家電製品レビュー
ダイソンの魅力はそのままにスリム化! 「V8 Slim」は手軽に使いたい人にピッタリ!
2019年9月20日 06:00
以前、このコーナーにおいて、ダイソンのコードレスクリーナーのハイエンドモデル「Dyson V11」を紹介した。ダイソンならではの圧倒的な吸引力に加え、運転の残り時間が分かったり、スタンドが付属したり、使いやすさが大幅に進化したと感動したが、やはり基本は欧米仕様だと思った部分もあった。それが長さと重さだ。
そんな「Dyson V11」が3月に発売されてから半年。またまたダイソンから新しいコードレスクリーナーが発売された。2016年に発売された「Dyson V8」をベースに吸引力と本体重量、サイズを小型軽量化した「Dyson V8 Slim コードレスクリーナー(以下、V8 Slim)」だ。さっそく使ってみたので、使用感をレビューしよう。
メーカー名 | ダイソン |
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製品名 | Dyson V8 Slim Fluffy+(フラフィ プラス) |
直販価格 | 59,000円(税抜) |
ヘッドとパイプを見直して小型軽量化を実現
実際にV8とV8 Slimでは、どれほど変わったのか、まずは数字でチェックしてみよう。
本体重量(スティック・ヘッド装着時):2.61kg→2.15kg
長さ:1,244mm→1,123mm
重量が460g軽くなり、全体の長さが121mm短くなっている。ここまで大幅に軽量・小型化すれば、使用感もかなり違うだろうと期待が高まる。
一方で気になるのが吸引力の低下だ。ダイソンのコードレスクリーナーの吸引力がすごいのは、今さら言うまでもないが、今回軽量コンパクト化するために、例えばモーターのパワーを落としちゃった、なんてことは……?
結論から言うと、モーターはV8と同じダイソン デジタルモーターV8をそのまま採用している。今回見直したのは、クリーナーヘッドとパイプで、クリーナーヘッドにおいては40%薄型化かつ40%軽量化、パイプにおいては6cm短縮かつ小径化したという。
では、いよいよ使ってみたい。今回使ったのは、ノズルが5つ付属する「Dyson V8 Slim Fluffy+(フラフィ プラス)」だ。開封してみたところ、「これはありがたい」と思える工夫があった。使い方がひと目で分かる説明書きだ。
家電はそもそも取扱説明書を読んでから使うべきだが、基本操作は直感的に覚えたい。その点、モード切替やゴミ捨て方法は、最初に分かっていると、すぐに使い始められる。特にモード切替を間違えると、連続使用時間が大きく変わってくるので、最初に知っておきたい。
本体、パイプ、クリーナーヘッドを組み立ててみると、いつものサイズ感と違うのは明らか。形状やカラーリングは確かにダイソンなのに、存在感は日本仕様だ。持ってみても、想像以上に軽く感じる。これは取り回しやすい!
なるほど長すぎると、本体を握る手と床との角度も変わってくるため、小柄な人は腕を余計に上げなければならず、疲れやすくなるのかも。またパイプやヘッドも軽いので、移動するときにヘッドをスムーズに持ち上げられる。
ちなみに変わっていないのは、トリガーを引いているときだけ運転するという方式だ。個人的には、指で引きながら本体を押すという動作は、ちょっと力を使う作業だと感じているが、こればかりは人それぞれなよう。夫がV8 Slimを使って最初に言った言葉が「この、引いているときだけ掃除できるっていうのが分かりやすくていいよね」だったから。
壁際のゴミもしっかり吸い取る!
今回、軽量化するためにクリーナーヘッドも改良したというが、吸引力は落ちていないのだろうか。まずは普通に掃除をしてみた。最初は強モードで掃除していたが「このままでは7分しか持たない!」と思い直し、フローリングは標準モードで、カーペットは強モードにした。
リビングダイニング、キッチン、2つのカーペット敷の部屋、畳の部屋……と全室掃除したところ、17分ほどで充電が切れた。わが家には十分な時間だ。そしてダストボックスにはゴミもたっぷり溜まっている。
ただ強モードを使うと、音やほどよい吸い付き感にパワーを感じてしまうため、標準モードが物足りなくも感じてしまう。そこでフローリングに小麦粉を撒き、標準モードと強モードそれぞれで吸ってみたところ、標準でもキレイに吸えていることが分かった。
なので充電を持たせるためには、よほど汚れがひどいか、短時間で掃除を済ませたい場合以外は、フローリングは標準モードで十分だ。ただしカーペットは、毛の奥のゴミも吸ってほしいので、強モードを使ったほうがいいかもしれない。
さらに今回開発したヘッドは、空気の流れを再設計し、効率的な空気の流れを確保したことで、壁際にヘッドを押し付けなくてもゴミを取れるというので、そちらも試してみた。
結論として、軽量コンパクト化したものの、メイン掃除機として使える吸引力は十分に備えている、ということだ。
ちなみにゴミ捨てについても、最初の説明書きのおかげで迷わずできた。
コードレスクリーナーの魅力として、ノズルを付け替えて家じゅうを掃除しやすいという点が挙げられるが、今回、面白いノズルが新開発されていた。「LED隙間ノズル」だ。その名の通り、LEDで光る隙間ノズルだが、国内メーカーモデルの中には、隙間ノズルが光るものも少なくない。しかしV8 Slimは、予想以上に光った(笑)‼
これを使えば、暗い隙間も明るく照らしてくれるので確かに掃除しやすいが、それ以上に反応したのは、わが家の男子たち。私は便利としか思わなかったが、夫と息子は「カッコいい‼」と。思わず使いたくなるギミック。こういうところもダイソンが愛される理由の1つだろう。
さっそくノズルを一式持って、車を掃除することにした。車は少し放っておくと、あっという間にホコリが溜まってしまう。
ほかにもハンドル周りやギア周り、ポケット、インパネ、エアコンの吹き出し口など、掃除したいところはたくさんある。今回、溜まりに溜まったホコリを掃除してすっきりキレイになった。あ~気持ちいい‼
やはりノズルがたくさんあると、掃除したい場所の形状に合ったノズルを選べるので、効率的に掃除ができる。
V8 Slimという選択肢は大いにあり!
以前、V11を使ったときに、その吸引力の強さと使いやすさに感動し、これならキャニスターから乗り換える人も十二分に満足させてくれる、と思ったが、同時に「手軽に何度も使いたい人」には、ちょっと重量感があるかも、と感じていた。
その点、V8 Slimはサッと使いたいときにピッタリだ。だからと言って、吸引力に物足りなさはない。パイプが軽いため、高い場所を掃除するときも、軽々持ち上げられる。
これはライフスタイルから考えると、V8 Slimのほうが向いている人もいるはず。価格も抑え気味なので、V11は“too mach”という人は、こちらを検討してみてはいかがだろうか。