家電製品レビュー

【ぷーこのe-bike沼】旅行や自転車通勤などオールマイティに大活躍のヤマハ「YPJ-TC」

新型コロナの影響で「電車に乗りたくない!」から始まったe-bike生活。通勤に使いたいと考えていただけのはずが、どっぷりどっぷりハマって、遊びだろうが旅行だろうが、自転車で行く前提でいろいろ考えてしまっている私。この頃なんて「旅行先でe-bikeに乗れるように、夫婦のバイク2台乗せられるクルマが欲しい」と、完全にエスカレートしている(笑)。これが沼ってヤツですね……。恐ろしい! そして、まだまだ知らないe-bikeの世界。今回はヤマハのYPJ-TCを体験でーす!

完成度高い! 全部自前のオールマイティモデル

ヤマハの何が凄いって、すべてが自前の点。フレームだってドライブユニットだって全部作れてしまうから、他所のパーツに合わせて設計を諦めたりする必要がない。パフォーマンスやデザインに合わせて、ベストな方向に調整できる内製ってやっぱり強いし凄いなぁと思った。そして、そう思わせてくれたバイクの一体感というか完成度。

シルエットでも伝わるめっちゃ格好いいYPJ-TC
メーカー名ヤマハ
製品名YPJ-TC
実売価格300,000円

「快適性・実用性・そして多様性を備えた快適オールマイティモデル」と銘打つだけあって、ライトやサイドスタンド、リアキャリアにフェンダーまでデフォルトで搭載されている。車体を買えば後は他に何も買う必要がなく、日常の通勤だろうとe-bike旅だろうと、どこにでも行けてしまう全部入りという感じ! 最初から全部付いているからか、車体のわりにハンドル周りもキュッとコンパクトに纏まっていて、非常に操作しやすい。小柄(身長159cm)な私でも扱いやすいし、大柄(身長185cm)な夫も快適だと言っていたので、夫婦で共有するにも良いモデルなのかもしれない。

コンパクトにギュッと詰まったハンドル周りが使いやすい
リアキャリアまでデフォルト装備だよ
夜道も充電なしにピカピカありがたい!
夫が気に入って連れ出した! 体格が違う夫婦でもお互い快適な作り

以前書いた「夏休みだってe-bike!! 夫婦で往復150kmのグランピング旅へ」で、私が使用していたのもこのYPJ-TCだ。36V/13.3Ahの大容量バッテリーで、1日中走ってもバッテリーが切れる心配もない。プラスエコモードで237km、常にハイモードを使っても91km走れる安心感。

超満喫した夏休み旅の相棒はこのYPJ-TC

コンパクトマルチファンクションメーターには、USBポートが付いているので、大容量バッテリーから充電もできて、1日サイクリングで出かけていてもスマホの充電切れなども心配いらない。と言いつつ、最初勘違いしてUSB Type-Cケーブル持って出たら合わなかった、micro USB Type-Bだよ(笑)。

バッテリーから充電もできるの嬉しい!
小さくても視覚的に見やすいコンパクトマルチファンクションメーター

ヤマハ独自のドライブユニット「PWseries SE」のアシスト力は、パワフルかつ繊細な感じ。グッと踏み込むとしっかりと進んでくれる。細い道を止まるほどゆっくり走ろうとしても、そのスピードでアシストしてくれてグラつかず安定して超低速でも走れる。まるで自分の手足のように自由自在に操れる。長時間走っても全然疲れが来なくて、超人になった気持ちにすらなる(笑)。

そして、いつものごとく、私は常にハイモードで全力でアシストしてもらってガンガン進もう派であります。アシスト力だけじゃなく、フロントサスペンションが衝撃をバッチリ吸収してくれるから長距離を走っても疲れにくいのかもしれない。とにかく快適な走りで、「楽しい~!」と思わず声を出してしまう乗り心地なのだ。最高に楽しい!

サスペンションがめっちゃ滑らかに衝撃を和らげてくれる

初めてフロントギアのあるe-bikeに乗ったのだけれど、こちらは私全然使いこなせなかった。どんなタイミングでどう使って良いのか、これはもっと自転車をしっかり乗りこなせるようになったらわかるようになるのだろうか。快適アシストに頼って何も不便を感じない私に使いこなせる日はもしかして来ないのかもしれない(笑)。

フロントギア、違いはわかるけれど上手に使いこなせない!(初心者)

最高に楽しかったe-bike旅。バイクは格好いいし、全然疲れないし片道75kmとか漕いでもへっちゃらの元気さ。私は普段家庭菜園で体動かすくらいで、それ以外はほぼ運動もしていない40代女性だ。この快適さと楽しさは一体なんだろう。もうこれに乗ればどこにでも行けるんじゃないかと錯覚に襲われる。時間さえ取れたら、きっと日本一周だって笑ってできてしまうんじゃないだろうか。なぁんてすぐ調子に乗ってしまう私だけれど、それくらい調子に乗らせてくれるYPJ-TC!

何度も見返しちゃうe-bike旅写真。YPJ-TCじゃないと行けなかったのかも!

走るのが楽しくて寄り道が楽しい

もちろん日々の通勤使いにもバッチリ。家から職場までの距離は6km程度。あっという間に着いちゃうので「もう少し漕ぎたい!」と仕事サボってもっと走りたくなる困りものだ(笑)。3月から自転車通勤を始めたけれど、緊急事態宣言解除後から徐々に自転車通勤してる人が増えたなぁと体感する。「これを機に自転車乗り始めました」というよりも、結構ベテランというか、通勤で使っていたかはわからないけれど、もともと自転車乗ってました! って感じの方が多い私の通勤路。

やっぱり操作しやすい! しっかり走れてもっと走りたい

世の中こんなにも自転車を愛し乗りこなす人が多いのかと知って驚いたのだけれど、通勤で結構なライダーと共に走りながら、友達でもないのに私の心の中では非常に親近感と一体感を覚えて楽しい。まぁ、みなさまベテランだけあって速いし身のこなしも格好いい! それでもYPJ-TCもなかなか速いので、鍛えていない私でも結構ついて走れちゃうので、凄い子だなぁと再認識しながら、朝の通勤タイムが毎日イベントのような気分で楽しかった! まさか「勤務先がもう少し遠かったらよかったのに……」なぁんて考える日が来るとは思わなかった(笑)。

自転車通勤、帰るのも忘れて楽しいよ。本気でオススメ!

仕事前は仕方ないけれど、帰りは時間を気にせずフラッと寄り道しながら帰る。普段通らなかった小道に入ってみたり、遠回りしたり。ある日、この道を右折したらもうすぐ家ってタイミングで、渡るべき方向が赤信号だったので、そのまま直進して次信号が変わったら渡って引き返そう。なんて漕いでたら奇跡的にずっと青信号続きで、5kmほど進んじゃった時はモーゼになったような気分になった(笑)。「信号がずっと青だったからなかなか家に帰れなかった」と話すと「意味分からないけれど、何か分かる」と夫がめっちゃ笑ってた。

e-bikeに乗り始める前までは、家の近所も半径数百メートルくらいの買い物圏内と、後は駅方向に駅周辺ばかり。そんな決まった方向にしか行ったことがなく、反対方向の近所なんてまったく知らなかった。家で何気なく見ていたテレビ番組で、お取り寄せの人気商品みたいな物を紹介していて、なんと工場が家から結構近いところにあった。ぜんっぜん知らなかったよ、そんな場所! 工場内でも販売しているそうで、早速e-bikeで行ってみた! 2km程度とかなり近く「へぇー! こんなところに!?」と驚いた。途中にある飲食店とかも「うわー! ここは美味しそう。今度行ってみよう!」とか、家の近所なのに初めて見る物ばかり。何年も住んでるのにまったく知らない自分が住んでいる街。

家の近所にこんなところが!?
屋外の広い休憩所がご時世にも自転車にも嬉しい

このお茶屋さんみたいな素敵なお店は区が運営しているのだろうか。地元特産品みたいな物を売ってたり、夏場はかき氷やソフトクリームなんかも! お店の外にたくさんベンチもあって喉を潤すのに最高だった! 冬はおぜんざいとかあるのかな? また寄りたい♪ ロングライドもめっちゃ楽しいけれど、ご近所探索も発見がたくさんあって面白い。いくら近所といっても、私は目的もなく4kmとか散歩しないだろうし、やっぱりe-bike最高だ!

お気に入りの景色。遠くにスカイツリー見える

目的を決めないフラフラ散策ライドは本当に楽しい。家から10km弱の場所。知らない小道を入って行ったら行き止まりだった。行き止まりなので引き返そうかなとしたけれど、なんだか厳かな雰囲気が漂う。なんだろうと思って近寄ってみると「宮内庁? 鴨場!?」となんだか凄そう!!! 帰ってから調べてみると、伝統的鴨猟が行なわれている宮内庁管轄の施設で、賓客の接待の場にもなるし、凄い数の渡り鳥が越冬のために飛来したりもするそうな。そして、天皇陛下が皇后様にプロポーズした場所でもあったとか、情報量凄すぎてびっくりした! e-bike1台で広がる世界が壮大すぎる。旅行も良いけど、ご近所散策もまた楽しい。

フラフラしていると思わぬところにも出くわす!

まとめ

通勤からロングライドに、ちょっとしたお散歩まで。もうオールマイティに快適サイクリングができるYPJ-TCは、ヤマハの総合力! って感じで非常に満足度が高いe-bikeだった。私みたいなライトユーザーには言語化できる専門知識や特別なこだわりがないぶん、決して安くはないe-bikeに対して、結構無茶な期待と高性能を求めがちだと思う。知らないからこその無茶振りってヤツだ(笑)。YPJ-TCはそんな私のような人にも「e-bikeって凄いね! 良いね!」と期待を裏切らないe-bikeだと思った。e-bikeってやっぱり面白いー!!!(深い沼へと続く……)。

期待を裏切らない楽しさがこのバイクに詰まってる!

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。