家電製品レビュー
スマホで適正ブラッシング時間や交換時期も分かる、フィリップス電動歯ブラシの進化を実感
2020年7月7日 08:00
力を入れずに歯ブラシを小刻みに動かしつつ、ブラシを歯の適切な場所へあてて、歯を1~2本ずつ丁寧に磨いていく……そんな正しい歯磨きを、毎回行なうのはとても難しい。
手でブラッシングするのに比べて、電動歯ブラシが優れているのは、ブラシが小刻みに動いて歯を磨ける点。電源を入れたら、毛先を当てる場所と力を入れすぎないこと、全ての歯と歯間にあたるよう、ブラシの位置をズラしていけば良いだけとなる。
そこで筆者は、ここ10年ほどは、電動歯ブラシを使っている。電動ではない歯ブラシを使うのは、旅行や出張に、電動歯ブラシを持っていかなかった時だけだ。
中でも使用期間が長いのが、フィリップス「ソニッケアー」シリーズ。そして今回、Bluetoothでスマホと連携する新モデル「ダイヤモンドクリーン 9000」を使ってみた。
メーカー名 | フィリップス |
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製品名 | ソニッケアー ダイヤモンドクリーン 9000「HX9911」 |
実売価格(編集部調べ) | 24,400円 |
同モデルは、最上位「プレミアムシリーズ」2機の中のエントリーモデルという位置づけ。1分間に約20,000~40,000回振動し、歯に当てながら動かすだけでブラッシングができるのは、同社の他モデルとほぼ同じ。
ブラッシングモードは、「クリーン/ホワイトプラス/ガムヘルス/ディープクリーンプラス」の4モードに加えて、「舌磨き」モードを備えている。
クリーンモードは、歯垢を落とす標準的なモード。ホワイトプラスは、歯の表面の着色汚れに対応し、ガムヘルスモードは、歯垢を落としたあとに歯と歯茎の境目に優しい刺激を与える動きをする。最後にディープクリーンプラスは、歯茎に心地良い刺激を与えながら歯垢を落としてくれるという。
各モードには、あらかじめ設定されたブラッシング時間がある(2分~3分20秒)。数十秒間隔でビープ音が鳴るのに合わせて、ブラッシングするエリアを変えていくと、それぞれの目的に適した歯磨きができる。
その他に舌磨きモードが選べるが、これは別売りの「舌磨きブラシヘッド」を使うべきモード。
ブラッシングモードのほかに、3段階で振動の強さを調整できる。ブラッシングモードに合わせて、メーカー推奨の強さ設定があるものの、歯を磨きながら「ちょっと振動が強い/弱いな」と感じたら、磨きながら調整できる。
舌磨きモード以外の全てを使ってみたが、単に全体を磨けるクリーンモードを多用している。標準モードなので、一本一本の歯に、各2秒ずつブラシをあてるように意識しながら、歯磨きすればよい。全て磨き終えるのに2分で済む。
一方で、ホワイトプラスモードとガムヘルスモードは、全体を磨いたあとに、また前歯エリアをブラッシングして仕上げるというモード。前者のブラッシング時間が2分40秒で、後者が3分20秒かかる。
気ぜわしい朝の出かける前はクリーンモードを使い、寝る前にはホワイトプラスモードやガムヘルスモードを使うというのが良さそうだ。
マイクロチップ内蔵のブラシヘッドを接続すると、本体のハンドル部がブラシヘッドの種類を認識する点も特徴だ。ブラシヘッドに最適なモードと強さに自動的に設定される。
例えば、付属の「プレミアムクリーン ブラシヘッド」を例にすれば、メーカーのお勧めモードが「クリーン」もしくは「ディープクリーンプラス」モードで、強さが「強」となっている。
筆者の場合は、モードに関しては問題ないが、「強」については強すぎるように感じたので、「中」を好んで使っている。
ちなみにモードと強さの変更は、本体に2つ並ぶボタンの下の方のボタンを押す。モードの切り替えは、電源が入っていない時にボタンを押し、強さについては電源が入っている状態でボタンを押す。強さは「強/中/弱」の3段階で調節可能だ。
歯磨きの強さやリズムが分かりやすくなるアプリ連携
電動に限らず歯を磨く時に、テレビや雑誌を見ながら磨くことも多い。そうした“ながら磨き”で気をつけたいのが、歯の磨きすぎだ。特に電動歯ブラシは、磨けば磨くほど歯がツルッツルになり、単に電動歯ブラシを持っているだけでラクなので、ついつい時間を気にせず磨いてしまう。
だが、磨き過ぎは、歯にダメージを与えかねないので気をつけたいところ。そうした傾向がある人にお勧めしたいのが、スマホアプリとの連動機能だ。
アプリをダウンロードし、アプリの指示通りに連携させれば、ペアリングも簡単に行なえる。あとは、使用前にアプリを立ち上げ、電動歯ブラシを充電コップから外して電源を入れれば、アプリの画面が自動で切り替わる。
アプリ画面では丸い図が表示され、設定したブラッシングモードごとの、適正時間をカウントダウンしてくれる。歯の表面と裏面と上下の6エリアに分割され、それぞれにどのくらいの時間で磨けば良いのかが分かりやすく表示される。
1エリアの時間配分が終了したところで本体の振動が一瞬変化して、ビーッと、次のエリアのブラッシングするよう促してくれる。
アプリの円をグルっと1周したところで、ブラッシングが完了するように歯を磨くと、最適な時間で歯磨きが終了したことになる。
アプリがなくても本体の振動で知らせてくれるが、アプリを見つめながら歯を磨くと、よりブラッシングに集中できて良い気がする。
また、使っているブラシヘッドの交換時期をカウントしてくれるのも便利だ。歯ブラシは、使い続けるうちにブラシの先端がすり減り、歯磨きの効果が薄れていく消耗品だ。アプリで買い替え時期を知らせてくれるのは、とても便利だと感じた。時期が分かるだけでなく、どの歯ブラシを使用しているかも記録されているので、Amazonや家電量販店のオンラインストアですぐに発注できるようリンクが貼ってあるのも便利だ。
様々なブラシが用意されているのがソニッケアーを使う利点
2週間使い続けると、途中から歯がツルツルになっていることに気がつく。これは、微振動が可能な点もあるが、歯ブラシが優れているうえに“新しい”から、というのが大きな理由だろう。
そのため、歯のツルツル度合いが今ひとつだなぁと感じるソニッケアーユーザーは、基本的なことだが、歯ブラシを新しいものに変えてほしい。それだけで、ツルツル度が大幅に改善するはずだ。
そのソニッケアー用のブラシは、様々な種類が用意されている。フィリップスのカタログを見ると、キッズ向けと舌磨き用を加えて10種類がラインナップされている。
それぞれ歯垢やステイン除去、歯ぐきケアなどの目的が書かれている。ただし、この中から、自分に合ったブラシを見つけるのはかなり難しい。
特に公式Webサイトを見ると、上記10種類のほかにもラインナップがあるんじゃないかと思われるほど、替え歯ブラシが並んでいて……正直、どれにすればよいか途方にくれてしまった。
ざっくりとした違いは、歯垢除去/歯ぐきケア/ステイン除去などの目的、それにブラシヘッドの大きさと、ブラシヘッド認識機能に対応しているか否か。
ブラシの大きさは分かりやすい。例えばソニッケアー本体を購入すると付属しているのが「レギュラーサイズ」。中でも今回の「ダイヤモンドクリーン 9000」に付属するのは、「プレミアムクリーン ブラシヘッド レギュラー」だ。
同ブラシで、歯がツルツルになるのは間違いない。ただ、おそらく口の大きさが、日本人の標準的なサイズであろう筆者には、付属のブラシヘッドは大き過ぎるように感じている。
その思いが強くなるのが、上奥歯の内側を磨こうとした時だ。しっかりと磨こうとすると、ブラシの先端が喉元……まではいかないが、口の奥を刺激して、気持ち悪くなる。
そこで筆者は、いつもブラシヘッドが小さめのブラシを選んでいる。すると、歯の一本一本にしっかりと磨いている感じが増し、奥歯の奥側まで無理なくブラッシングできる。例えば「クリーンプラス(レギュラー)」は、レギュラーサイズなのだが、「プレミアムクリーン ブラシヘッド レギュラー」を始めとする「プレミアム」シリーズよりも、だいぶ磨きやすい。
もちろん人によって、フィットするブラシは違うはず。ソニッケアーは、選べるブラシの種類が豊富な点が、大きなメリットだ。
まずは付属「プレミアムクリーン ブラシヘッド レギュラー」の大きさが自分の口に合っているかを見極めたい。もし大き過ぎると感じたら、迷わず他のブラシヘッドを探すことをお勧めしたい。そのために、替えブラシの購入前に、ブラシごとの特徴やブラシヘッドの大きさが、もう少し分かりやすければ良いと思う。
便利なモデルがさらに使いやすく進化したのを実感できた
前述の通り、長らくソニッケアー「HX9190」を使っていて、汚れが目立ってきたこと以外に、特段の不満もなかった。
最新モデルを使ってみると、ブラシヘッド認識機能を搭載しスマホアプリにも対応。機能だけではなく、本体のステンレスの質感や、グラス(コップ)に立てかければ充電できたり、使いやすくスタイリッシュなトラベルケースが付属していたりと、全体的にブラッシュアップされている。(従来機でもトラベルケースは付属するが、最新モデルでは、よりスタイリッシュになっている)
まだ歯ブラシを手磨きしているのなら、電動歯ブラシ、特にソニッケアーの導入を強くお勧めしたい。手磨きよりも歯が格段にキレイに、ツルッツルになることを実感できるはずだ。