家電製品レビュー
【ぷーこのe-bike沼】クロスバイクタイプのe-bikeを初体験!! ミヤタ「CRUISE 5080」
2020年7月16日 07:30
自転車というものに興味の欠片もなかった私。新型コロナウイルスをきっかけに自転車通勤を始めたいとe-bikeに興味を持ち、「まったく分からない!」という初心者の私をe-bike Watch編集部がプロデュースしてくれたことから始まった企画の第3弾!! いきなり「何この楽しさ!」と、交通手段としてだけじゃなくて、e-bikeのおもしろさに完全に目覚めて、現在進行形でズブズブとこの楽しいe-bike沼に沈んでいっている私。今回はどんな出会いになることか……。
初心者にも乗りやすいクロスバイクタイプのミヤタ「CRUISE 5080」
今回ご対面したのは、クロスバイクタイプのe-bikeのミヤタ「CRUISE(クルーズ) 5080」。ドライブユニットにはシマノSTEPS「E5080シリーズ」を採用。シマノの最小ドライブユニットで非常にコンパクト。車体重量は18.6kg、価格も199,000円という、ダブルで20を下回るモデルだ。
メーカー名 | ミヤタサイクル |
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製品名 | CRUISE(クルーズ) 5080 |
実売価格 | 199,000円 |
コンパクトなドライブユニットといっても、結構バッチリパワフルな走りをしてくれるe-bikeである。カラーはこの派手目な「ハーフマットミントグリーン」のほか、「ハーフマットホワイト」と「ハーフマットブラック」の3種類。尖った特徴があるデザインではなく、むしろスマートな「THE自転車」といった感じ。車輪も大きく、通勤通学はもちろん、ちょっとしたサイクリングにも快適だ。
サドルもクッション性バッチリで優しい形状だし、地味に便利なのがサークルロック。昔から見慣れた感じの安心感と使いやすさ。そして、この鍵はバッテリー脱着時の鍵と共用で使い勝手が非常に良い。でもやっぱり不安だからチェーンロックもちゃんとするけれど。また、サークルロックと共用の鍵をバッテリーに挿して捻ると、簡単にバッテリーを取り外して充電できる。フックのように手に引っかけて取り外せるので、重たい大容量リチウムバッテリーでも落とす心配もないのが嬉しい。か弱いアピールじゃないけれど、バッテリーを取り外す時に手を滑らせてドンって落としそうで無駄にちょっと緊張するので、この余裕感は嬉しい。
縦長の液晶サイクルコンピューターは、アシストモードやスピードのほかに、残りの走行など様々な情報を表示してくれる。もちろん時計も表示できるので、通勤通学には時計表示が便利。本体下部に付いているボタンは、電源とメニューとライト。左ハンドル横の操作スイッチはシンプルに上下ボタンのみ。アシスト力もメニュー画面もこの上下ボタンでコントロールするのだ。
これはまるで絹のような走り!!
さてさて、レッツサイクリング。ママチャリ出身の私にとっては乗るところから新鮮。後方に思いっきり足を蹴り上げると、気持ちも上がる。「颯爽と乗る」イメージだったけれど、そこまで颯爽としていない気がするのはご愛敬(笑)。
漕ぎ出しは、そこまで強いグッとくるアシスト感はない。自分のペダルを漕ぐ力に対して、今まで乗ったe-bikeが2倍近くのアシスト力があったとすると、こちらは体感的に自分の力よりやや強めのアシスト力といった感じ。まるで自分の力だけで漕いでいるような錯覚に陥るというか、自分の能力が上がったような勘違いをしてしまうような非常に自然な力。なのでe-bikeに乗っていることをつい忘れそうだ。
「ちょっとアシスト物足りないかな?」と思いきや、あまりにスムーズに滑るように走る。私がキャッチフレーズを付けるとしたら、「まるで絹のような走り」だなって思った。本当に滑らかに滑るように走るのだ。「おや? あんまり助けられてる気がしなかったけどこんなにスピード出てる!?」とちょっと驚く。片道25分くらいの距離だったけれど、このCRUISE 5080で通勤すると、特に意識せずに20分とかで着いちゃうのだ。早い! この子走れる!! 地面にピタッと張り付いて走る感じで安定感も抜群。良いクルマに乗って高速道路を走った時に感じるあの安定感だ。あまりにもスイーッと走るので気付けばスピード出しちゃう! 高まる気持ちを抑え気味に走る感じ。もう結構病みつきになる走りだ。
通勤だけじゃなく在宅勤務の日も仕事終了後、「ちょっと軽く散歩行ってくるー!」なぁんて飛び出して行ってた。川沿いを軽く走ってスッキリして帰る軽いお散歩なのだけれど、この滑らかな走りに心もなんだか穏やかで滑らかになって最高の気分転換だ。ライトも標準で搭載されているのでボタン1つで点灯できて夜間も安心。ただそこまで光度は高くないので、夜しっかり走りたい人は追加のライトを装着してもいいのかなって思った。
通勤だけじゃもったいない。もう少し走りたくなる
あまりにもスムースにスイーッて走るもんだから、もっともっと走りたい!! って気持ちが湧いてくる。通勤だけじゃちょっと物足りない気分になるのだ。自分が走れる人になった気分で、完全に調子に乗っているのだ(笑)。休みの日を前に「もう少し遠くまで行っちゃおうかな」という気分。通勤だけじゃもったいない。
とはいえ、もともとほとんど運動もしない体なので軽い不安も。しかも私はかなりの方向音痴。冒険すぎる冒険の旅はちょっと不安だ。ということで選んだのは、家から15kmほどの場所に借りている趣味の畑までの交通手段だ。毎週末クルマで通っている畑だったら迷う心配はないし、往復30kmだったら、私にもちょうど良いサイクリングの旅になるのではないだろうか!!
必要な荷物はすべてリュックに入れて背負って行く。熱中症予防にも水はしっかりと持って行かなきゃ。タオルもいるな。畑仕事用に手袋を入れて、ちょっとした収穫物も持ち帰られるようにビニール袋と……。と、準備していたらリュックがそこそこいっぱいになる。長靴は荷物になるので諦めた。リアキャリアを付けたらサイドバッグで荷物もたっぷり運べるから、ちょっとした遠出にも便利そうだ。そして、この時期忘れちゃいけないのが日焼け止め! しっかりミッチリ塗っていざ冒険気分で出発!
何度も何度も通ってめっちゃ知っている道のはずなのに、クルマで通るのと違って目に入るものが違うのか非常に新鮮。「こんなお店あるのか! 今度行ってみよう」なぁんて気づきも多い。そして、風切る感じがとても気持ちいい。グングン進む感じに最高にテンションが上がる。
私が走る道の途中に大きなサイクリングロードへの入り口があるせいか、途中で結構たくさんのライダーの方に遭遇した。というか、グングン抜かされた(笑)。「か、かっこいいー!」と、後ろ姿を見守りながら、あのジャージ格好いい! とか、あんな備品あるんだ? とか、完全にリサーチしている私がいる。そして、私はマイペースにスイスイ。大きなリュックを背負っていると結構背中が蒸れて暑いので、やっぱり自転車漕ぐ時は荷物は最小限が良さそう。
でもまったく疲れないまま「あれ? もう少しで着いちゃう!」とビックリするほど順調だ。10kmを超えた頃からお尻と掌の付け根あたりがちょっぴり痛くなってきたので、「あぁ、長時間漕ごうとすると、ここらへんから疲れや痛みが出てくるものなのか」と知った。最初から無謀な距離を設定しなくて良かった(笑)。
畑まではクルマだと30~40分程度かかるので、慌てず自転車で行ったら1時間半くらいかなぁと思っていたけれど、50分程度で到着してビックリ!! クルマだと確かにいつも渋滞する箇所があるので、渋滞にハマらない自転車と大きく時間が変わらないのか! と素直に驚いた。
そして、もっと驚いたのは到着した後。普通の自転車って、走っている間はいいけれど、止まった瞬間に汗が吹き出したりする。それがまったくないのだ。きっと自分で漕いだ気になってはいるけれど、しっかりアシストしてもらっているからだろう。通勤・通学で使う時、特に夏場はかなり重要なポイントとなりそう。e-bikeだと汗が噴き出さないぞー! でも、スイスイ走れるもんでつい調子に乗って漕ぎすぎちゃうと、汗も吹き出すので、ペースが大事。
e-bikeでちょっと遠くまで乗ってみて、「結構楽勝じゃん!」という感想。むしろもう少し遠くまで走りたーい。というか、畑仕事という別イベントを合わせちゃダメだ。移動手段じゃなくてサイクリングを目的にしないと、どうしても荷物問題が発生する。帰りには収穫したネギをリュックに刺してすごい様相になってしまった(笑)。でも全然走れるので、リアキャリアがあればもうバッチリ解決しそうではある。
e-bikeに乗って学んだこと
そんな概ね大満足なCRUISE 5080旅でも2つほどトラブルというか学びがあった。
細い道を徐行でゆっくり走りながら、歩行者とすれ違う時にいったん止まって譲ってから走り出そうとすると、まったく漕ぎ出すことができなかったのだ。そう、そこはかなり急勾配の坂道。寄り添うような優しいアシスト力と私のひ弱な力では、坂道スタートダッシュが切れなかったのだ。
仕方なく諦めてその坂道を50mほど押しながら歩いたのだけれど、そこで私は初めて気付いたのだ。「ギアチェンジの重要性」である。今までe-bikeのアシスト力に助けられて難なく乗れていたけれど、お恥ずかしながらなぜ自転車に何段ものギアが付いているのかも深く考えてもいなかったし、頻繁に切り替えることもしていなかった。
普段走るのが平地ということもあるけれど、ギアチェンジなんてほとんどしてなかった。「私は5」とか「夫は7」とか、個人に最適で走りやすい重さがあるくらいに考えていた私。信号などで止まる前にギアを下げて、次にスタートしやすい重さに調整する。そして、走り出して徐々にギアを上げていく。遠い昔に運転してたマニュアル車を思い出しながら、雷に打たれたような驚きを感じた! 「ギ、ギアー!」って思わず叫んじゃった(笑)。
知っている人には当たり前だろうの話で、こんなことを書いているのもとても恥ずかしいのだけれど、こうして少しずつ自転車と仲良くなる感じも非常に楽しい。そこからずっと「ギアチェンジ」を頭の片隅に入れて癖を付けるべく日々鍛錬。「やべー、乗りやすい!」と絹の走りがパワーアップしてウキウキしちゃった。
もう1つの学びというかトラブルは、自転車走行時にも危険があることを再認識して、めっちゃ考えるようになったこと。畑からの帰り道、2車線と自転車用表示のあるそこそこ大きめな道路をスイスイ快適に走っていた。その日はクルマも少なめで、同じ方向に走るクルマが丁度途切れていたのも、さらに運が悪かったのかもしれない。歩車分離信号に差しかかった時、車道は青信号でそのまま渡ろうとしたすると、対向車線から右折しようとしたクルマにめっちゃくちゃクラクション鳴らされて、もう心臓が飛び出る程バクバクして頭が真っ白に。
交差点に入る直前だったので急ブレーキで止めた。声は聞こえないけれど、右折しながら車内からものすごく怒鳴っている姿も見える。怖くて怖くて、とりあえず歩道に自転車を押して上がり、その後変わった歩行者用の信号を押しながら渡ったのだけれど、しばらく心臓がバクバクして落ち着かなかった。ひたすら怖かったし、落ち込んだし、帰ってから道路交通法とか再度おさらいしたり。
結論として「間違えてはいなかったけれど、命あってこそ」だと無理やり納得し(絶対に運転手が悪いと思うのだけど)、今後は歩車分離信号時は、クルマの流れに乗っていなければ歩行者として歩いて渡ろうと思った私。そして自転車に乗るって、この楽しさだけでなく危険に遭遇する可能性もあるんだなぁと実感したので、後日自転車保険も見直して、ロードサービスも付いている手厚い保険に入り直した。もうno e-bike,no life.くらいにどっぷりハマっちゃったので、ここはしっかりと安心感も手に入れたい。自転車保険は心のアシスト力だー!