6月19日にエレクトロラックスから発売されたコードレスクリーナー「Pure Q9」シリーズ。充電式のスティック型掃除機です。
このシリーズのコンセプトは、“踊るように、奏でるように。”だそうですが、使い勝手が気になるところ。
見た目も性能も斬新な印象ですので、さっそくお借りして試用しました。使ったのは、最も多くのノズルが付属するサテンホワイトのモデル「Pure Q9 PQ92-3BWF」(オープンプライス/店頭予想価格63,400円)です。
Pure Q9シリーズ。カラーは3種類で、カラーごとに付属するノズルが異なります。左はハイエンドモデルの「サテンホワイト PQ92-3BWF」(オープンプライス/店頭予想価格63,400円)。中央は「マホガニーブロンズ PQ92-3EMF」、右は「インディゴブルー PQ92-3OBF」(同49,800円) スティック型クリーナーとして使えるほか、ハンドユニットを外せばハンディクリーナーとして使えます この掃除機の特徴は、吸引力の強さやバッテリー持続時間、あるいは北欧家電メーカーらしいインテリア性、さらにはハンディクリーナーとしても使える利便といったあたりですが、実際に使ってみると「ココはイイなぁ」「ココもイイね」と次々に“こなれた機能性”が見つかります。さすがスティック型クリーナーを作り慣れているメーカーって感じ。ともあれ以降、Pure Q9の使用感などを見ていきましょう。
サテンホワイト「Pure Q9 PQ92-3BWF」の付属品は、スーパーロングノズル、ソフトブラシノズル、すき間ノズル、パワープロフロアノズル、ブラシロールクリーンフロアノズル。ほか、ブラシノズル、UVベッドノズル、ノズル収納袋も付属 キレイで省スペース、長いバッテリー持続時間、充電ステーションへの脱着は超スムーズ
Pure Q9の本体サイズは、スティック状態で高さ256×155×1,097mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約2.9kg。ハンディ状態だと長さ470×幅110×奥行き122×mmで、重量は約1.45kgです。コードレスクリーナーなので充電して使いますが、充電ステーションはA4サイズ程度のスペースがあれば設置可能。狭い場所に立てて収納・充電しておけます。
Pure Q9を各方向から見た様子。独特の滑らかで美しいデザインが目を引きます 電池が空の状態から満充電までにかかる時間は約4時間。スティック状態では吸引力は3段階に切り替えられますが、満充電からの運転時間は低電力モードで約53分、通常モードで約25分、最大モードで約14分です。
充電ステーションにクリーナーを収納・充電している様子。狭いスペースに置いておけます クリーナー背面と充電ステーションにはマグネットがあり、このマグネットにより安定的に収納・充電 使い始めてまず思ったのは、充電ステーションに対しての脱着が非常にスムーズなこと。使いたい時はクリーナーを前方に軽く押せば充電ステーションから外せて、収納したい時は充電ステーションへ向かってクリーナー背面を軽く押し込めば収納完了。クリーナーを持ち上げて外すとか、充電ステーションのスリットに合わせてクリーナーをはめ込むといった一手間がなく、非常にスムーズに脱着できます。
これまで使った充電式掃除機の中で、充電ステーションへの脱着が最も手軽な掃除機だと感じ、思わず「おー凄い〜♪」と口に出してしまいました。
サテンホワイトPure Q9のポイントは3つの高性能ノズル
多数のノズルが付属するサテンホワイトのPure Q9。どのノズルも十分な実用性を備えていますが、特に実用性が高いのは3つ。
柔らかな回転ブラシを備えたパワープロフロアノズル、幅広い掃除に向く回転ブラシを備えたブラシロールクリーンフロアノズル、そしてUVライトで布団などのファブリックを清潔に保てるUVベッドノズルです。どんなふうに使えるのか、写真と説明文で見ていきましょう。
左が柔らかな回転ブラシを備えたパワープロフロアノズルで、右が幅広い掃除に向く回転ブラシを備えたブラシロールクリーンフロアノズル。これらはスティック状態でのみ使用可能 パワープロフロアノズルには、筒状の回転ブラシ表面に柔らかく短い毛がびっしりと植えられています。例えばこのノズルでフローリングを掃除すると、細かなゴミやホコリをしっかりと拭い取ることができます。フローリングなどにうっすら積もったホコリをカンペキと言えるほどに除去できつつ、床や家具へのブラシのアタリも非常にソフト。細い溝にもある程度入り込むので、フローリングの継ぎ目に溜まった微細なゴミもよく取ってくれます。フローリングを拭き掃除レベルできれいにできるので、筆者的には一番気に入れたノズルとなりました ブラシロールクリーンフロアノズルは大きめのゴミを掻き取ったりするのが得意。掃除全般に幅広く使える回転ブラシのノズルです ブラシロールクリーンフロアノズルの前方にはLEDライトがあり、見えづらい小さなゴミを発見しつつの掃除ができます。クローゼット内などの暗めの場所の掃除にも非常に便利 ブラシロールクリーンフロアノズルの右端には、足先で押せるボタンのようなものがあります こんなふうに押せば、回転ブラシに絡まった糸くずや毛を自動的に除去(カット)・吸引してくれます。回転ブラシ自体の掃除にかかる手間が省けるというわけです 吸引力ですが、普段は通常モード(連続運転時間約25分)で問題ないという感じ。通常モードで回転ブラシのノズルを使えば、たいていのゴミを吸引可能です。
ゴミが多い時や重めのゴミを効率よく吸いたいという場合は最大モード(連続運転時間約14分)を、必要に応じて使うのがいいでしょう。このモードならだいたいのゴミをすっきりと吸引できますし、ブラシロールクリーンフロアノズルと組み合わせれば“大きめで重めのゴミ”でもやっつけられます。
運転モードの切り替えは、ハンドル部のボタン操作で行ない、押すたびに吸引力が順番に変わります。ボタンとは別に、電源オンオフのボタンがあります 低電力モード(連続運転時間約53分)でも実用性十分の吸引力を発揮します。さほど汚れていない場所の掃除ならこのモードがイイ感じ。また、音も一番静かです。
他のモードでの音も意外に静か……というか耳障りでないという運転音だと感じました。高音が抑えられていて、響きにくく、体感的に静かな運転音というイメージです。部屋の構造によりますが、低電力モードや通常モードなら夜間でも騒音が迷惑になりにくそうな気がします。
ちなみに、スティックで掃除中に電源を切り、再度電源を入れると直前に使用したモードで運転が再開されます。クリーナーを充電ステーションに置いた場合は、次に電源を入れると通常モードで運転が始まります。
ちょっと話が逸れましたが、3つ目のノズルであるUVベッドノズルについて。これもまた、写真と説明文で見ていきましょう。
Pure Q9シリーズはハンドユニットを取り外すとハンディクリーナーとしても使えます。細い部分(持ち手)を手前に引けば取り外せて、押し込めばハンドユニットを装着してスティッククリーナーとして使えるようになります。
シンプルな合体機構でハンドユニットの脱着は非常に手軽。また、バッテリーとモーターの間に持ち手があるので、適度なバランスを保ってハンディクリーナーでの掃除ができます UVベッドノズルを装着してみました。UVベッドノズルはスティック状態でのみ使えます 回転ブラシとUV光照射部を備えた、どちらかと言えばファブリック向けのノズルです。対象物に対して4cm以下に近づくと、UV光がノズル前方から出ます。UV光はノズル上部のボタンでオンオフ可能 UVベッドノズルでベッドを掃除している様子。ハンドユニットのボタンは電源ボタンのみで、吸引力は最大モードのみとなります。ハンディ状態でもスティック状態でも同じ電源となりますので、連続運転時間は最大モードの約14分 スティック状態でもハンディ状態でも、フィルターはハンドユニット部のものが使われます。フィルターは5段階で0.3〜10μmの微粒子を99.9%カット可能。排気がキレイなので窓を開けずに掃除できるとのこと UVベッドノズルについては、短期間の試用となったため「UVが効果的」というような印象はまだ得られなかったのですが、ファブリック表面の掃除がしやすくて好印象です。吸引力最大の最大モードで使うことになりつつ、ノズルには回転ブラシがあるので、例えばベッドのシーツの上の糸くずや髪の毛などもサッと手早く除去できます。
スティック状態からハンドユニットを外してUVベッドノズルを装着すればファブリック掃除モードに突入、という感じで、床掃除とベッド掃除をクイックに切り替えられて便利です。
細かな使い勝手にも十分配慮がある“高成熟度”のクリーナー
Pure Q9を使っていると「さすが!」と思える点がいくつも見つかります。前述のノズルの利便や吸引力、あるいはバッテリー持続時間もそうなんですが、細かな使い勝手にもメーカーの十分な配慮がなされているなぁと感じます。そういった点を写真と説明文で見ていきましょう。
Pure Q9のスティック状態時のヘッドは、左右方向にもよく動きます。 本体を右方向にねじれば、ヘッドもスムーズに右方向を向きます。 左にねじればヘッドも左に。どの方向へもスムーズに回転するように動きますので、自在に動かして目的の床面を軽快に掃除していけます。ヘッドの転がりも軽く、重心となるハンドユニット部が下にあるので、あまり力をかけずに掃除できるという点でも快適。なるほど、これは“踊るように”という操作感です 本体を低くしての掃除も可能。ベッドの下などへもわりと余裕をもって入っていけます 本体を寝かせた時の高さは14cm。ベッドやソファーの下の掃除が捗ります 掃除中に、ちょっとクリーナーを自立させて置けます。片付けなどして、また掃除機がけをする。そんな時に自立するクリーナーはたいへん好都合。ただし、ハンドユニットを外した状態では自立しません さらにPure Q9は、こんなふうに棚やテーブルの端に立て掛けておくことができます。自立することと立て掛けられることで、一時的に掃除機から手を離して両手で他の作業も 持ち手のところがこんな形状になっているため、何かの端に立て掛けて置いても安定しているというわけです テーブルに立て掛けた様子。床に置かずとも両手をフリーにできるのは何かと便利です といった感じで、細かい部分までよく作り込まれているコードレスクリーナーだと感じられました。吸引力とバッテリー持続時間に優れ、操作感も良く、細部の作り込みもバッチリ。そしてデザイン的にもスマートです。Pure Q9に興味のある方は、ぜひ実機に触れてみてください。