんが、ロケやイベント終了後には複数台の車体や機材をクルマ(ハイエース)に乗せたまま最終的には1人になるケースが中心です。重量のあるe-bikeを複数台乗せ下ろしに、そこに20kg以上のポータブル電源は無理。いつか腰をいわしてしまいます。

e-bike Watchのイベントではポータブル電源などの最新アウトドア家電のタッチ&トライコーナーもあります
そのため機材が増えてしますのですが、ポータブル電源は現地でも活躍します

充電を忘れない前提で、現実的なモデルとして「EcoFlow RIVER 2 Pro」を選びました。720Whなのでいま日本で主流の500Whバッテリーを充電できる。ポータブル電源本体自体の充電が早いため、複数台の充電もしやすい。ボッシュ製の最新バッテリーは750Whですが、おそらく車体サイズがあるためこれ以上の大きさは登場しないはず。ほぼ充電できるはずですし、何より本体重量が約7.8kg。重いと感じる人も多いでしょうが、日々20kg超えのe-bikeをハイエースに乗せ下ろししていると軽く感じます(笑)。もう少し充電面を強化したいなら、もう1台同じモデルを購入すれば両手で2台運べますし、なんならソーラーパネルを追加するか? という感じで大容量モデルの購入は考えていない現状です。

自宅に2台、社内に1台のe-bikeがありますが、充電スタイルが変わりました。最初の写真のように狭い室内でもポータブル電源があればサッと充電できます。玄関前にも1台置いていますが、こちらのモデルはバッテリー着脱できるものの意外と面倒。そんな場合も車体ではなくポータブル電源を持って行けば充電もスムーズです。着脱のストレスがかなり減りました。バッテリーを外したり、充電場所までの車体持ち運び、延長ケーブルを活用するなどの手間が省けるのは本当に便利です。住まいによってはスムーズに充電できるオーナーさんもいると思いますが、年中いろいろなe-bikeの充電が必要な私には欠かせない存在です。

室内に入れるのに苦労する場合もラクラク充電

アウトドアの趣味をはじめ、防災対策としてポータブル電源をお使いの読者のみなさんも多いでしょう。私の場合はe-bikeが目的でポータブル電源を活用するようになりました。実際には出番がないのが一番ですが、防災面でこそ真価を発揮してくれます。3月9日~10日に開催された「豊洲防災Festiv@l2024(豊洲防災フェスティバル)」に行ってきました。

防災備蓄品は①水②食料③電源

湾岸地域および高層マンションエリアにおける防災への意識がテーマで、「アイドルマスター ミリオンライブ!」をメインアンバサダーに迎えており、来場者が楽しみながら防災対策を考えるイベントでした。3・11が目前で、能登半島地震のこともあり、聞きたくない人がいるかもしれない重ためテーマのトークも開催されました。

「アイドルマスター ミリオンライブ!」がメインアンバサダー。ファンも集まり防災を学ぶ機会に
最新の仮設トイレなども展示。被災時に限らずイベントなどでも活躍する仮設トイレも、設置が当たり前になると不満が増えるという

能登半島地震でポータブル電源・ソーラーパネルを緊急支援したエコフローは、防災士・和田隆昌氏とのトークイベントを開催。本イベントのトークステージ電源をまかなっていました。

エコフローのトークステージ
防災士・和田隆昌氏
2日間のステージイベントはすべてエコフローの電力で実施

防災士・和田氏によると、現在の防災での備蓄品は水、食料、電源の3つが大切だと語っていました。水と食料は生きるために欠かせませんが、現代では「電源」が何よりも大切。今回の能登半島地震では、衛星通信サービス「スターリンク」が一部で提供され、効果を発揮したニュースをご覧になった人も多いと思いますが、スマホが充電できなければ位置情報や最新の情報収集、通話などができません。日頃から水や食料の備蓄は意識があるものの、電源の備蓄が必要とのことです。

エコフローなど各メーカーが被災地の停電した公共施設や避難所にポータブル電源を提供しました。それによってスマホの充電、ライトやヒーターなどを活用できたそうです。和田氏は2019年の房総半島台風の現地を訪れた際にスマホ充電の行列を目の当たりにしており、例えば豊洲のような高層マンションには常に電源の備蓄は必要だと語っています。

能登半島支援に送られるポータブル電源など(写真はエコフロー提供)
災害支援隊もサポート(写真はエコフロー提供)
日頃からの電源の備蓄は大切(写真はエコフロー提供)

ポータブル電源は「防犯」にも力を発揮。明かりの重要性

各地の被災地を見てきた和田氏は、震災時の停電エリアは「想像以上の怖さ」とも語っていました。

2011年の東日本大震災は前職で撮影中でした。すべての交通機関がストップし、私は銀座のオフィスから約15km歩いて帰りました。幸いなことに震災での経験はそれだけです。その際にも真っ暗闇は経験していません。

被災地の停電エリアは本当に「真っ暗」だそうです。言葉では表せない暗さは体験しないと分からないとも語っていました。被災後にそんな状況に置かれると精神的に不安定になります。電源があってスマホを充電できれば通話もでき、最新の災害情報も得られます。

また、イベントでのトークステージで多くの参加者があらためて驚いて納得していたのが「防犯」について。周辺が真っ暗闇で商品やコンビニなども店舗がままならない状況となり、被災者たちの一部には生きるためなら盗難してもいいという「変な常識」が起きてしまうそうです。これまでにも被災地での暗闇を利用したニュースを耳にしてきました。しかし、明かりがあれば、そうしたことを防ぐことに繋がるそうです。

被災地の電源は防犯にも効果があるという

災害大国の日本では、いつ明日は我が身になるかわかりません。日頃からポータブル電源も活用していますが、いまの自分に「ちょうど良い」サイズを選んでいたのかなと思います。もし被災した際にも持ち運べる可能性は高いですし、落ち着いたら取りに戻ることもできます。いずれにせよ、ずっとこのまま「備え」だけで趣味や生活に役立ってくれることを願うだけです。

ズボラな私はe-bikeの充電以外は、ロケや出張前に忘れ物をしないように前日の夜にまとめて1カ所で充電。こんな感じでポータブル電源は備えの安心感の日々を送りたいです
清水英行