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Ankerの片手で持てるプロジェクター、自宅を映画館やライブ会場に変える!?

家電 Watchの書き手の皆さんと編集部が「よかった」と思えたものやサービスなどを、ゆるめに紹介するコーナーです。日々のちょっとした気づきなども共有します
Anker(アンカー)「Nebula Capsule Air(ネビュラ カプセル エアー) ホワイト」

ホームシアターのある生活に憧れるものの、実際に導入するとなると設置場所の確保や費用の捻出などの課題があり、なかなかハードルが高いですよね。そんなときはモバイルプロジェクターを活用して、手軽に楽しむのもひとつの方法です。

スクリーン、プロジェクター、スピーカーなどの本格的な機材を一式そろえる場合、少なくとも数十万円の予算が必要ですが、モバイルプロジェクターなら低コストである上、設置の手間もかかりません。

その手軽な投影機の実力はいかなるものか。今回、Anker(アンカー)の人気機種「Nebula Capsule Air(ネビュラ カプセル エアー)」を借りられたので、さっそく試してみました。

好きな場所に持ち運べるコンパクトボディ

モバイルプロジェクターは、“モバイル(mobile)”の名を冠する通り、携帯性に優れた小型のディスプレイ機器です。Anker「Nebula Capsule Air」はドリンク缶のような円柱形のフォルムで、大きさは68×140mm(直径×高さ)ほど。350ml缶より少し大きめといったサイズ感ですが、片手で持てました。重量は約650g。片手で持つとややずっしりしますが、短時間なら問題なく持てるレベルです。実売価格は49,990円。カラーバリエーションはホワイト、スペースグレーの2色です。

350ml缶より少し大きめのサイズ感
片手で持てる

コンパクトな本機は移動や持ち運びがラクな上、好きな場所に省スペースで設置できるのが魅力です。映像は壁や天井に投影が可能。さらに、スピーカーが内蔵されているため、ほかの機材は必要なく、本機ひとつあればどこでも手軽にお気に入りのコンテンツを楽しめます。

本機はワイヤレス(Wi-Fi)接続に対応。初めて起動するとセットアップ画面が表示されます。画面の指示にしたがってインターネット接続を完了すれば、Webコンテンツを投影できます。

最大100インチ! 狭い部屋でも大画面が楽しめる

本機は最大100インチのサイズで映像を投影できるのも特徴です。壁(投影面)からプロジェクターの距離が離れるほど、画面サイズが大きくなる仕組み。画面サイズを100インチにしたい場合は、壁から2.65m離れた場所に本機を設置します。

最大100インチのサイズで映像を投影できる

日本の住宅の一般的な天井の高さは2.4m。したがって、天井に投影すれば、間取りが狭くても、寝転がりながら大画面で好きな映像を楽しめます。ちなみに、天井に投影する場合は、本機を倒してレンズを上に向ける必要があります。本機は円柱形をしており、倒すと転がりやすくなる上、操作しづらいため、別売の三脚を使って本体を固定した方がベター。なお、底面には三脚ネジ穴が配置されています。

底面の三脚ネジ穴

画面サイズを小さくするには、本機を壁に近づけます。壁との距離が1.6mでは60インチ、1.06mで40インチです。プロジェクターと壁との距離が近くなるほど画面は小さくなりますが、映像はより明るく、鮮明に見えます。試しにデスクの上に設置して壁に投影したところ、画面はPCのモニターと同程度のサイズになったものの、映像はよりくっきりして鮮やかでした。

投影画面が小さくなるほど映像はより明るく、鮮明に見える

本機の解像度は1,280×720画素(HD)、明るさは150ANSIルーメンのスペックを誇ります。フルHDに比べるとやや画質が劣るのは否めませんが、モバイルプロジェクターとしては十分きれいな映像です。画面の明るさは、壁との距離を離し、画面サイズを大きくすると暗くなるものの、照明を落として周囲を暗くするなど、環境をしっかり整えれば、最大サイズの100インチでも好きなコンテンツをストレスなく視聴できます。

部屋の間取りや設置場所に応じて、自在に画面サイズを変えて、手軽に“おうち映画館”を楽しめるのは本機の魅力だと思いました。

部屋の間取りや設置場所に応じて、自在に画面サイズを変えられる

面倒な設定なし! オートフォーカス&自動台形補正が超便利

本機を実際に使用して一番便利だと思ったのは、オートフォーカスと自動台形補正機能です。オートフォーカスは自動でプロジェクターから投影面までの距離を計測して、フォーカス位置を調整し、ピントを合わせてくれる機能。自動台形補正は、投影面に対してプロジェクターを斜めに置いたときに、画面が斜めに歪んでしまう現象を自動的に補正してくれる機能です。

投影面に対してプロジェクターを斜めに置くと、画面が斜めに歪むが、本機が自動で補正してくれる

これらの機能の搭載により、本機の電源をONにして、任意の場所に置くだけで自動的に見やすい画面に調整されます。複雑・面倒な設定や操作は一切不要なので、デジタル機器が苦手な人も心配ありません。

オートフォーカス・自動台形補正機能により、自動的に見やすい画面に調整される

オートフォーカス、自動台形補正機能の両機能は、映像を投影中にプロジェクターを移動させたり、向きを変えたりしても有効です。新たに置いた場所や向きに応じて、自動で見やすい画面に調整してくれます。なお、付属のリモコン(単四形乾電池2本使用)のオートフォーカスボタンを押して調整することも可能です。

付属のリモコン
リモコンのオートフォーカスボタン

プロジェクター本体の位置を手動で合わせることなく、ただ置くだけで、自動で見やすい画面に調整されるのは、想像以上に便利でした。モバイルプロジェクターの購入を検討している人には、オートフォーカスおよび自動台形補正機能が搭載された機種をおすすめします。

内蔵スピーカーはDolby Audio対応! クリアなサウンドを楽しめる

本機には、Dolby Digital Plus(ドルビーデジタルプラス)対応のスピーカーが内蔵されています。繊細でクリアな音質、臨場感あふれるサウンドを楽しめるのが魅力。最大出力は5Wで、小型ながらパワフルなので、家庭での使用なら十分な音量です。

Dolby Digital Plu対応のスピーカーが内蔵されている

小型スピーカーは低音域の再現が苦手、重低音の迫力や深みに欠ける、音の広がりが不足するなどで物足りなさを感じるといわれていますが、本機はそのようなイメージを忘れるくらい音質が良いと思いました。想像以上に音がクリアで広がりも感じられたので、モバイルプロジェクターで楽しむには十分なクオリティです。

ボリュームを上げると当然音が大きくなるため、迫力も増します。本機を活用することで、自宅の一室を自分専用の映画館やライブ会場に変身させられるのも魅力的だと思いました。ただし、出力5Wということもあり、想像以上に大きな音が出るので、近隣の迷惑にならないように注意が必要。音量のアップ・ダウンは本体上面およびリモコンで操作できます。

本体上面の音量調節ボタン
リモコンの音量調節ボタン

なお、本機はBluetoothスピーカーとして使用することも可能。その際はプロジェクターの設定画面でモード切替、接続機器とのペアリングが必要です。

Bluetoothスピーカーとしても使用可能
接続機器とペアリングする

ほかにもうれしい機能が盛りだくさん!小型で多機能

Nebula Capsule Airは、スピーカーも内蔵された便利な2in1プロジェクターであるほかにも、あってうれしい機能がたくさん搭載されています。

本機はGoogle TVを搭載し、10,000以上のアプリを利用することが可能。リモコンにはYouTube、Netflix、Amazon Prime VideoといったVOD(ビデオオンデマンド)サービスへのダイレクトボタンが付いていて、簡単に起動できます。

Google TVを搭載
10,000以上のアプリを利用できる
リモコンのVODサービスへのダイレクトボタン

また、本体背面にHDMI端子を備えており、PC画面の共有も簡単。コンパクトに携帯できる上、接続もスムーズにできるので、出張先や取引先でのプレゼンテーション、社内研修といったビジネスシーンでも重宝しそうです。

本体背面のHDMI端子
PC画面の共有も簡単

さらに、本機では大画面でのゲームプレイも楽しめます。HDMI接続でゲーム機を接続できることに加え、ゲーミングモードの搭載により、動きの激しいゲームにも対応。遅延が少なく、ストレスフリーでプレイできるため、ゲームの世界感に没入できるのではないでしょうか。

そのほか、Google アシスタントボタンを使った音声操作、ワイヤレスネットワーク接続による画面ミラーリングやキャスト、専用アプリ(Nebula Connect)インストールによるスマホからの操作など、コンパクトなボディにさまざまな機能が詰まっています。本機1つで、多彩なエンタメをとことん楽しめそうだなと思いました。

専用アプリをインストールするとスマホで操作できる
さまざまなエンタメを楽しめる

本機は充電式のため、電源がない場所やアウトドアでも使用が可能。キャンプや旅行先でも手軽に大画面でお気に入りのコンテンツを楽しめます。ただし、フル充電でも動画再生時間は最大で2時間ほどなので、途中のバッテリー切れに注意が必要です。なお、本機を充電する際は、付属のACアダプタと充電ケーブルを使用します。

付属品(ACアダプタ・充電ケーブル・リモコン・単四形乾電池)
付属のACアダプタと充電ケーブルで充電する

映画の作品によっては2時間を超えるものもあるので、欲をいえば、もう少し再生時間が長いとうれしいのですが、本機は総じて機動力が高く、感覚的に操作できて使いやすいのが良いと思いました。

他方、画像やフォーカス補正、音声、オーディオ出力といった項目を細かく調整し、自分好みにカスタマイズすることも可能。映像や音にこだわる人にとってもうれしいアイテムです。

携帯性と機能性を両立した本機は、手軽にエンタメを楽しみたいときにぴったりのモバイルプロジェクターといえそうです。

手軽にエンタメを楽しみたいときにぴったりのモバイルプロジェクター
野本 美樹