家電製品レビュー
話題の歯間洗浄機「ジェットウォッシャー」を買ったら、毎日の歯磨きが楽しくなった
2019年8月22日 00:00
ちょうど1年頃前に親知らずを抜いた。真横方向に生えていたので、大学病院での手術による抜歯となった。術後の経過については、地元の歯科医で診てもらっていた。その際、歯石があるのを指摘され、ついでに除去してもらうことにした。以降も、定期的に検診を受けている。
せっかくきれいにしてもらったのだから、それを維持しようと、以前より丁寧に磨くことを意識するようになった。歯ブラシは5~6年前に購入したパナソニックの電動歯ブラシを使っており、これが功を奏しているのだろう。フロスも併用したのだが、歯間が狭いためフロスが通りにくい。力を入れて押し込むと、ブラシ部分が歯茎に激突して傷つけて血が出ることが何度かあった。
そこで買ったのが歯間洗浄器「ジェットウォッシャー ドルツ」だ。電動歯ブラシも結構年季が入ってたので、併せて新しいものに買い換えた。
と言うことで、前置きが長くなったが、PC Watch編集長の若杉と申します。「歯間洗浄機買った!」というツイートを個人的にしたら、「家電 Watchでレビューが載るんですか?」というリプライがあったのと、まだ家電 Watchではこの製品のレビューがなかったので、今回、出張でレビューを書かせてもらうことにした次第だ。
メーカー名 | パナソニック | |
---|---|---|
製品名 | ジェットウォッシャー「ドルツ EW-DJ52」 | 電動歯ブラシ「ドルツ EW-DP52-S」 |
実売価格 | 9,846円 | 19,800円 |
水流で歯間や歯周の汚れを吹き飛ばす、ジェットウォッシャー「ドルツ EW-DJ52」
ジェットウォッシャーの簡単な説明をすると、ノズルの先端から高圧の水を吹出することで、歯間や歯周など、歯ブラシでは届きにくい部分の磨き残しを吹き飛ばしてくれるという製品。
これだけで歯磨きが完了するモノではなく、歯磨きしたあとに利用する。歯間と歯の付け根部分をノズルでなぞるようにして水を当てていくと、歯ブラシで取り切れなかった汚れが取れるといった具合だ。
今回購入した「ジェットウォッシャー ドルツ EW-DJ52」は、風呂場で使える防水コードレス式の新モデル。6月に発売されたもので、防水コードレスとして初めて、超音波水流ノズルを採用した。
ノズル径が絞られており、水流の中に小さな気泡を多く発生する点が特徴。従来の水流では取り切れなかった汚れまで弾き飛ばすという。
基本的な使い方はいたって簡単。充電を終えたら、本体内に水を入れて、電源を押すだけ。電源を入れると、ポンプが稼働し、ノズルから勢いよく水が噴射される。水圧は「LEVEL」ボタンを押して、5段階で調節できる。
ジェットウォッシャーには、大型のタンクがあるコード型と、タンクは小型だがコードレス式の2種類がある。利用時は口から水が飛び散ることもあると聞いていたので、風呂場でも使えるコードレス式を選んだ。
実際、コードレス式を買ったのは正解だと思った。水圧が結構あるので、口を開けて使うと水が周囲に派手に飛び散る。口をしっかり閉じて使っていても、そのうち口の中が水で満杯になり、だらだらと隙間から漏らす必要があるので、風呂場で使えるコードレス式が便利だ。
とくに前歯に裏から噴射すると、歯の隙間からぴゅーっと水が飛び出るので「取れてる、取れてる!」と効果が目に見えるし、水芸を見てるようで楽しささえある。
少し難しいのが、下の歯に裏から当てるとき。ノズルを当てやすくするには本体を上下逆さまにした方がいいのだが、これでは内部のチューブに水が行かなくなる。試行錯誤した結果、顔を下向きにして、本体は水平に近いくらいの角度で使うとうまくいった。
使った後に鏡で確認すると、歯の狭い隙間に詰まって歯ブラシでは取り切れなかった磨き残しが見事に一掃されていた。とりあえず水圧はレベル5で使っている。初回は歯茎から軽い出血があったものの、2回目以降はほとんど出血はない。
歯周ポケットの部分については、目で見えないので効果の程は不明だが、まぁ、使わない場合よりは確実に清潔にできているだろうと思っている。
そして、これは個人的な状況にはなるが、抜歯以降、親知らずのあった歯茎の部分と頬の内側にくぼみができたのか、食べかすが詰まりやすくなっていた。非常に奥まった部分で、唇を横に引っ張って楊子で探ってはじめて気づいたのだが、歯ブラシでは当然届かず、楊子でも取りにくい。これがジェットウォッシャーだと、確実に吹き飛ばしてくれる。購入前は、こういう使い方もできると思っていなかったので、嬉しい誤算だ。
使い方は前述のとおりすごく簡単なのだが、マニュアルの説明も非常に簡素で、運用方法に不明点が残るのが不満点か。具体的には、1回につきどれくらいの時間をかけるべきかとか、毎日使うべきなのか、といったことが書かれていない。製品ページも見たが、言及されていないようだ。とりあえず、60秒くらいでタンクが空になるので、上手前、下手前、上裏、下裏というように4回補給して使っている。
ちなみに、水を補給する穴は背面にあるのだが、それとは別に、底の部分が取れるようになっているのがよく考えられているなと思った。というのも、使用後に底蓋を外し、なかを軽くタオルで拭いておくとなかが乾きやすくなり、衛生的だからだ。
ベンチマーク測定
さあ、PC Watch担当者として、製品レビューをするからにはベンチマークを測定せねばなるまい。電動歯ブラシとジェットウォッシャーを使った後、どれくらい汚れが落ちているかを見ていく。
歯垢染色ジェルを使って、歯磨き後の歯垢の残り具合を検証した。歯の左半分は電動歯ブラシとジェットウォッシャーを使い、右半分は一般的な歯ブラシで磨くだけにした。ブラッシングの時間は2分ずつに揃えてある。
結果としては、普段の歯磨きがある程度うまくできているためか、いずれの側も大きな歯垢跡は見受けられなかったが、やはり手で磨いただけの方には1mm程度の染色痕が数カ所見受けられた。一応写真も撮っているのだが、四十を超えたおっさんの口の中の写真など誰も見たくないだろうから掲載は見送る。
そこで、歯列模型も使って同じ検証をしてみた。検証にあたり、歯の周囲に、虫歯菌が好きそうなご飯とプリンを塗ったくり、その上で唾液を塗布し、1日放置した。食事中にこの記事を読まれた方がいらしたら、四十を超えたおっさんの唾液の話を持ち出し、大変申し訳ない。歯垢を溜めるには、口内細菌が必要らしく、ある程度科学的に検証するために、唾液塗布の実行と言及が必要だと苦渋の決断を下した次第だ。
ジェットウォッシャーの威力については動画を、歯磨きも踏まえた磨き残しのチェックは写真を見ていただきたい。なお、本来は歯磨き後にジェットウォッシャーを使うべきだが、歯磨きで食べ残しが一掃される恐れもあったので、先にジェットウォッシャーを使った。
結果として、模型が新品であり細菌にまみれていない、歯の材質も本物とは違う、歯の隙間が大きめなどといった理由から、いずれのケースでも大きな染色痕は見受けられなかった。ただ、ジェットウォッシャーを使った方の歯周部分は、使わなかった方に比べ染色痕が少ないことがわかる。歯ブラシでは届きにくい場所もケアできている証と言える。
買い替えた電動歯ブラシは、充電台の手入れがしやすくなっていた
ベンチマークで使った電動歯ブラシは、前述のとおりジェットウォッシャーと併せて新しく買ったもの。
新製品に買い換えた理由は、買ってからだいぶ経ったのもあるが、じつは、ジェットウォッシャーの製品ページを見ているときにたまたま、「フロートチャージ」と呼ばれる新しい仕組みの充電台を見かけたからという理由の方が大きい。
それまで使っていたのもパナソニック製だったが、充電台のくぼみの部分に本体を差し込む方式であるため、使い続けていると、底に水垢が溜まりやすかった。それに対してEW-DP52-Sは、中空にあるリング部分に本体を引っかける構造になっており、充電台座の表面は平らなので、水垢が溜まりにくいし、汚れたとしても手入れが楽だ。
本体の使い勝手だが、それまでに使っていたものより、だいぶパワーが強い。その分、磨く力も強いのだが、口を開けて使うと、歯磨き粉が結構飛び散ってしまう。これまでは、ちゃんと歯ブラシが歯間や歯周部分に当たっているのを鏡で確認しながら磨いていたのだが、それができなくなってしまった。まぁ、トレードオフだと思うことにした。
また驚いたのは、替えブラシの種類の多さ。通常の歯磨き用2種類以外に、歯間用、ステイン(着色汚れ)用2種類、歯茎用と6種類もついている。
とりあえず、歯間用については、ジェットウォッシャーと用途がかぶっているので使っていない。ステイン用は2週間に1度くらい使うといいとされているが、2つある片方は、裏面がゴム地で舌苔防止の舌磨き用も兼ねている。以前の歯ブラシにも舌磨き用があり、毎日使っていたが、幅が3cmほどと広いためか、使っていると、結構「おえおえ」と嘔吐くことがあった。それが、新製品のものは通常の歯ブラシと同じ位の幅しかないためか、嘔吐くことがほとんどなくなった。
これまでただの作業だった歯磨きが楽しみになった
と言うことで、タイトルにも書いたとおり、ジェットウォッシャーを買って、「これを使うことで、歯のきれいさや健康がより保たれる」と思うと、毎日の歯磨きが楽しみに思えるようになってきた。ジェットウォッシャーについては、フロスよりも遙かに使いやすく、その効果も、素人の筆者が目視で確認する限りという注釈はつくが、てきめんだ。
老後に1本でも多く歯を残すためにも、こういった製品を活用して、ケアを心がけたい。
なお、前歯の裏側など普通は自分では見えない部分のチェックや、溜まってしまった歯石の除去には歯医者に行くしかない。毎日の歯磨きに加え、可能なら年に数回でも検診を受けることをお勧めする。