家電製品レビュー

赤外線リモコン対応の家電を、まとめてスマホアプリで操作「eRemote 5」は迷わず買い!

eRemote 5

もう家の中にいくつのリモコンがあるのか分からない。家には家電製品が溢れ、その多くがリモコンに対応している。家電 Watchでは、IoTやスマートハウスなどを紹介し、Wi-Fi内蔵の家電製品の新製品情報を掲載している。でも現実は、そうそう新製品に買い替えていけるものでもない。

そこで以前から導入したいと思っていたのが、スマートリモコン。エアコンや照明など赤外線リモコン対応の自宅の家電を、専用のスマホアプリや音声で操作できるようにするものだ。

同様のスマートリモコンは、いくつものメーカーから発売されているが、今回は温湿度センサーを搭載した、リンクジャパンの「eRemote 5」を使ってみた。

メーカー名LinkJapan
製品名eRemote 5
実売価格6,800円
赤外線リモコン対応の家電製品をアプリで操作可能にするスマートリモコン
本体の裏面。大きさは手のひらに乗るサイズ
給電用のUSB端子とリセットボタン
同梱の充電用USBケーブルには温湿度センサーが搭載されている

リモコンレスポンスが爆速!

まずはeRemote 5を自宅の無線LAN(Wi-Fi)に接続する。スマートフォンに専用アプリ「HomeLink」をインストールし、設置したeRemote 5との接続設定を行なう。アプリの指示に従って行なったが、問題もなくスムーズに設定が完了した。(接続できるWi-Fiが2.4GHz帯という点だけ注意。5GHz帯は非対応)

その後は、アプリでコントロールしたい家電製品を登録していく。我が家では、テレビのリモコンや、シーリングライト(リビングとダイニングの各1台)、それにエアコン、扇風機などを登録した。

詳細な登録方法は後述するとして、登録しながら各製品をアプリで操作してみた。

驚いたのが、レスポンスの速さだ。

例えばアプリで、エアコンや扇風機などの電源ボタンを押すと、ほとんど押したと同時に「ピッ!」と各家電から音がなり、稼働しはじめる。言い過ぎなのだが……アプリをタップしたのと、家電から音が鳴るのとで、どっちが速かったか? と思うほどに速い。

アプリで操作すると瞬時に家電が反応してくれる

この家電の反応速度に関しては、導入前に一番心配していることだった。実は4〜5年前に、同様のスマートリモコンを導入したことがあった。その時は、例えばテレビの電源ボタンを押すと……すぐにはつかないのでしばらく待つ……それでもONにならず数秒待つ……そろそろ諦めてテレビのリモコンで操作しようか迷い始めるころに……テレビの電源がONになる。そのくらい数年前のスマートリモコンは、反応が悪かった。はっきりいうと……使い物にならなかった。

その点、レスポンスについては、eRemote 5は合格……というか、予想を遥かに上回る速さだ。

ということでeRemote 5を導入して以来、エアコンや扇風機など、専用リモコンで操作しようと思うことが激減した。

eRemote 5に登録しておけば、純正リモコンはほとんど不要

各家電製品の登録方法

eRemote 5での各家電製品の登録方法を説明しておこう。

まずアプリ「HomeLink」のホーム画面を開く。このホーム画面に、登録したすべての家電製品のアイコンが並んでいる。新たに登録したい場合は「+」ボタンを押す。すると「デバイスの追加」画面へ移る。

まず今回の「eRemote 5」を接続するのだが、前述したとおり、これらLinkJapan製品の接続については、スムーズに設定できるはずだ。

家電製品を登録する場合は、「家電の追加」ボタンをタップする。追加したい家電製品のカテゴリーを選ぶ。テレビやエアコン、照明、扇風機については、それぞれのアイコンが用意されているので、適宜のアイコンをタップして設定に進む。

例えば「エアコン」を設定してみよう。アプリの「家電の追加」画面で「エアコン」を選ぶと、ずらりと14メーカーの名前が並ぶ。その中から部屋にあるエアコンのメーカー名を選ぶ。うちは「三菱電機」製なので「三菱電機」を選ぶ。

エアコンのリモコンを登録する際は、ホーム画面の「+」アイコンをタップし、「デバイスの追加」画面で「家電の追加」を押す
次の画面で「エアコン」をタップし、使っているエアコンのメーカーを選ぶ

すると……家電が反応したら「OK」をタッチしてください。……と表示される。「スタート」をタップすると、アプリが自動でエアコンの「電源」ボタンを押した。実際のエアコンの電源がONになった場合は……「OK このリモコンを使用」をタップする。次のアプリ画面では、名称や部屋を決める。例えば筆者宅の場合は「エアコン」「リビング」とした後に「次へ」を押す。すると、アプリのホーム画面に、いま設定した「エアコン」のアイコンが新たに追加される。

もし実際のリモコンに、アプリの画面には無いボタンがある場合には……アプリ画面の「+」を押す。アプリに「リモコンをeRemote 5に向けて 学習したいボタンを押してください」と表示される。実際のリモコンをeRemote 5に向けて、学習させたいボタンを押す……eRemote 5が学習するとアプリ画面が切り替わり……「ボタンの名前を入力してください」と表示される。それを繰り返していくと、リアルなリモコンで操作できることを、アプリでも再現できるようになる。

「テレビ」のリモコンをアプリに設定するのも、「エアコン」同様だ。設定を開始すると、メーカーを選択する画面に移る。12メーカーが並んでいるので、国内で購入したテレビについては、ほぼ網羅されているだろう。登録したら、改めてアプリのリモコン操作で、テレビが正確に作動するかを確認していく。うまく作動しないボタンがあれば、エアコンのリモコンボタンを手動で設定したときと同様に、一つ一つ設定していく。

テレビのリモコンを登録する際は、ホーム画面の「+」アイコンをタップし、「デバイスの追加」画面で「家電の追加」を押す
次の画面で「テレビ」をタップし、使っているテレビのメーカーを選ぶ

「照明」と「扇風機」については、それぞれリモコンボタンの基本的なテンプレートが用意されている。メーカーを選択するのではなく、それぞれのボタンを手動で設定していく必要がある。

「照明」と「扇風機」のテンプレート。それぞれのボタンを手動で学習させていく必要がある
それぞれを設定した後の画面。設定前に薄字だったのがクッキリとした文字になる。ダイソン製のように温風機能があったり、例えばイオン機能がある扇風機でも、手動で様々な機能のボタンを追加できる

複数家電製品を一括操作できる「スマート」機能

自宅の家電製品を、eRemote 5とアプリ「HomeLink」で制御できるようになった。これだけでもかなり便利だ。だが、「スマート」機能を使うと、さらに便利になる。

「スマート」機能の中でも、筆者が多用しているのが「シーン」機能だ。例えば「おやすみ」という「シーン」を設定する。筆者の場合は、「おやすみ」ボタンを押すだけで、リビングとダイニングの照明、それにONになっているテレビの電源が、一斉にOFFになるようにしている。

「おやすみ」としているが、就寝前はもちろん外出前にも使っている。このシステムの導入前は、毎朝、テレビの電源をOFFにして、リビングとダイニングの照明の壁スイッチをパチッパチッと押す必要があった。今は「さぁ寝よう」とか「さぁ出かけよう!」と寝室や玄関へ向かって歩きながら、アプリ「HomeLink」を開いて「おやすみ」ボタンを押すだけでいい。

こうした機能は便利だが、設定が難しいのでは? と思うかもしれない。実際に設定してみると簡単だ。まずはホーム画面の下部にある「スマート」をタップし、「シーン」画面へと移る。まだシーン設定されていない「いってきます」ボタンを設定してみる。「いってきます」ボタンを押した場合に、どんな家電を、どう操作したいかを設定する。例えば「和室の照明」を消したい場合は……「実行動作を追加」をタップする。次の画面では、登録されている家電製品のリストが一覧になっている。その中から「和室の照明」を選ぶ。すると「和室の照明」のリモコン画面が現れるので、「OFF」ボタンをタップする。するとシーン「いってきます」に「和室の照明をOFFにする」という項目が追加される。さらに同じ要領で「実行動作を追加」していく。

必要な家電操作をすべて追加したら、最後に「保存」をタップ。すると「スマート」画面に、「いってきます」ボタンが出来上がる。なお「いってきます」や「おやすみ」などの名前変更も可能だ。

スマート画面の「シーン」を開く。未設定の「いってきます」をタップ
「実行動作を追加」を押し、「和室の照明」など動作させたい家電を選ぶ
「いってきます」ボタンを押した時に、「和室の照明」を「OFF」にしたい場合は「OFF」ボタンを選択する。シーン画面に切り替わるので、さらに「実行動作を追加」していく
すべての設定を終えたら「保存」。これでスマート画面で「いってきます」を押せば、複数の家電製品が瞬時に操作される

そのほかにもスマート機能には「連動」というのがある。

例えば、これからの寒い季節であれば、ユーザーが任意の場所に「入る」または「出る」と、エアコンの暖房が「ON」になって、帰宅時には部屋がポカポカに温められている……そんなふうにも簡単に設定できる。(筆者は現在、ほぼリモートワークで自宅に居るので、このGPS機能は未使用)

またeRemote 5には、温湿度センサーが搭載されている。そのため「連動」機能で、例えば温度が「20℃に下がったらエアコンの暖房をONにする」とか、湿度が「●%にまで下がって部屋が乾燥したら、加湿器をONにする」などといった設定も行なえる。

筆者が便利に感じているのは、Google アシスタントやAmazon Alexaに対応した、スマートスピーカーと連携させる機能。筆者宅は、両方とも使っているが、今回はAmazon Alexaと連携させてみた。

連携させると「アレクサ……テレビを2チャンネルにして」とか「アレクサ……エアコンをONにして」などと操作できるのでおすすめだ。

かなり自宅がスマートになった!

これまで自宅でスマート家電と呼べるものは、電球1つのみ。あとはGoogleのスマートスピーカーと連携させた液晶テレビは、音声操作可能だった。だが、液晶テレビを音声操作できるだけでも、かなりの利便性を感じていた。

そこで、様々な家電製品をスマート化したいと、常々考えていた。そこで使ってみたのが、今回の「eRemote 5」だった。

導入後は、テレビはもちろん、エアコン、照明(シーリングライト)、季節によっては扇風機のアプリでの操作が可能になった。

ちょっとしたことで言えば、外出しようと玄関まで行ったり、寝ようと寝室で寝転んだところで……「あっ、リビングの電気を消してないじゃん」ということがよくあった。面倒くさいなぁと思いながら、リビングの照明を消しに行ったものだ。

eRemote 5を導入後は、そうした場合でもアプリで操作するだけ。それが解消されただけでも、導入した甲斐があったというものだ。

また、レスポンスが爆速というのも、かなり嬉しい。いまこの瞬間に手元に無いリモコンを探すよりも、アプリで操作した方が断然速い。

欲を言えば……テレビのリモコン登録を、もっと正確にしてもらいたいなぁと。筆者宅はブラビアを使っているが、登録は「ソニー」というメーカー名をザックリと指定するだけだからか、適切に設定できないボタンも少なくない。電源/入力切替/音量/CH(チャンネル)などは問題なく動作する一方で、ホーム/番組表など使えないボタンもある。手動で設定もできるのだが……複数ボタンの登録は面倒でもある。

また、これはeRemote 5のせいではないのだが、筆者宅には他社製のスマート電球と、スマートロック(玄関のドア鍵)を使っている。これら他社の製品も、一つのアプリで操作できるようになれば、もっと便利になるのにと思う。

とはいえ前述した通りeRemote 5の導入で、我が家のスマート化が一気に進んだ。導入コストも安い割に満足感が高く、嬉しい限りだ。

河原塚 英信