家電ミニレビュー

新しいジェットウォッシャーはやさしいのに高洗浄で、ラクに歯の汚れが取れた

水流で歯の汚れを落とす「ジェットウォッシャー ドルツ ナノクレンズ EW-NJ80」を試してみました

ノズルの先端から水を噴射して、歯のすき間や歯周ポケットの汚れを落とす家電「口腔洗浄機」。歯の健康を保つのに役立ちますが、洗浄力が強いものは、水が当たったときの痛みが気になるという声もあります。

そんななか、2023年11月に発売されたパナソニック「ジェットウォッシャー ドルツ ナノクレンズ EW-NJ80」は、新技術「ナノクレンジング水流」を採用し、高い洗浄力をもちながら、水流がやわらかいのが大きな特徴です。

今回は実機をお借りして使ってみましたが、本当に痛みがなく、歯の汚れがキレイに取れました。口腔洗浄機は初体験でしたが、コードレスタイプかつお風呂で使用可能なので使い勝手がよく、ズボラな筆者でも習慣的に使うことができました。

やさしいのに高洗浄。歯ブラシでは取り切れない汚れを落とす

ナノクレンズノズルを含む本体サイズは、5.3×8.9×30.7cm(幅×奥行き×高さ)、重さは約435g

ジェットウォッシャーは、ノズルの先端から細かい気泡を含んだ水を噴射して、歯と歯のすき間や、歯ブラシでは届きにくい歯周ポケットの汚れを除去。歯周病や口臭対策にも役立つアイテムです。

本機は新技術「ナノクレンジング水流」を搭載しており、「やさしいのに高洗浄」という特徴があります。口腔洗浄機は、水流の勢いで痛みを感じるものもありますが、本機は水流内の微細な水滴とナノサイズの気泡が弾ける力を利用することで、歯ぐきに負担をかけずにやさしくケアすることが可能になります。基本的な使い方は、給水してスイッチを押すだけで簡単。

使うときは、給水ふたを開けて、本体を水平にして水を入れる。タンク容量は約145ml、満水で約80秒間使える(モード:連続3、本体を立てて使用した場合)
ノズルは「カチッ」と音がするまで押し込む
MODEスイッチを押すたびにモードが切り替わる。3段階の水圧レベルのほか、歯間ガイドモードの有無が選べる。モード記憶機能が搭載されており、前回選択したモードを自動的に使える
充電は本体背面のカバーを開けて、USB Type-Cプラグを接続。約3時間のフル充電で約20分使用可能

なお、歯をケアするアイテムには「フロス」もあります。フロスが歯と歯の間の汚れを取るのが得意なのに対して、ジェットウォッシャーは歯周ポケットの汚れにもアプローチできるのが特徴。

どちらを使ったほうがいいかを歯医者さんに聞いたところ「両方使ったほうがいい」というアドバイスをもらいました。フロスは安価で気軽に購入しやすいですが、歯と歯の間にフロスを通す作業はかなり面倒……。一方、ジェットウォッシャーは苦労なく続けられる印象があり、慣れてきたらフロスも併用することが自分に向いていると感じました。

コードレス、丸洗いOKのためお風呂で使える

本機はコードレスで使えます。据え置きタイプの場合は長時間使えるのがメリットですが、大容量のタンクがスペースを取る場合も。洗面所のスペースが限られる我が家で、コンパクトな本機は置き場所を取らないのがうれしいポイントでした。

コンパクトな洗面台にも収まります

本体はIPX7等級(水深1mに30分間浸けても有害な影響を生じる量の水の浸入がない)の防水設計のため、お風呂で使えます。口を開けた状態で歯ぐきに当てると、すぐに洗面所がびしょびしょになるくらいに、水の飛び散りは激しめです。

口を閉じた状態で使えば水は飛び散りませんが、すぐに口の中がいっぱいになって、水を吐き出しながら使うのは面倒。また、鏡で水流が当たる箇所を確認しながら洗浄するほうがラクなので、不器用な筆者の場合は、お風呂で使うことが必須でした。

筆者の場合は、お風呂で歯を磨くタイプなので、お風呂で使えるのは本当に便利だと思いました。

また、コードを気にせず丸洗いすることが可能です。使用後は水を捨て、電源スイッチをONにして水抜きをします。その後、パーツを分解して水洗いしてから、乾燥させればOKです。乾かす場所を用意する必要があるため、お手入れはやや手間に感じました。

乾かすときは、ノズルと底ふたを取り外す

汚れ残りや、痛みはなかった

個人差もあるとは思いますが、水圧を最大にしても痛みは一切なく、使うのが億劫になるような強い刺激は感じませんでした。最初の1週間程度は歯ぐきから血が出ることもあり、洗浄力は強い印象。

目視で確認する限り、汚れが残りやすい歯周ポケットにも汚れ残りはなく、キレイになりました。実際にどの程度落ちているかはわかりませんが、使用後には明確な「スッキリ感」があり、体感としても汚れが落ちている感覚があります。

推奨されている使い方:ノズルは奥から前に移動させる。歯と歯ぐきの境目に沿ってノズルを動かし、表・裏・奥を洗浄。歯と歯の間のすき間の三角地帯、歯の表面と裏側の両方から水流を当てる(画像:パナソニック)

筆者は口腔洗浄機自体を使うのが初めてで、性格がズボラなため継続して使えるか心配でした。ただ、使用後はクセになる爽快感があり、歯を磨いた後に使用しないと物足りない感覚を覚えて、習慣化するのにそれほど苦労しませんでした。

使い勝手の面でいえば、持ち手は片手でムリなく握れるため、取り回しもしやすい印象です。

自分に合った使い方を模索する必要も

説明書には、水流を当てる適切な時間や頻度が記載されていないため、自分に合った使い方を模索する必要があります。

この機械はタンク容量が少なく、連続使用時間は約1分20秒程度と短め。筆者はこの時間内に、歯のすき間や表面、裏面までの洗浄を終えていますが、ゆっくり丁寧に洗浄する人は何度も水を足す工程を手間に感じるかもしれません。

水圧の強さは3段階で調整できます。歯の状態によって適切な強さは異なりますが、筆者の場合は歯医者さんから「痛くないなら、一番強いモードでいい」と指導してもらい、以降は一番強い水圧のみを使用していました。ただ、歯ぐきの状態が悪いときや、痛みを感じたときには、水圧レベルを下げる使い方も考えています。

また、歯間の汚れを集中的に洗うのに便利な「歯間ガイド」モードもあります。このモードでは、水圧のレベルが変化し、弱水流で歯間の移動の目安をお知らせ。試してみたところ、水圧の変化に合わせてノズルを移動させようとすると慣れが必要に感じました。通常のモードでも歯間はキレイにできるため、筆者はラクさを重視してこのモードを使用していません。初めて使う時などに、本機を動かすタイミングの目安として活用するといいかもしれません。

「ジェットウォッシャー ドルツ ナノクレンズ EW-NJ80」は、口腔洗浄機のなかでは比較的高額で、直販価格は32,670円です。ただ、痛みがなく、しっかりと汚れを落とせる高性能なアイテムでした。また、コードレスかつ防水仕様なので、水の飛び散りを気にせずお風呂で使用できるのは本当に便利。使用後のスッキリ感はクセになり、歯磨きそのものが楽しく感じられるようになりました。

福永 太郎

フリーランスの編集者・ライター。ライフスタイル系メディアの家電記事の担当を経て独立。現在は複数のWebメディアに寄稿。