家電製品レビュー
マキタの充電式コーヒーメーカーは見た目も機能もやたらマッチョだった
2016年10月26日 07:30
最近、一目惚れした家電と言えば、あの電動工具メーカー「マキタ」が発売した「充電式コーヒーメーカー CM500DZ」だ。
電動工具にしか見えないデザインで、コーヒーメーカーなのにリチウムイオンバッテリーも使えるハイブリッド仕様。マキタのサイトを見れば見るほどワクワクが止まらないので、購入してみることにした。
メーカー名 | 製品名 | 実売価格 |
---|---|---|
マキタ | 充電式コーヒーメーカー CM500DZ | 6,000円 |
バッテリー BL1830B 18V 3.0Ah | 14,480円 | |
バッテリー用充電器 DC18RC | 7,410円 |
バッテリーと充電器は別売り……本体より高い!
充電式コーヒーメーカーは粉からドリップするタイプで、セット内容は、本体のほかにバッテリーホルダ、電源コード、計量スプーンだけとなる。本体のサイズは115×222×214mm(幅×奥行き×高さ)で重さは900g。
本体にはバッテリー用電源ソケットと交流用電源ソケットの2種類があり、必要に応じてどちらかを使用する。両方同時に挿すことはできない。
バッテリーと充電器は付属していないため、バッテリーを使う場合は別途購入する。バッテリーは、マキタの「BL1830(容量3.0Ah)」、「BL1840(容量4.0Ah)」、「BL1850(容量5.0Ah)」が使用でき、18Vリチウムイオンバッテリー用充電器「DC18RC」で充電する。
今回は、容量3.0AhのBL1830と充電器を用意した。コーヒーメーカー本体の価格は6,000円ほどだったが、なんとバッテリーと充電器を合わせて22,000円ほど費用がかかるという事態に……。もちろんマキタの電動工具用のバッテリーと充電器が使えるので、元々電動工具を使っている人がコーヒーメーカーを追加で購入するなら無駄がない。マキタ電動工具ユーザーのために発売されたコーヒーメーカーといえるだろう。
バッテリーは22分で充電が完了した。冷却ファンが搭載されているので音が騒がしいが、短時間で終わるのは嬉しい。バッテリーは649gもあり、ずっしりと重い。付属のバッテリーホルダに差し込んで使用する。
一度の充電で約2杯分淹れられる
ちょうど過ごしやすい天気だったので、公園でバーベキューをすることにした。事前にバッテリーを充電し、コーヒーメーカーを持っていく。コーヒー豆は比較的苦みが強いイタリアンブレンドと、バランスのよい普通のブレンドだ。
ドリップは、給水タンクカバーを開けて、LIMIT(満水)マークの高さまで水を注ぐ。給水タンクの水量は150mlで1杯分となる。フィルターをホルダごと取り出し、挽いたコーヒー豆を付属の軽量スプーンですり切り一杯(6.5g)入れて、再び本体にセットする。マグカップトレーにはカップを置いておく。
あとは電源ボタンを押せば、赤く光ってドリップが始まる。ドリップが終わると電源は自動的にオフとなる。
バッテリーを使って淹れたところ、掛かった時間は6分27秒ほど。容量3.0Ahのバッテリーでは、2杯のコーヒーを淹れることができる。
粉っぽさは少なく、美味しいコーヒーに!
マキタのコーヒーメーカーで採用されているメッシュフィルターは、洗って何度も使えるので経済的だが、目が粗く、すぐにお湯が通過してしまうため、味や香りが出にくい。また、コーヒーのカスも出てしまうため粉っぽくなりやすく、手で淹れるのも非常に難しいと言われている。基本的にコーヒーメーカーはペーパーフィルタータイプのほうが味は安定している。
しかし、出来あがったコーヒーは、メッシュフィルターでも美味しい味わいになっていた。特に、交流電源で淹れるよりも、バッテリーを使ってコーヒーを淹れた方が美味しく感じる。ポタポタポタッとゆるやかに落ちていき、しっかりと豆の味が出るからだ。美味しく飲める適正な温度は60℃~70℃といわれているが、冷たいペットボトルの水で淹れても60℃以上で抽出される。
味に関してはそれほど期待していなかったものの、意外にもちゃんとしており、香りがよくて驚いた。飲み終わった後もメッシュフィルター独特の粉っぽさが少なく、うっすらと浮かぶコーヒーオイルのワイルドな味わいも楽しい。苦みが強いコーヒーが好みなら、おすすめと言える。
今回は2種類の豆で淹れてみたが、イタリアンブレンドよりも普通のブレンドのほうが飲みやすいと感じた。
マキタの電動工具ユーザーにおすすめしたいコーヒーメーカー
交流電源を使うと、1杯淹れるのに掛かる時間は約3分。バッテリーで淹れるよりも早く抽出が終わり、味は少し薄めとなった。
また、交流電源の方はアースがついている。電源コードはとても短いが、その理由は“詰まり”や"つまずき"を避けるためだという。このあたりが一般的な白物家電とは思想が異なっており、説明書を見ながら笑ってしまった。
非常に不便なので延長コードを使用したいところだが、「アースのついた3線コードだけを使用」という注意書きがあり、なかなかハードルが高い。アースも含め、家で淹れるのはあまり現実的ではないと感じた。基本的には、バッテリーを使って淹れるためのコーヒーメーカーと言える。
外箱には赤字で目立つ場所に「現場で簡単ドリップ」とあり、見た目も使い勝手も個性的だ。色々とツッコミどころはあるが、マキタの電動工具を使っており、バッテリと充電器をあらかじめ持っているユーザーであれば、便利に使えるだろう。電源が取りづらい現場用として、またアウトドアでも活躍してくれそうだ。