家電製品レビュー

忙しい人ほど活用したい! 「ヘルシオ グリエ」は温めなおしの餃子や天ぷらも美味!

 筆者は2009年製の「ウォーターオーブン ヘルシオ(AX-X2)」ユーザーです。ダイエット中でも唐揚げが食べたい! カロリーを落とした料理をとりたい! そんな思いで買いました。そして7年。何度も過熱水蒸気で調理しましたし、揚げない唐揚げにも大分お世話になりました。温め機能だってありますから、油をちょっと落としていただいたりも。

 しかし、気がつくとレンジ機能を使った温め以外、特に揚げもの系はオーブントースターを多用していました。ヘルシオはいろんなことができるのは分かっているものの、ちょっと使うには大きすぎる。パッと使ってパッと片付けたいシーンが多いため、もっとも、ウリであるはずの過熱水蒸気の出番がほとんどなくなってしまったのです。まさにオーブンレンジあるあるです。

 それゆえに、今回ご紹介する「ヘルシオ グリエ」が登場したときは衝撃でした。あの過熱水蒸気調理が、オーブントースターサイズで、オーブントースターを操作する感覚で、簡単にできるようになったからです。

ウォーターオーブン専用機「ヘルシオ グリエ」
メーカー名シャープ
製品名ヘルシオ グリエ AX-H1
実売価格33,200円(Amazon)

 その「ヘルシオ グリエ」を2週間試せる機会が訪れました。ちょうどかなり多忙な時期でした。いつもなら「この忙しい時期にどうしたらいいんだ。むしろ人が作ったものが食べたいくらいなのに」となるわけですが、今回は違いました。まさにその真価が問える好機! 結果、「ヘルシオ グリエ」は、朝食に、昼食に、夕食(晩酌)にと、その期待に100%応えてくれたのです。

 はっきり言えます。「ヘルシオ グリエ」は、忙しい人にこそおすすめできる調理家電です。

ちょっとレトロなデザイン

過熱水蒸気調理に特化した小型オーブン

 「ヘルシオ グリエ」は、サイズ412×315×218mm(幅×奥行き×高さ)、重さ約6.3kgという、まさにトースターサイズ。従来のオーブンレンジからレンジ機能を省き、過熱水蒸気調理に絞ってギリギリまで小さくしたと思えばいいでしょう。

パっと見オーブントースター
庫内(下側)の様子
庫内(上側)の様子
側面

 調理時には、まずMAXラインまで水を入れた水タンク(約40ml)をセット。機能は非常にシンプルで、過熱水蒸気パワーが「弱」「中」「強」「水抜き」の4モードから1つ選び、加熱時間タイマー(最大15分)をセットするだけ。

 スタートボタンらしいものはなく、ダイヤルを回して時間を選択すると、手を止めた1秒後から加熱がスタートします。止めるときは、タイマーを0に戻します。付属品は焼き網にトレイが1枚ずつと、まさによくあるオーブントースターのようです。

水タンク
約40ml入ります。少ないように見えますが、1回の加熱で全部切れることはないようです
操作部
加熱時間の目安は本体をみれば分かります
パン屑トレイ
付属品のトレイと焼き網

 この商品が生まれたきっかけは、最近共働き家庭が増え、それに伴ってお総菜を活用した「中食」や、まとめて作ったり買ったりして、冷凍保存するケースが増えているという背景からとのこと。

 つまり「ヘルシオ グリエ」は材料を刻むところからスタートする料理のためではなく、すでにできているものを温め直したり、焼くだけで済ませることを前提にした忙しい人たちの食卓がターゲットというわけです。

取扱説明書に、クックブックが付属

食品本来のおいしさがよみがえる!

 というわけで、料理面倒くさ~い! という絶好のタイミングで我が家に2週間限定でやってきた「ヘルシオ グリエ」。忙しくてもお腹は減りますから、滞在中は朝から晩まで(晩酌まで)フル稼働といってもいいくらいの活躍ぶりでした。

 朝食ではトーストをはじめとして、モーニングセットやクロワッサンの温め直しを頻繁に行ないました。昼食ではスーパーで買った餃子、海老の天ぷら、たこ焼き、一口カツを温め直したほか、買ってきたピザも焼きました。夕食では、唐揚げとポテトフライ、焼き茄子、鶏肉のグリルなど。

大きなオーブンレンジと違って、トーストも1枚からこの通り!
朝食用に卵、ソーセージ、ピーマンを入れてみました。実はトースト用の食パンも並べられます
数分後にこの通り
続けてクロワッサンも温めます

 とにかく手間のかかることはしたくなかったので、楽な方へ楽な方へと流されていったわけですが、なんだか食事が楽しい。

 トーストはさくさく。クロワッサンはあの質感を損なうことなくアツアツに。割るとバターの香りがなんともいえませんでした。卵焼きと焼き野菜とトーストが同時にできたりと、オーブンレンジで熱烈アピールしている同時調理ももちろん可能。

「ヘルシオ グリエ」だけで朝食が完成
ちなみに卵の黄身はこの通りトロトロ!

 天ぷらや一口カツなどの揚げものも、衣から適度に油を抜きつつ、カラリと温め直してくれました。

お総菜の一口カツ
衣がサクサクしていて、明かにそれまでのオーブントースターと違います

焼きなすやノンフライ唐揚げも作れる!

 焼き茄子にトライしてみたところ、こちらも成功。タイマーは最長15分までですが、焼き具合を見ながら随時時間を追加していけばOKでした。揚げない唐揚げもポテトも焼き茄子も、全部晩酌のアテとしておいしくいただきました。

焼き茄子にトライしたところ、問題なく作れることがわかりました
なんでもお任せできると確信
ヘルシオといえば揚げない唐揚げ。下味をつけた鶏肉に小麦粉をまぶしてトレイに乗せるだけ
過熱水蒸気におまかせ
数分後にはこの仕上がり
唐揚げのあとポテトも作ります
軽く油をまぶして焼くと、カロリー控えめに
唐揚げとポテトで晩酌用の1皿が完成
鶏もも肉を丸ごと焼いてみよう! ということで……
アスバラガスとじゃがいもも並べて、様子を見ながら25分ほど加熱してみました
外はこんがり、中はしっとり。ロースト◯◯◯◯が作れそうです!

天ぷらと餃子も同時に温められた!

 実は一番試したかったのが餃子でした。お総菜で買った、もしくはたくさん焼いて冷えた餃子を温め直すときいつも悩むのです。電子レンジを使うとベタっとするし、かといってオーブントースターを使うと皮が乾燥して硬くなり、中の具の温まり具合も微妙に。

 ゆえに、毎回フライパンで蒸し焼きにし直すわけですが、手軽に食べたくて買うわりに、もう一度焼き直しみたいな状態になって、油のついた洗いものも出るため不満だったのです。しかし、過去に餃子が温められることを謡った家電製品はなかった(と思います)。

 それが「ヘルシオ グリエ」を使うと、皮は適度に水分を含んだ状態でしっとり。中はしっかり温まりました。フライパンでの蒸し焼きには及びませんが、冷えて固まっていた餃子が、餃子らしさを取り戻しました。餃子好きとしてはありがたい限りです。

「ヘルシオ グリエ」で温めた餃子。温めるときはお皿に並べるときのように底面を上にするといいようです
カラカラにならず、しっとり感を保ったまま中まで温まりました

 出来心で海老の天ぷらも並べて同時に温めてみたところ、天ぷらは天ぷららしい歯ごたえに、餃子は餃子らしいしっとり感がよみがえり、再度ビックリ。

天ぷらと餃子を2品並べて温めてみることに。するとなんと成功!

 だったらと調子にのってスーパーで買ったたこ焼きの温め直しも試しましたが、大成功! すでに鰹節がのった状態だったにもかかわらず、電子レンジ加熱後のへにょ~んとしたたこ焼きではなく、鰹節はぱりっと、たこ焼き自体はふっくらとちょうどいい温度。過熱水蒸気パワーのすごさを改めて思い知りました。

鰹節がコゲコゲになるかな、と思いながらたこ焼きも
鰹節がパリッとして、むしろ温める前よりたこ焼き全体がシャキッとした感じに

忙しくても食事を楽しめる製品

 本当に気楽で、2週間があっと言う間でした。「ヘルシオ グリエ」はカラっとすべき部分はカラッと仕上げながら、中は水分を損なうことなく加熱しますから、本当に食品を出来たてに近い状態にしてくれます。電子レンジとは違う新しい温めだと思います。電子レンジと併用することで、食事がラクに楽しくなること間違いなし!

 トレイのサイズが1人分ですし、アルミホイルを敷けば、使い終わったら捨てるだけなのでメンテナンスもラクでした。唯一、ピザのサイズがトレイを少し超えていため、チーズが下に垂れてしまい困ったくらいです。おかげで2週間、残念な気持ちになることなく、楽しく食事ができました。むしろ使うのが楽しくて晩酌に拍車がかかってしまいました。

ちょっとはみ出してチーズがこぼれてしまいましたが、ピザも焼けます
忙しいときは助かりますね

 気になった点があるとすれば、それは加熱時間タイマーのダイヤル。クルクル回すと設定時間が赤く光るのですが、これが目線が上からだとちょっと見にくいのです。ダイヤルに印がついていると、今どこをさしているのか分かりそうな気がしました。

設置場所が低いと加熱時間タイマーの設定時間が見にくいので、毎回かがんで覗き込むことになります

 「ヘルシオ グリエ」があれば、買ってきたものばかりでと後ろめたさを感じることはないでしょう。むしろ買ってきたものを美味しく楽しもうという余裕がうまれ、前向きな気持ちで食事ができます。忙しいけれど、食事には気を配りたいという方には本当におすすめです。

すずまり